【ハチトーーク第2回】41歳オッサンの小学生の頃の宝箱が出てきた!~シール編~
おしゃべり対談コーナー「ハチトーク」第2回の配信です。深夜のラジオ番組を1人でこそこそ聞くような感覚で楽しんでいただけるよう、ユルんでねじれて干からびきったグルーヴでお届けしたいと、一同張り切っております。
この対談は5/25(水)の午後にとつぜん小学生のころの宝箱を持参して出勤した編集部員酒井によって、仕事中の石川、伊波が急遽呼び集められた際に、収録したものです。
前回は、ファミコンやディスクシステムの取扱説明書でしたが、今日は少年のコレクションの王道、シールです。さあいってみましょう。
----------------------------------------------------------------
【目次】
1. ビックリマンシールで少年はコレクションの愉しみを知る
2. 本物を越えるニセモノの世界
3. シールならなんでもいい
4. もうシールじゃなくてもいい
----------------------------------------------------------------
1.ビックリマンシールで少年はコレクションの愉しみを知る
酒井:オレらがガキの頃は、少年はまずビックリマンシールを集めることでコレクションするということを覚えたね。蒐集趣味の元祖と言っても過言ではないね。
石川:あ~これ男子はみんな集めてましたね。シール集めたさに、チョコレートを捨てて社会問題になったりしてましたね、そういえば。
▲ビックリマンシールとマイナーシール
酒井:これらは僕にとっては通貨であり、実弾でした。だからここに残っているのはいわゆるカスですわ。いいやつは通貨や実弾として使っちゃったから。
石川:少年たちは、どうやって使ったのこれ。集めるの?
酒井:ビックリマンとか、いいやつは通貨ですよ。通貨としてバラまいた。ファミコンのカセットと交換したり。物々交換をして、わらしべ長者のようにね。高校生にもなると、この通貨で友達に宿題をしてもらったり。そう、通貨ですよね、少年の。
2. 本物を越えるニセモノの世界
石川:あっこれはビックリマンじゃない。ニセモノ?
酒井:そう。これは名称不明のビックリマンのパチもん。
▲(左)ホンモノ「悪魔VS天使シール」(右)ニセモノ「魔人VS天子シール」
伊波:せっかくなんで並べてみましょうか。
石川:これはすごいですね。かなりカスだよ。
酒井:オレは子供の頃、クズカルチャーのトレンドセッターだったから。新しいものが出ると、必ずチェックするわけですよ。
石川:そのときから萌芽があったわけですね。スカム系ですもんね。
▲「魔人VS天子シール」歯みがき少助
伊波:歯みがき少助やばいですね。
酒井:解説文もかなり適当だし。魔人キャラの死想脳老は、字面はかっこいいけど歯槽膿漏だから。大人の病気じゃん。そこは虫歯とかバイ菌にしとけばいいのに。
▲実弾としてのシールの遊び方
酒井:このカスは、オレにとっては実弾。シールを半分はがして、こうやって棒の先っちょに貼り付けるんですよ。それをこうやってランドセルしょってる友達に貼り付ける。そうすると、貼り付けられた後、剥がそうとすると、いかんせん安物のシールだから、ハトのふんのように白い部分がこびりつく。みんなこびりつかせとったね、ランドセルに。ま、少年たちの勲章だね。
石川:ビックリマンシールはチョコのオマケですよね。こういったニセモノもお菓子のオマケ?
酒井:いや、駄菓子屋のくじシール。10円で2枚入っとった。
石川:えっ?これ単品で買うの?オマケじゃないの?すごい強気ですよね。この記事100円で売ろうとするぐらい強気だな。このシール10円で売るなら、この記事だって100円で売ってもいいような気がしてきたよ。勇気をもらいました。
▲本物のビックリマンチョコシール (株)ロッテより発売
伊波:本物のビックリマンがわからなくなってきますね。
酒井:これが本物です。もっとイイヤツいっぱい持ってたんだけどね。酒井少年をかばう発言しとくとね。
▲「バトル騎士シール」マーメイドより発売
酒井:で、これがニセモノ第2弾。「バトル騎士シール」だって。
伊波:石川編集長、ななんと!右上の魔怪龍師ギドルフ、『ゼウスの森』っていう買取販売サイトで2000円の値段がついてます。しかも売り切れてる。
石川:えっ⁉ 2000円⁉ 売ろうか!他はどう?
伊波:ナイトタックラー315円、ガッチャナイト315円、ナイトパシーン315円、ドンマナイト324円、暴蛇龍コブラス648円、すべて税込み価格です。
酒井:さっきのカスなんだっけ? あ、はみがき少助は?
▲な、な、なんと、歯磨き少助には1080円の価値があった……‼
伊波:少助は……。すごい!まんだらけの通販で1080円です。
石川:10円が約30年で100倍になってる……。
伊波:マイナーシールとかパチシールっていうみたいですね。
酒井:捨てんでよかったぜ。
伊波:さっき定規に引っ付けてた「新聞鬼者」のシール、これもまんだらけで1000円です!「魔人VS天子シール」は、だいたい1枚1000円ですね。
石川:正規のビックリマンシールは?
伊波:まんだらけの通信販売サイトだと、「如面菩薩」324円、「助士すいさい」75円、「レスQ天女」324円、「スリップ防士」75円、「巻助」と「悪蛾魔」は該当ナシです。
石川:すごいなぁ。時間が経つと、ニセモノが本物を超えられることもあるんですね。カスとか言ってごめんなさい。
酒井:そうだよ。当時の酒井少年と歯磨き少助にも謝れ。
石川:すまん!
※後日調べるとマイナーシールの底力がわかりました。まんだらけのシール情報がとてもわかりやすかったです。『魔人VS天子シール』はクリエイト系として分類されていました。クリエイト系は、
新世界創造系。なにかをまねたとゆうよりもはやオリジナル作品となっているようなタイプ。
とのこと。たしかにそうかもしれない!
引用サイト:まんだらけパチシール分類・系統樹
3.シールならなんでもいい
▲謎の円谷プロ、石森プロシール
石川:これは本物ですか?
酒井:わからん。俺のコレクションに対するポリシーは、コンプリートするんじゃなくて、広く浅く摘み食いするスタイルだね。なんか戦略があったと思うよ。毎日そんなこと考えてましたから。
※シール裏面には「1987年BANDAI」の表記がありましたが、調べてもわかりませんでした。ご存じの方がいたら教えてください。
▲北海道のキタキツネシールと『北斗の拳』
石川:うわ~!これまた懐かしい。ファンシーですね。清里とか軽井沢のファンシーショップでこういうキツネをよくみたよ。シッポがキーホルダーになってるやつとかもあったよね。
伊波: ありましたねぇ。
石川:これはどのぐらい価値があるんですかね。ファンシー学院の山下メロ院長に聞いたらわかるかな? こうやって観光地の地名をローマ字表記にして「HOKKAIDO」みたいに書いてあるファンシーグッズって、90年代前半ぐらいまではよくみかけたけど、あれはいったいなんだったんでしょうね。
伊波:ファンシー気になりますね。
石川:ファンシー気になる。気になり出すと、ファンシーもロマンチックも止まらないよ。今後の課題にします。
伊波:これファンシーとは対極にありますね。『北斗の拳』ですね?
酒井:そうそう。少年ジャンプの付録だ、これは。少年たちの業界誌であり専門誌だからね、少年ジャンプは。毎週必ずチェックしてた。
▲検索しても出てこない「ノーザンクロスゼリー」
石川:これなに?こんなの流行したっけ?
酒井:ビックリマンシールの影響で、シールがホログラムでキラキラしてるヤツは何でもかんでも集めちゃうんだよね。ちなみにこのノーザンクロスは、お歳暮で家に来てたゼリーについてたシール。
石川:ホログラム・パンデミックとでも言いたくなる状況ですね、お歳暮のゼリーまでいくと。なんでもかんでも集めはじめましたね。
酒井:自分、トレンドセッターでしたから。
▲ジャンプの読者プレゼントで当たったドラクエシール
酒井:これはジャンプのプレゼントに応募して当たったスペシャルシール。
伊波:すごい!
酒井:お正月号とかで、何万名様にプレゼントみたいな企画があって、見事に当てたね。ドラクエシール。本当は10枚くらいのセットだと思うけど、マイメン達に1枚ずつあげたような気がする。友情の証としてプレゼント。伊波氏もあげよっか?
伊波:(無視)
へんじがない。
ただの しかばねの ようだ…。
▲火の鳥ホログラムシール 200円
酒井:特別に宝袋に入れてしまってた。『火の鳥』のキラキラシールね。手塚治虫先生の。これはお母さんに買ってもらったんじゃないの。自分のお小遣いじゃなくて。だから特別にしまってある。
伊波:ドラクエシールも一緒ですね。
酒井:雑誌社と母親は別枠なんだろうね。
4.もうシールじゃなくてもいい
▲コロコロドラゴン少年団連盟証書(『コロコロコミック』小学館)
伊波:コロコロコミックの連盟証書もありますね。
酒井:ウチはコロコロ買ってもらえんかったんだよねー。少年ジャンプは、親父が毎週出かけるパチンコ屋の近くの喫茶店にあったから、付録とかもらえたんだよ。でもオレのルートだとコロコロは手に入れられないから、買ってもらった時はよっぽどうれしかったんだろうね。
石川:もうシールじゃなくなってますね。少年の心の移り変わりが忍ばれます。次回はシールからカードの時代へ、ということでカードコレクションをお送りします。
収録日:2016/5/25(水)