改元騒ぎは何を物語るのか?
芸能界だけではない。改元をめぐる騒ぎように首をかしげている人は多い。
それは、お祭り騒ぎする理由が見当たらないからだ。「令和」という言葉から特別なメッセージを見出すことはできないし、新しい時代に何かの変化を期待しているようでもない。祝賀ムードというのともちょっと違う。
むしろ、盛り上がりたい潜在意識(あるいは欲求不満)があり、改元をビジネスチャンスととらえた人が火をつけたというのが現実だろう。その意味からすると「改元騒ぎ」は一種のカタルシスのようなものであり、ハロウィン騒動やお祭り化した成人式などと違いはない。
だとすると、こうした機会なくして発散したり、盛り上がったりできない社会、とりわけ若者の閉塞感こそ心配になる。学校、職場、地域社会などを覗けば、彼らが羽目を外したり、盛り上がったりする機会にどれだけ飢えているかがわかる。「改元騒ぎ」は閉塞感を強めた平成時代の置き土産かもしれない。
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