スキャンダルの裏面にも注目を!
新旧の王者対決は、その名にたがわぬ熱戦となったようだ。それを師匠の代理戦争のようにとらえ、いっそう熱く感じた人がいたかもしれない。
スポーツライターの小林信也氏が、昨夜のNHKラジオでつぎのように語っていた。パワハラ問題が一段落したあと、伊調選手はこれまでどおりのコーチから指導を受けられた。一方、川井選手は師弟関係が良好だったにもかかわらず、コーチ(栄氏)から指導を受けられなくなってしまった。この問題は残っている、と。
たしかにそうだ。トラブルが起きるとマスコミは世間の関心を引きつける1点に注目する。そして「加害者対被害者」「悪玉対善玉」という単純な構図をつくろうとする。マスコミの立場からすればそれは当然だろう。しかし、背後にはその余波を受け、表舞台とはまったく違う構造変化が起きていることを見逃してはいけない。
それは今回の女王対決にかぎった話ではなく、いろいろなスポーツ界はもちろん、日産におけるゴーン氏の逮捕などにももしかしたら当てはまることかもしれない。
マスコミに最初から「複眼を持て」というのは無理かもしれないが、今回の小林氏のような違う視点からの指摘を取りあげ、人々もそれに耳を貸すようになれば、世論も成熟してくるのではなかろうか。そろそろ一元的な議論からレベルアップすべきだろう。
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「個人」の視点から組織、社会などについて感じたことを記しています。