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モブC。

 普通に生きてたらきっとモブCにしかなれない。
 自身の人生の中でもただのモブなのだ。特出した点もない。158cm、48キロ、セミロングの髪で、ミルクフェドのリュックをからった量産型大学生。わたしが通っているのは関西圏の私立大学。西日本出身者の集う都会(私のキャンパスは田舎だが)の大学には、九州出身者なんてザラにいる。そんな大学にありふれてしまっている博多弁であっても武器にして戦うしかない。じゃないと覚えてもらえない。趣味は多い。アイドル、漫画、ゲーム、お笑い…。どれもすごく深いわけではないが。人に話をある程度合わせられるレベル。だから、「◯◯の人。」にはなれない。私には、本当に何もないのだ。どうしようもない。私は友達が少ない。いい歳こいて、人見知り。ただの甘えだ。高校時代の友達にまだまだ甘えてる。誘ってくれるし、誘ったら遊びに行ってくれるから。

 好きな人も普通。同じ大学の他学部の一個上のバイトの先輩。多分仲の良い後輩で終わる。まぁ、色々あった。それなりに大学生っぽい話だって。だけどどうだろう、私は恋愛の進展の方法を一切知らない。どうしようもないほど。朝まで先輩の家で過ごしたって多分何も変わってない。でも、なんとなくまだもう少しだけこのままがいい。もう少し引き伸ばしてたい。多分、私は恋人らしいことができないから、仲の良い先輩後輩同士のままがいい気がする。身勝手なのも知ってる。けど、もうちょっと楽しみたい。かわいい後輩だと思ってくれたらそれで良いから。時々バイト終わりにご飯行って、漫画貸し借りして、駅前でアイス食べながら恋バナして、そのまま先輩の家で夜食食べる。普通を知らない私からしたら、この関係が何なのかはわからない。なんだろう、『街の上で』の蒼とイハの感じみたいな。あの2人が恋人関係に発展することもないだろうし、もしかしたら、あれ以降もう一生会うことないのかもしれないけど、あれが理想だな。先輩の恋バナだって聞くから、年下の女友達でもいい。あれ、なんの話してたっけ。

 名前もないような、記憶にも残らないようなモブCだって話だ。モブCだって生きてるし、恋愛だってしたいし、友達だって欲しい。ヒロインなんて贅沢言わないけど、誰かせめて名前くらいついてる役を誰かの人生で貰えないかなとか烏滸がましいこと考えてる。 

 退屈な授業聞き流して、こんな文章書いてる万年モブCの戯言。

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