そこそこモテる奴が1番厄介。

　この人種が一番面倒だ。こいつらを半端な気持ちでチヤホヤした奴がいるから、虫唾が走る思いをしないといけない。

　まず、私に触るな。そんな小手先のテクニック何になる。まだ、褒めてくれる方が気分いいわ。

　なんて言いながら、これは自分も当てはまる。小手先上等。ぶりっ子上等。ある種病的だ。キープしたくなる気持ちもわかる。自分もそうだ。チヤホヤされるのは気分がいい。だから刺さった。

「〇〇さんみたいに若くて可愛げが売りのタイプの子は、保護者に好かれにくい」

　あーあ、言われちゃった。わかってんだよ、んなこたぁ、私が一番。元々、女子には好かれにくい。女子校では、問題ないが、共学に行くと如実にでる。困るわぁ。人前用のキャラが入れちゃうと、万人受けは無理。

「でも、頑張れば、アイドル的ポジションの先生に化けるから！」

　やっぱ今のままじゃダメってことでしょ。頑張んなきゃ親に好かれないし、生徒になめられる。でも、キャラ入れないと、人前で喋れない。

　ぶりっ子の弊害にぶつかってる。子供は単純だから恋愛心理学で操れる。ただ、親の前では使えない。威厳も、タッパもない私はどうすればいい。

　頑張ってはいる。バイト先でも、大学でも、人の名前とか、特徴とかをエクセルにまとめてる。キモいって？そうだね。でも、そうするしかないから。覚えてくれてる子のことみんな好きでしょ？

　それで、そこそこ。美人、モテる子、性格のいい子。天性の子たちにはどうしても勝てない。天性のものなんて私はひとつも持ち合わせてない。メイクだって必死に勉強して、体重維持も頑張って、人から評価を得やすい立場を選んで、余裕なくても周りを見渡すようにしてる。全員とうまくやる努力は惜しまなかった。

　そこそこにしかなれないのに。

　また現実を突きつけられちゃったな。もう少し頑張る。みんなに好かれるように、まだ頑張れるから、出来ない私を見切らないで下さい。主人公にはなれないけど、せめてヒロインくらいにはしてほしい。

　大体最後は選ばれない。結局主人公が掻っ攫っていく。辛いな、虚しいな。まぁ、好いてくれた人を拒絶しちゃう蛙化現象系女だから仕方ないんだけどね。

　なんて、ヒロイン用ロイター板女の独り言。