「商店街ノスタルジア」おまけ配信【第10回】不思議な商店街パトロール
『八画文化会館vol.8 商店街ノスタルジア』7/2(木)発売を記念して、誌面の都合上掲載できなかった物件や、モノクロだった写真、小さいカットでしか掲載できなかった写真、もうちょっと書きたかったこと等々を全10回更新でnoteでお届けしようと思います!
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全国津々浦々のちょっと不思議な商店街をパトロール調査してきましたよ。本誌ではモノクロページなのでカラーでどうぞ。
1.ジャスコは消えても名店街は営業してます。
ジャスコシティ名店街(兵庫県姫路市飾磨区)
商店街の宿敵と思われがちなショッピングモールだが、商店街を開発することもあるらしい。その好例が、イオンの前身「ジャスコ」が1971年に作った〈ジャスコ飾磨店〉だ。しかし2006年にジャスコが閉店し、名店街だけが生き残っているという。2016年8月に訪問し、名店街の〈赤おに〉で訊いた所によると、跡地を駐車場付きのモールにする計画があり16年6月に店主らに立ち退き交渉があったが、店舗毎に所有権があるため難航。それどころか新店舗が短期契約で入居しようとしている。解体工事も中途半端に止まったままなので、11年にイオンに転換して消滅したジャスコの名残が見られる貴重な元ジャスコ遺産になったという訳だ。
▲ジャスコは06年で34年の歴史に幕
▲交通量の多い道路に面した好立地
▲解体工事中のまま10年以上…
▲シャッター残る元ジャスコ部分
▲統一看板にもジャスコの名
▲立入禁止ゾーンもある
▲薄暗い全蓋式アーケード内に名店街の店舗が軒を並べていた
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2.防空壕の中にも商店街が存在した!
とんねる横丁(長崎県佐世保市)
防空壕が商店街になっていると知って、2011年5月に訪問。85年前の第二次世界大戦中に掘られた防空壕が、まだ現役で活躍しているとは驚きだ。JR佐世保駅から徒歩5分の駅近物件だが、近づいてみると商店看板が掲げられた背後に、剥き出しの岩肌が見える。本当に防空壕だ。鮮魚店や菓子店、ホルモン屋などが肩を寄せ合うように軒を並べている中で、とんねる横丁の創業時(1948年)から営業中の〈四軒目食堂〉に入ってみた。店内は防空壕ならではのかまぼこ型。細長いカウンター席が10席ぐらいと、奥にテレビのある座敷まであって結構広い。防空壕から想像されるような、暗さや狭さや怖さは感じられなかった。窓はないが想像以上に明るく、店内もお昼時で混雑していた。秘密基地の中で食べているような気分。おでんが美味しかった。
▲朝日デジタル(19年11月12日枝松佑樹さんの記事)によると高さ8mの岩山に掘られた長さ約6~16mの防空壕跡8本に店舗が入居しているようだ。
▲老舗の四軒目食堂(現在別店舗になっている)
▲かまぼこ型店内は秘密基地っぽい
▲防空壕は案外奥行きがある
▲おでんが名物だった
▲開業当時の様子
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