トイレ介助とオムツ交換のコツ 03
新人介護職員さんに読んでほしい記事です。
この記事を読むことによって、いち早く先輩職員さんとの人間関係が構築されます。
この記事は教科書や参考書に載っていない、リアルな老人施設介護の内容を新人職員さんに出来るだけ分かりやすく言語化して記事にしています。
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前回のトイレ介助とオムツ交換のコツの第3弾となります。
今回はよくある質問と回答集を記事にしていきます。
よくある質問
Q1. オムツ交換時に便が出ていました。焦ってしまい介助に時間がかかります。どのような対応をすれば良いですか?
A1. これは新人介護職員によくある事なのですが、教えていただける先輩が段取りまでを教えてくれる先輩と、オムツ交換だけを教えてくれる先輩がいる事を周知しましょう。
ここの質問の要点は、僕の予想では段取りがしっかり出来ていないために焦りが生じて時間がかかってしまう。
こういう結論に達しました。
オムツ交換時における段取りとは?
用意しておく物と言い換える事が出来ます。
・おしり拭き(おしりふきシート、下用タオル)
・陰洗ボトル(もちろん微温湯が入った物)
・ディスポ手袋を2枚以上重ね付け
・交換用パッド
・指定された塗り薬(亜鉛化軟膏、ワセリンなど)
まずこれだけ用意しておけば、よほどの下痢便や水様便には対応ができます。
オムツ交換の手順はYouTubeに多々情報が載っていますそれを見てコツをつかみ取りましょう。
1個の動画だけを見るのではなく2個以上の動画を見る事でポイントが見えてきます。そのポイントを実際にオムツ介助する際に実践しましょう。
利用者は自分のスキルアップにも協力してくださるのですから本当にありがたい存在です。日々感謝の気持ちを込めて接するようにしましょう。
Q2.尿色が濃い黄色やオレンジ色でした。看護師に知らせた方が良いですか?
A2. これは非常に観察ができており良い質問です。
すぐに看護師に報告しましょう。においが充満しないように袋に入れてパッドを確認してもらいましょう。タブレット端末の画像だけでは尿の質感が分からない事もあるので、必ず看護師にパッドを確認してもらいましょう。
尿色が濃い場合は服用している薬の影響の他、水分不足、腎臓系統の異常が見られた時に血尿となってサインを尿に出します。
膀胱炎の際も血尿が出る事があります。
尿の異常が発見された時は、バイタル4点(血圧、脈拍、体温、酸素飽和度)を測定しましょう。
発熱温度が高い場合は、腎盂炎の可能性も考えられます。
尿や便の状態に異常が見られた場合は必ず看護師に報告をして指示を仰ぎましょう。記録も忘れずに残しましょう。
記録の際の基本は、いつ、どこで、だれが、何を、どうしたか?を基本に書いていきましょう。
Q3. 便が真っ黒や濃い緑の便で、便臭も生臭い臭いがします。何か異常がありますか?
A1. はい。便の色やにおいや形状を観察できている証ですね。
便が真っ黒の時に考えられる症状や状態は以下の通りです。
・マグネシウムを緑茶で服用してしまった場合に量によって濃い緑色の便や真っ黒の便が出ます。
真っ黒の便の事をコールタール状の便という事もあります。
・鉄分の入った薬を飲むことで便は黒くなります。ですが、においがいつもよりも血なまぐさいなどの異常が見られた時は、看護師に報告しましょう。
Q1~Q3で統一されているのは、尿や便状態を確認する事と、異常があれば看護師に報告する事です。
尿や便の状態は身体の異常を知らせてくれるサインです。
オムツ交換の際は見逃さないように尿と便の状態を確認しましょう。
トイレ介助も同じくですが、オムツ交換の際は利用者の皮膚状態を確認できる時間でもあります。
お尻(臀部)や太もも、背中、お腹周囲などに、発赤や、できものが出ている場合も看護師に報告しましょう。
看護師に報告する際は、具体的にどのような状態であるかを観察しできる限り、タブレット端末などに画像を保存するようにしましょう。
皮膚トラブルはお風呂での観察が一番ですが、排泄介助の時も確認できる皮膚トラブルは上記に上げた部分です。毎日行う排泄介助でいつもの状態を知り、いつもと違う状態の事を異常と言います。
異常を発見した場合は、看護師に報告するとともに、現場の介護職とも情報の共有を忘れずに行うようにする事が必要です。
Q4.トイレ介助やパッド効果の時にお腹や背中にブツブツがあります。よく見ると全身にブツブツが見えます。蕁麻疹などの症状でしょうか?
A1. はい。蕁麻疹の可能性もありますが、ブツブツが全身に拡がっているという事は、疥癬という皮膚疾患の可能性が高いです。
疥癬は瞬く間に、他利用者に感染してしまいます。
看護師に連絡を行い、指示に従い行動しましょう。
疥癬について大まかに説明します。
・疥癬はヒゼンダニ(疥癬虫、Sarcoptes scabiei)が皮膚の最外層である角質層に寄生し、人から人へ感染する疾患である。非常に多数のダニの寄生が認められる角化型疥癬(痂皮型疥癬)と、少数寄生であるが激しい痒みを伴う普通の疥癬(通常疥癬)とがある。
近年わが国では病院、高齢者施設、養護施設などで集団発生の事例が増加しており、疥癬感染防止対策マニュアルの作成が行われているが、予防、治療法などに混乱があり、医療および介護関係者の間で問題となっている。
<国立感染症研究所の冒頭のを抜粋させていただきました>
僕も施設で集団感染が起こり治癒までの経験があります。
疥癬はあっという間に感染が拡がり、激しいかゆみを訴えられたり、かゆみを訴えられない認知症の方、身体の抵抗力が弱まっている方は、全身衰弱が起こり、入院されてしまう利用者もいました。
きっかけは隣の市の老健で出た疥癬がデイサービスやデイケアの人達に感染して、デイサービスとショートステイを利用する利用者がショートステイを利用した事により、僕のいた施設で爆発的に疥癬が拡がりました。
介護職のできる事は、シーツを毎日ホコリを飛散させないようにたたんで交換する事と、かゆみや痛みに寄り添う事です。
疥癬患者は入浴の際に一番最後に入浴をしてもらうなど他の非感染者に感染させないという行動が必要です。
・疥癬患者が直接触れた寝具類は50℃以上のお湯に10分 以上浸すか、大型の乾燥機で20−30分処理すれば、全てのダニを殺すことが可能である。
<国立感染症研究所の疥癬に対する文献より抜粋>
リンクを貼っておきますので疥癬の勉強をしておくことによって発生時に、どのような対応を取ればよいか理解する事で、疥癬感染者を少なくする事が出来ますので是非リンクを踏んで疥癬の知識も得てください。
国立感染症研究所リンク
今回はQ&A方式での記事となりましたが、どんどんこの記事でQ&Aを取り入れていきたいと思います。
この記事を読んでいただいた方はスキを押してもらい、この記事を拡散していただくこと私のモチベーションも上がるので是非ご協力お願いいたします。
ご完読ありがとうございました。
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