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感想『魔力の胎動』東野 圭吾

鍼灸師ナユタと謎の少女円香が不可思議な現象に挑む。
ベテランスキージャンパーは何故スランプに陥ったのか?
あるピッチャーのナックルボールをキャッチ出来るのは何故一人だけなのか?
川で溺れ、植物状態に陥った息子。何故助けることが出来なかったか?苦悩し続ける両親。
性的志向をカミングアウトした音楽家。その直後同性の恋人が命を絶つ。自分のカミングアウトが原因で死を選んだのではなないか?
危険区域と警告したにも関わらず、温泉地で親子が死亡。何故彼らは危険区域に足を踏み入れたのだろうか?

人間の力で制御できない『自然』
しかし、メカニズムを知れば強力な武器にもなりえる。
話のテンポが良く、難解な専門用語も分かりやすく解説してくれるのが東野先生。
理系に弱くても十分楽しめる一冊になってます。
円香だけでなく、鍼灸師のナユタも何かを隠している・・・
物語中盤で明らかになります。
苦しむ彼を救った人物とのやり取りの描き方は、人情派ミステリーも得意とする東野先生の真骨頂。
論理と心理。
どちらも楽しめる連絡短編集。

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