酸いも甘いも噛りついて眠りにつきたい
すきなものばかり、食べてればいいのに。
いい加減に、自分の、きらいなものも、苦手なものも、知ってる。
そしてそれらを食べずに暮らして生けることも、知ってる。
でも、どうしてだろうね。苦いってわかってても食べてみたいって思っちゃうときがある。「うわ、やっぱりだめだった」ってなるのに、のど元過ぎれば、というやつでしょうか。またそういうのが欲しくなる。胃が求めているでも、脳が求めているでもわけでもなくて。どこからあの欲求がでてくるんだろう。不思議だな。
この世は不思議で、わからないことばっかりだ。わからないことが宇宙だとして、わかってることってその塵以下だ。なんにもわからないも同然だ。生きれば生きるほど、わからなくなってる気がする。なんでもそうかもしれないね。この世も。だれかのことも。わたしのことも。
わからないことを、知りたいって、好奇心。
秘密をそっと暴きたいっていう我儘。
持っているから、足を運ぶし手を動かすのに、なぜかしら、わからないことはわからないままで、秘密も秘密のままで、未知も未開も未解もそのままがいいっておんなじくらいおもってる。
それこそが、美しいって。
きっとつまりは想像力。
果てのない余白が、孤独が、わたしたちを動かしている。
不完全なぼくらは、だからこそ完全に憧れ続けている。だけどきっとぼくらは永遠に不完全だ。だからなんでも食べてみたいっておもっちゃったりもする。つまりはそういうこと、にしておこう。
今夜は甘い板チョコを齧って眠る。目が醒めたら、なに、食べようかな。
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