連休最終日のハシゴ酒の記録

せっかくだし、ちょっとだけ飲んでから帰ろう。

最初の1杯目を飲むときは、そう思っていたはずなのに。いつの間にやらハシゴ酒をしてしまう。おそらく私には、そういう呪いがかかっている。前世が何か悪事を働いたのだろう。

三連休最終日の昨日のこと。
オーダーしていたスーツを取りに街まで出掛けたので、その帰りにせっかくだからちょっとだけ飲もうと立ち飲み屋に入った。何が「せっかく」なのかよく分からないけれど。

土日に覗くといつも混んでいるこの店だが、三連休の最終日だからか比較的空いていた。

コートを脱ぎながらひとまず生ビールを注文して、「本日のおすすめ」と書かれた紙のメニューから、鶏ハラミのネギポン酢を頼んだ。間違いないチョイス。
全ての肉は、ネギとポン酢が掛かればビールに合うに決まっているんだから。

ものの3分で1杯目のビールが無くなってしまった。喉が渇いていたからな、乾燥した寒い街を歩き回っていたし。よし、次はウーロンハイと冷や奴だ。

冷や奴をちびちび食べながら、ウーロンハイをぐびぐび飲んでいたら、ウーロンハイが足りなくなって仕方がないからお代わりした。

それでひとまず落ち着いたので、お会計をお願いしたら1,600円ぐらいだった。安い。立ち飲み屋とはいえ安すぎて心配になっちゃう。

コートを着てマフラーを巻いて、伊達メガネをかけて外へ出たら急に串焼き的なものが食べたくなった。冷や奴と鶏ネギポン酢だけでは、ほろ酔い成人女性の腹は満たされるわけがない。仕方ない、もう一軒行くか。

なぜだろう。
串焼きを食べたかったはずなのに、「おでんあるよー」なんて言われたもんだからねえ。「大根とこんにゃくとタマゴとがんもどきください」ってなりますでしょう。あとハイボールもお願いします。

しみしみの大根がしみじみ旨い。がんもどきを齧ると、じゅわっと出てくる出汁がたまらん。ハイボールがあっという間に空いてしまった。次は何飲もう…おでんだと日本酒が飲みたくなるところだけど、日本酒に手を出すとヤバそうな気がして焼酎の水割りを注文。

あとやっぱり串焼きも食べたい。
やきとんメニューの中から、ハラミとカシラを頼んだ。

うまい。
少しだけ強めの塩味で酒が進む。焼酎おかわり。
カウンターの後ろの若者たちもおでんを食べていたのだが、「すいませーん！熱燗できますか？おでんの出汁で割って飲みたい！」などと盛り上がっており、日本の未来はウォゥウォゥウォゥウォゥだなと思うなどした。
いいぞ若者たち。

トイレに入って鏡を覗くと、温かい料理と焼酎で顔が赤くなってTHE・酔っ払いな顔になっていた。
よし、そろそろ帰ろうとお会計を済ませて、転げ落ちないように慎重に階段を降りてから腕時計を見る。まだいける。

よし、ウイスキー飲んでから帰ろう。

いつものBARに行くと、マスターがカウンターの真ん中の席に案内してくれたのでそこへ座る。目の前にギネスのサーバーがある。

まあ、こうなりますよね。
ギネスっちゅうのはあれですね、深い夜にピッタリのビールですね。夜空のような黒をぐびっと飲むと、なんだかまだまだいけそうな気がするー！ってなってきた。

バックバーに並んだボトルを眺めていると、見たことがないヤツがいた。やっぱりウイスキー飲みにきたんだから、頼みましょう。

甘めでフルーティな味わい。
飲みやすいわーこれ。最近甘めなもので〆るのが好きなんだ。でも待てよ、こないだ飲んだアレが〆にはいいのでは。

と頼んだのが、こちら。

クリスマスケーキ&ダークチョコレート&マジュールデーツ&シナモン&シェリーカスクストレングスらしい。ちょっと何言ってるかわかんないっすけど、美味しいんです。先週も飲んだんです、はい。

そしてこれを飲んでいると、また知らないボトルと目が合いまして。

珈琲の味がするバーボン。
ボトルの肩幅が私のようで親しみを感じる。
深煎りな珈琲の味がして美味しい。牛乳なんかで割ったりしたら朝からいけそう。やらんけど。

珈琲の味で〆るのもいいかとは思ったけれど、最後に冷えたジンが飲みたくなってしまったので、ボンベイサファイアを注文した。オリーブを2個添えてもらった。

〆というか、とどめの一杯。
美味しゅうございました。

顔馴染みのお客さんも来て、初めましてのお客さんともワイワイお喋りしながら楽しく飲んだら、ついついこんなに飲んでいた。ハッハッハ。
私の「ちょっとだけ飲んで帰ろう」ほど信用ならないものはない。

新品のスーツが2着入ったでっかい紙袋を抱えて、3軒もハシゴした酔っ払いは、なんとか終電に乗った。

しかし降りたかった駅を通り過ぎてしまい、1駅分歩いて帰ったのだった。夜風が冷たくて酔いが覚める、なんてことはなくて、ベロベロでフラフラのままなんとか帰宅した。

今日のパートはアリナミンVのチカラで乗り切った。

駅前のコンビニの前でアリナミンVを一気に飲み干してから、連休最終日に深酒するのはやめよう、と心に誓った。