うすうす気づいてはいたけど
近所の銭湯に行った。
おそらく、大浴場に行くのは1年半以上ぶり。
鹿児島でどの町にも温泉が1つはあるような環境で育った私が、1年半も大きな湯船に浸からないことはきっと人生初めてだ。
目の前を往復したことは何度もあったし、周りを歩いたこともあったけど、なかなか行けていなかった近所の銭湯。
入り口だけ見ると、一軒家ほどのサイズにしか見えない。どんな銭湯なんだろか?おうちサイズ??
ドキドキわくわく中に入ってみると、イメージ通りの脱衣所があって、お風呂場に行くと、天井が気持ちいいほど高かった。
全面さわやかな水色に統一されてて、
壁には富士山みたいな山と断崖絶壁の絵。
プールのような消毒の匂いがして、
ケロリンと書かれた黄色い桶。
私の大好きな昔ながらの銭湯。
欲を言えば温泉がいいけど。
まぁそこまでのわがままは言うまい。
入浴してたのは私の他に2人。
ランニングしてきたのかな〜ってスポーツマンみたいなおばちゃんと、すんごい美容用品を持って念入りに体をメンテナンスしてるおばちゃん。
天井を隔てて、隣の男湯からなんか話し声。
お風呂上がって、座っていると、
ちょっと耳の遠い番頭さんに話しかけられた。
隣の男湯でドライヤーしてる人がいて、
なかなか声が聞き取りにくかったけど、
『風呂入って寝るのが1番だよ!』
ってゆうのはバッチリ聞こえた。
そして帰り道。
私はいつも湯船の中で、肩を回したり、足をマッサージしたり、ここぞとばかりに体をほぐしたくなるんだけど、今日はそんな気も起こらなかった。
使い捨てのシャンプーを使ったから、自分からいつもと違う匂いがする。
濡れた髪にタオルを乗せて歩きながら、
なんでか、涙が出た。
わたしは疲れているらしい。
風が心地よかった。