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#22 Cape Town, South Africa

世界史で必ず耳にする喜望峰を有する街ケープタウン。大航海時代の歴史が色濃く残るロマン溢れる港町。

喜望峰は意外と遠い上に、それ単体を目的にしたとて、さして見所が無いと言う事で今回はお預け。確かに岬があって色の濃い蒼い海があるだけなのだろう。左にインド洋、右手に大西洋というロマン的説明が無ければ、そこが沖縄の辺戸岬と言われてもわからない。ちなみに辺戸岬もなんとなく行ってみたが、これといって感動的な景勝地ではない。辺戸岬にかかわらず観光目的で訪れる〇〇岬は、そこに余程の思い入れやコンテクスト、圧巻の景色がない限りは、そこに行ったという自己満と他人への自慢以外にさして行く理由はないだろう。

別に岬になんの恨みも無い。出来れば岬があれば訪れたいとさえ思う。

とは言えね、って話。

とかく喜望峰に関しては、半島をのんびりドライブしながら一泊するぐらいの余裕で挑むのがオススメとのこと。

そんなこんなで3日の多くを(2日目に訪れたワイナリーの町ステレンボッシュを除くと)ケープタウンの観光的中心地であるウォーターフロントで過ごした。

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オランダからの入植、イギリスの統治により発展したこの街は、今でこそ黒人が多いものの、ヨーロッパからの観光客も多く、一瞬そこがアフリカである事を忘れるほどにヨーロピアンな港町の雰囲気。ハウステンボスかと思った。

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ウォーターフロントには様々なアートが溢れているし、アフリカの伝統的な踊りや歌のパフォーマンスにも出会える。ほぼ一日中何かしらやっているので、そのようなパフォーマンスを楽しみたい場合、事前チェックなどは不要で、適当にうろついていれば良さげだった。にしてもアフリカのコーラスは本当に心地良い。

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ウォーターフロントのアート的価値を高めている決定打はトーマス・ヘザウィックが建築デザイン手がけたZeitz MOCAA(Museum of Contemporary Art Africa)。穀物倉庫であるサイロを大胆にカットした建築はその構造そのものがアート。昨年ソウルで行われたHerald Design ForumでヘザウィックによるMOCAAのプレゼンを聞いていたが、約1年後に本物を見ることが出来るとは思わなかった。

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新鮮なシーフードを食べたり、クラフトビールを飲みながらのんびりと楽しんだ。

朝食はホテルの近くのカフェにて。ローカルの人たちの過ごし方が垣間見れた気がした。好みのドリンクを注文したり、デリで軽食を買ったり、新聞を読んだりしながら各々時間を過ごしている。

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そんなに多忙を極めているようには見えないにもかかわらず、会計待ちに10分ほど待たされている兄ちゃんがいたが、文句一つ言わずに支払い後ニコニコとカフェを出て行った。

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のんびりしていて良い。

ボカープというマレー系の人々が住む地区は色使いが面白かった。身体に悪いアメリカのケーキみたいな街だった。アフリカ大陸全土において、最も古い類のモスクがあるとかで世界遺産に登録されているためそこそこ観光地化されていたけど、商売っ気はない。

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我関せずの住民が普通に過ごしているところを観光客が物珍しそうにパシャパシャと写真を撮っている光景は、なんともだった。かくいう自分もその観光客の一人なのだが。

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広大なワイナリーが点在するステレンボッシュは、ナパをイメージするとわかりやすい。ただ、ちらほら目の前に現れる岩山はヨセミテのそれを彷彿とさせた。

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ワイナリーではとても繊細な前衛的な料理を楽しめたし、びっくりするぐらいお手頃価格で数多のワインの試飲とチーズの試食を楽しめた。

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そういえばケープタウンについて書いているのにテーブルマウンテン、ライオンズヘッドに触れていなかった。とにかく街中のどこからでもその雄姿を確認でき、ケープタウンのアイコン的な存在。そのアイコニックさたるや、恐らく喜望峰を超えている。

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The Truth Cafeは印象的だった。サイバーパンクと呼ばれるデザインの方向性。ブレードランナーやスターウォーズに出てくるようなディストピア的な酒場の雰囲気。あれは黒人がやるから似合うのだろう、アジア系やアングロ・サクソン系がやるとオタクっぽくなるね、などとコーヒーを飲みながら友人たちと話した。

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移動は全てUber。ヨハネスブルグと違って観光地なので比較的平和な雰囲気はあるものの、あくまでここは南アフリカ。ウォーターフロント内や、安全な立地にあるホテル周辺のカフェに行くぐらいならまだ問題ないが、基本的に街歩きはオススメしない。

今までにアフリカ大陸に足を踏み入れた事がない人たちがアフリカ諸国にどのようなイメージを持っているか分からないが、ケープタウンについては、いわゆる想像するアフリカとは全く違っていて、ヨーロッパの雰囲気を想像した方がイメージに近いはず。

次に行く時は喜望峰周辺や、ガーデンルートと呼ばれる海岸沿いをゆっくりとドライブしたい。

そういえば、トイレが綺麗だった。


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