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【第3回配信】八画文化会館OFFICIAL FAN BOOK「矛盾不純」第2章 28歳、私「あっち側」へ行ってきます(1)
今年の夏に発売予定の、八画文化会館叢書vol.07『矛盾不純 八画文化会館OFFICIAL FAN BOOK』の先行配信、きょうは第3回目をお届けします。
▲表2デザイン 表紙をめくったら見えるページ。危険物仕様です(完成版)
すべて単品(100円~600円)でもご購入いただけます。単品価格に値段のちがいがあるのは、実売数などの数字を公開している回は高めに設定しているためです。
が、マガジンは1000円で発売しています!ので、ひとつよろしくお願いいたします。
全8回の配信予定は下記のとおりです。第3回目の本日は、「第2章 28歳、私「あっち側」へ行ってきます 1. 酒井竜次の4年ごとに負けるストーリー」をお届けします。
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【目次】
第1章 AVメーカー事務所の片隅から
1. 新宿のはずれ、大久保の雑居ビルにて(第1回配信 100円)
2. 気鋭のイラストレーター小磯竜也との出会い
3. 自由の矛盾と金儲けの不純(第2回配信 100円)
第2章 28歳、私「あっち側」へ行ってきます
1. 酒井竜次の4年ごとに負けるストーリー(第3回配信 100円)
↑今日はココ
2. ジュンク堂新宿店「ふるさとの棚」の無責任編集(第4回配信 100円)
3.『愛知県漂流』に揺さぶられて(第5回配信 100円)
4. 赤信号を渡って『八画文化会館』に向かう(第6回配信 300円)
第3章 私の答えはただひとつ、続けること。
1.「ない」ものを数えて「ある」ものまで失くす毎日(第7回配信 600円)2. とにかく続けること(第8回配信 100円)
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第2章 28歳、私「あっち側」へ行ってきます
1. 酒井竜次の4年ごとに負けるストーリー
注文書片手に慣れた様子で書店を回る出版社の営業マンに見慣れていた私は、よれよれのスーツにキャリーケースを引いた挙動不審な男性が近づいて来るのを見て、反射的に目をそらした。
社会人年齢が進むにつれて、たいていはしゃべり方や服装、物腰などが類型化され、職業の染みついた人間になっていくものだ。しかしその男性はスーツを着てはいるものの隠し切れない正体不明の怪しさを漂わせながら、何故かニコニコして立っていた。
彼が酒井竜次だった。
変わった本を作る人は、やはり変わった出で立ちをしているのだな、と妙に納得した。喫茶店に入ると「ぼくバナナクレープください!」と元気な声で注文して終始モグモグ食べていた。
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