TEAM酷道よごれんさんと酒井さんの写真をよーーく見てみたら…
ひきつづき、本誌6号の制作をしています。今日は写真を選びました。13000枚の候補写真をしぼって、9000枚にしていきました。
次号では、TEAM酷道のよごれんさんに全面的に協力してもらっています。取材に同行してもらい写真撮影をお願いした場所もあるので、同じ物件でよごれんさん、酒井さん、石川の3人の写真を見くらべて、選べるという非常にありがたいことになってまして。
まぁ、そしたらですね。違うんですね3人とも。同じものを、同じような角度から撮っていたはずなのに。カメラやレンズの違いを差し引いても、仕上がりがこんなにも違うのかと、びっくりしました。
よごれんさんは、構図がめちゃくちゃうまい。さすが鉄道雑誌の表紙を飾ったこともあるという、べらぼーな腕前です。三脚使ってなかったのにまっすぐだし、バランスがいいし。めんたまにドスンと入ってきます。
それから対象ジャンルへの造詣の深さが、写真からも伝わってきます。たとえば近代化遺産、廃墟、火災や事故、終末物件、珍スポットなどそれぞれちがう魅力があるなかで、そのジャンルでは何をどう撮ったらいいのか、というツボがおさえられています。
一方、酒井さんは、着眼点が面白いです。同じ物件に行ったのに、まったく違うものを撮っています。「こんなのどこにあったの?」と思う写真がたくさんありました。気づかなかった場所や、こっちから見た方が面白い、とか。写真を撮りながら、楽しみ方の新しい局面を常に探してるんですね。
「見過ごしてがちだけど、これは見るに値するものだよ」という、町を切り取ったり、救いとったりする視点に秀でているんですね。
で、私はというと、ボツ写真の山でたいへん残念な感じでした。あーあ。
事前に考えて、扉に使いたいから縦位置で文字入れやすいように撮ろうとか、いちおう考えていくんですよ。でもそうすると、肝心の、その物件のどこがどう面白いのかがわからなくなって、文字を入れやすいだけの写真になってしまってました。
目的を考えすぎる頭でっかちだと、写真自体の訴求力が下がってしまうようです。これとこれとこれを入れれば、何が映っているかわかるっしょ、という説明的な感じがして面白くありません。目が驚くような写真が撮れてないなと反省しました。
以前よごれんさんに、「もう7年ぐらい写真撮っていますが一向に上達しません。どうしたらいいですか?」と相談したときには、「それはいかんですね。自分の撮った写真を見直してみた方がいいですよ」とアドバイスをもらいました。撮りっぱなしにしてるなぁ…と反省。
さっき酒井さんにも相談してみました。すると「町に愛されるようになると、撮れるよ」とのこと。「オレには撮って、撮ってって町がささやきかけてくる」らしいです。やはり散歩の達人はちがいます。
写真を見直してから次の町歩きに出かけようと思います。で、町に愛されるために、どんと楽しんできたいと思います!