見出し画像

感想『魔眼の匣の殺人』今村 昌弘

真雁で男女が二人ずつ、四人死ぬ。

葉村と比留子が巻き込まれた連続殺人事件について新しい情報が入った。
何と、あの事件は雑誌『月間アトランティス』で予言されていたというのだ。
そして、更に新たな予言が。
かつてある村で実験施設が建てられ、超能力研究が行われていたという。
真相を確かめる為、村に向かった葉村と比留子。
その村には予言者と恐れられる老女サキミが暮らしており、
今月中に真雁で、男女二人ずつ合計四人が死ぬ、と予言したのだ。
予言を恐れた村人達ははサキミの家に通じる橋を焼き落としてしまう。
サキミの屋敷にいたのは、葉村、比留子、偶然居合わせた高校生二人組、バイクが故障した青年、道に迷った親子、編集者、真雁生まれの女性、そしてサキミの付き人。
彼らは屋敷の敷地内に閉じ込められてしまう。電話も通じず助けも呼べない。
そんな中、地震が発生し男性一人が亡くなってしまう。
しかし、それは連続殺人事件の幕開けに過ぎなかった。
この中に誰か殺人者がいるのか、それとも予言の仕業なのか?
滞在者達がここに居合わせたのは偶然なのか?
謎が謎を呼び、追い詰められた葉村と比留子が考え出した作戦とは?

『屍人荘の殺人』シリーズ第二弾。
前回を超える面白さ。やっぱりクローズドサークル大好き。
非現実的な状況におかれた人間の心理をここまで的確に描く今村先生の筆力に唖然。
第一弾に登場した『あの方』が要所要所に登場するのが切ない。
今村先生、エピソードゼロとして、葉村くんと『あの方』が事件を解決する話も書いてくれませんか?
殺人事件じゃなくて、人が死なない些細なミステリーで良いのでお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?