無難に終わった10連休は何を物語るか?

前代未聞の10連休は、心配された大きなトラブルもなく無難に終わろうとしている。ホッと胸をなで下ろしている関係者も多いだろう。

ところで、この「社会実験」が成功したことは、いったい何を意味しているのか?

それはわが国の場合、政府の号令一下、制度さえ変えれば意外とスムーズに事が運ぶということだ。「令和」元年のお祭り騒ぎと相まって、そのことを強く印象づけられた。

裏返せば、わが国の組織は、有無をいわせぬ外圧がかからないかぎり内側からは変わらないということでもある。依然として続く正社員の長時間残業にしても、低い休暇取得率にしても、「労使の自主的な努力」という言葉がいかに空しいかを物語っている。会社という共同体型組織内部の圧力がそれだけ強固なのだろう。

会社だけではない。PTAにしても町内会にしても、これだけムダやムリが多く、改革の必要性が叫ばれても依然として旧態依然のままだ。ここでもまた、共同体型組織の力学、そしてそれを前提にした社会システムが改革を阻止しているからである。

そう。もう自主的な努力だけでは絶対に改革は不可能だ、と割り切ったほうがよい。そして「外圧」を利用することは卑怯でもなんでもなく、正当な戦略であると社会的に認知すべきだろう。結局、それがみんなの利益につながるのだから。


「個人」の視点から組織、社会などについて感じたことを記しています。