Tempalayとの出会いを忘れたくない

小原綾斗の書く歌詞をbibleにしています
宗教ってこんな感じにはまるんだなーって思ってます
でもなんか幸せだもんねえ

2020年、僕が中学3年生のとき
コロナで緊急事態宣言でて、当時15歳ながらびっくりした。3月から5月の中旬まで中学校が閉鎖して、5月末に分散で登校した。
マスクつけながら。僕は白い不織布のマスクつけてた。眠そうだった。
休校期間は家で、友達に麻雀のルールを教えてもらったり、高校受験があるから勉強しなきゃねー、とか電話したりして過ごしてた。
King Gnuを一通り聴いてたら、4月にmillennium paradeがFly with meのMVをユーチューブに出した。英語歌詞だったから理解はできなかったけど、世界観の尖りにかっこよさを覚えた。
けど、英語できない。「リディキュラス!!」ってサビ前に叫ばれても「馬鹿野郎!!」とは頭で感覚のまま翻訳できない。だからKing Gnuに戻って聴いていても、聴き飽きちゃったし、新しい好きなバンド見つけたいなーとぼんやり思ってた。
尖りがあって、バンド音楽で、歌詞が良くて、ぼんやり頭で望みを思い浮かべながら、ユーチューブを見てた。メニュー画面のおすすめ欄に、
「のめりこめ、震えろ。」と中央に赤字でサムネイルに書かれた、迷彩の戦闘服を着た男がこっちを見て睨んでいる、そんなサムネの動画が現れた。
バンド探してたし、それを「後で見る」に追加した。いつでも見返せるようにした。
いざそのMVを開いたら、数秒無音があってから、聴き取れない日本語の羅列。日本語なのは節々の箇所から分かるけれど、何言ってるか分かんない。
聴いていて、その奇妙さに僕は緊張した。
それが良かった。魔法だった。音楽だった。サビらしきパートが終わって、多分動画を閉じた。
聴いてはいけない、別にエロくも何ともないけど、全体的に18禁の音楽のような気がしたんだと思う。検閲が必要な怖い世界観で、知っているJ-POPではなく、違和感があった。聴いててはいけないと思って、動画を閉じてしまった。
数日経って久しぶりに「後で見る」を開いて、見てない動画とか、見た動画とか、見ようと思って、スクロールして遡っていると、また迷彩の戦闘服を着た男と目が合った。それを聴いた。

6月、教室で机の中に置き勉がないように、隣の席の友達と話しながら、リュックサックに教科書とかノートとかを詰めて、帰りの会を待っていた。
中学の担任の数学教師が、教壇で名簿を持ちながら、黒板の前に立っている。帰りの会が始まりそうだ。すると頭の中で、鳥黐の罠にかかった。「のめりこめ、震えろ。」のサビの断片が頭の中で流れてきた。
一瞬誰の何の音楽か分かんなかったけど、下校路は小走りで、早く家に帰ってユーチューブ見なきゃと焦燥感に駆られたのを覚えてる。
リビングでスマホを片手に、「のめりこめ、震えろ。」のMVを聴いた。その日は、お風呂場でも頭の中で音楽がかかっていた。
Tempalayとの出会いを忘れたくない。


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