Tellus を使ってみた感想
Tellus 開発環境 Jupyter Lab でTellus Trainer に沿って画像処理をしてみた感想です。
Tellus とは
Tellus(テルース)は、日本発のオープン&フリーなデータプラットフォームです。衛星から取得できる情報を含め、世界中のありとあらゆるデータを集積しています。
端的にいうと、衛星からのデータを含む様々なデータをオープン&フリーで提供しているウェブプラットフォーム、です。
提供されているデータの例としては、日本の人工衛星では、GCOM-C、ALOS, SLATS、ASNARO、ひまわりといったJAXAや国の衛星が観測したデータ、海外のLandsat-8 衛星のデータ、衛星データ以外のデータとしては、国土地理院の地図、位置統計情報などです。ひまわりやLandsat-8 のデータはTellusでなくても入手可能ですが、ユニークなのはSLATSやASNAROのデータが提供されていることや、位置統計情報などが配布されていることです。
オープン&フリーといっても無制限ではなく、データの二次使用などにはデータごとに制約があるので、使用したデータの説明をよく読んで自分自身の目的とデータの使用許諾が合致する範囲で使うことに注意が必要です。また、そのデータとして観測されたたあらゆるデータがあるわけではなく、あくまでデータの提供元がTellus での配布を許可したものだけに限られていると見られます。
Tellus を使ってみる目的
業務で衛星データを活用してどういったことができるのか、実際にデータを見たりアイディアを出したりすることがあります。
衛星データとはどういったものがあり、通常はどのように配布されているのか、その業界に通じていないとよくわからないもので、Tellus はそこを解決しようとしているデータプラットフォームであるため、今後業務に活用・参考にできることがないか知ることがモチベーションです。
ですので、データの配布の仕方も含め実際にどのような”手間”でどのようなデータが得られるのかを知りたい、というのが今回の目的です。何らかの問題を解決するために、実際にデータを活用してみるという目的ではなく、いわゆる「評論家」的な視点で、以下の2つについて感想をアウトプットとします。
データのアクセスするまでフローを体験をする
公開されているデータをTellus 上でみる
Tellus でやってみたこと
Tellus にはWeb上に2つのアクセス方法があります。一つは、Tellus OS というブラウザ上で地図に投影される複数のデータを自分で選んで重ね合わせていく方法、もう一つは、開発環境という、さくらインターネットのクラウド上あるいは専用サーバ上で実行可能なJupyter Lab などでデータを取得するためのAPIにアクセスするコードを自分自身で作成することによって、画像処理、分析を行うことができる環境です。
今回は、データの配布手段としてAPIをどのように使えばデータが取得可能であるのか知りたいので、開発環境についてに使うことにしました。
開発環境を使い始めるためは、必要事項を記入し申し込み、担当者からの連絡を待つ必要があります。申し込んでから約3営業日で開発環境が利用可能になりました。
開発環境をどのように使えばよいのか、というのはTellus Trainer 第4章にJupyter Labを使ったTellus上の衛星データ画像解析演習があり、衛星画像の波長や画像化方法、代表的な画像処理がコードと一緒に簡単に紹介されており、とっつきやすそうであったため一通り動画を見ながらやってみました。
感想
データのアクセスするまでフローを体験をする
Tellus Trainer の動画に沿ってAPIにアクセスしましたが、動画内のコードに誤りがあり、自分自身でAPIリファレンスを参照し正しく(動画で示しているように)データを取得することができました。
動画を見ず、最初からAPIリファレンスを読めばよかったと感じなくもありません。
APIリファレンスはデータの種類ごとに別れており、どのようにデータを指定すればほしいデータが得られるのかも細部は異なります。
例えば、RGB の画像をダウンロードしたいときに、AVNIR-2とLandsat-8では指定する波長の番号が異なります。それはもともとのデータの仕様の違いに由来するもので、もともとデータに慣れている人が混乱しないような配慮のように推測できました。衛星ごとの細部の違いは慣れない人には負担でしかないと感じました。
公開されているデータをTellus 上でみる
JupyterLab での画像の扱いに慣れれば、手軽に画像を見てみることができます。ただ画像を表示するだけでなく、観測した波長で色をフォールスカラーにしたり、NDVIなどの波長ごとのデータを演算した結果もすぐに可視化できるのは開発者としては手軽に感じます。
今後
Jupyter Lab を使って機械学習、その他活用例を参照しながら、データを触ってみようと思います。