
センチメンタルXmasコアラ
コアラの睡眠時間は1日22時間で、動物の中でナンバーワンらしい。
22時間てアンタ、寝すぎ寝すぎ。
コアラがそんなに長時間睡眠なのは、彼らの主食であるユーカリの葉っぱに主な原因があるらしい。
ユーカリの葉っぱには毒が含まれているから、それの解毒に時間とエネルギーがかかるそうで、長時間の睡眠が必要らしい。
さらに、ユーカリの葉っぱは栄養価が低い。摂取できるエネルギーが少ないので、なるべくエネルギー消費しないように寝ているというのだ。なんてこった。
一応、毒性の強さを嗅ぎ分け、毒の弱い若い葉を選んで食べる能力は備わっているらしいが、それでもやっぱ毒は含まれているらしく。たくさん寝ないとムリなんだそう。難儀やな。
コアラよ、そこまでしてユーカリを食べるのはなぜなんだ…そろそろちょっと、違うものでも食べてみよっかなーとは思わないのだろうか。
「オレが今までの常識なんかぶっ壊してやっから!!」みたいな、オラついた野心家コアラはおらんのか。
「よし見てろよ、オレ今日ちょっとオリーブの葉っぱ食ってくるわ」
「えっ、オリーブ?そんなやめとけって!なんかあの葉っぱ油っこそうだし」
「うっせ!食べてみなきゃ分からねえだろ!」
ムシャムシャムシャ…
「にっっっが!!!!なんだコレ!にっっが!!ペッ!ペッ!まっず!!!おぇーー」
「ほらーーだからやめとけって言ってんのに…ほい、ユーカリの若葉持ってきといたから食えよ」
「チッ…ありがとよ。くっそ、やっぱうめぇなユーカリはよ…。でも、オレあきらめねぇから。明日はアカシア食ってみるわ」
「アカシアぁ?やめとけやめとけ。あんな小っちゃい葉っぱ気持ち悪りぃって」
「うっせぇな…もし美味しくてもお前には教えてやんねーからな」
「はいはい、わかったわかった。いいからもう寝ろ、お前もう3時間も起きてるだろ。そんなに起きてると解毒できねぇぞ」
「それもそうだな…悪いな付き合わせちゃってよ。お前も早く寝ろよ」
みたいなね。
え?
何この話。

そうそう、クリスマスプレゼントの話。
私が小学1年生のとき、クリスマスにサンタさんから大きなコアラのぬいぐるみをもらったという話。
小学1年生の私は、シルバニアファミリーに憧れていた。しかし、あまり健全とはいえない家庭だったため、親におもちゃを買って欲しいとおねだりできるような子供ではなかった。
そこで私は、サンタさんにお願いしてみようと思いついた。
12月に入り、クリスマスが近くなってきたある日、「シルバニアファミリーの家と人形が欲しいです」とサンタさんに手紙を書いた。
可愛いシールでデコレーションしたその手紙を、自分の机の上に置いておいた。すると母に「手紙は冷蔵庫に貼っておきなさい」と言われた。なんで冷蔵庫に?サンタさんは子供の部屋ではなくキッチンに来るんだろうか?と不思議に思いながらも、言われた通りに冷蔵庫に手紙を貼っておいた。
何日か経つとその手紙は冷蔵庫から消えていたので、サンタさんが取りに来てくれたんだと思った。
本当にシルバニアファミリーがもらえるのだろうか?いい子にしてたから、サンタさんは見ててくれただろう。きっと大丈夫。そう思っていた。
ワクワクしながら眠りにつき、いよいよ迎えたクリスマスの朝、私の枕元にはでっかいコアラのぬいぐるみが鎮座していた。
でっかいコアラは、ちっちゃいコアラを抱っこしていた。親子のコアラだった。
どういうリアクションをするのが正解なのか、小学1年生の私にはわからなかった。素で「ナニコレ…」と引いてしまった。だってコアラなんて別に好きじゃない。私はシルバニアファミリーが欲しいと手紙に書いたのだ。それを楽しみに起きてみたら、謎のコアラ親子が座ってたんだもの、そりゃあそんなリアクションにもなる。
そんな私を見て、母は気まずそうにしており、父は不機嫌そうだった。
それを見て、いろいろ悟ってしまった。
サンタの秘密とか、家庭の事情とか。
クリスマスが近づくと、どうしてもそのセンチメンタルな記憶が蘇ってきてしまって、家事をしながら急に「わーー!あーーーー!」とか言ってしまう。ちょっとしたトラウマだ。

そんな私だが、今ではサンタ代行業務を行なう立場にある。その業務、今年はちょいと困っている。
長男が欲しがっているものは、どこもかしこもsold outになってしまっている。動くのが遅すぎた…たとえ在庫があっても、先月見たときの倍以上の値段になっている…。に、にまんえんはちょっとサンタさんもむりじゃないかなーどうかなーいやむりだとおもうなー。
そして次男が欲しいものは、よくわからない。
「サンタさんに何おねがいするの?」
「ピンクのくまさん!」
えっと、ピンクのくまさんって誰かな…?
母さんあの、黄色のくまさんしか知らないんだけども。ハチミツ食べてる赤いチョッキのくまさんしか。
ピンクのくまさんは、トイストーリーに出てきた悪いやつしか思いつかない。でも話を聞くとどうやら違う。YouTubeか何かで見たのかと聞いてみても、「ううん、ユーチューブじゃないよ、ただのピンクのくまさん」
ただの?ピンクのくまさん?
ピンクのくまならなんでもいいのかしら…?
「そのくまさんって、おおきいの?」
「ちっちゃいの!」
ただピンクのくまでいいなら、まあ何とかなりそうだと安心していた。しかも小さいときたら、安上がりじゃないか!手に入りやすそう。
と思っていたのだが、今日になって「ピンクのくまはやめる」と言い出した。おい。
じゃあ何にするのかと聞くと、「わかんないよもう!べつになにもほしくない!」とお怒りモード。
どうすりゃいいのか分からないが、やけくそになって親子コアラのぬいぐるみを買うことだけはしないと心に決めている。
それにしても、私がもらったあのコアラのぬいぐるみ、あとから考えるときっとアレはパチンコの景品だったんじゃないかなぁと思うんだよ。
なんかそんな気がする。
いいなと思ったら応援しよう!
