ゲームは子どもの発達に悪影響?
こんにちは、寿限無です。全然更新できていなくてすみません。そして、それでも読んで下さる皆さん、ありがとうございます。
今回はゲームと子どもへの影響について書いていきます。長文です。
香川県のゲームを規制する条例が話題になっています。
度々、教育の敵として話題になるゲーム。本当に子どもたちに悪影響を及ぼすものなのでしょうか。
香川県でネット・ゲーム禁止条例制定へ
香川県の通称ゲーム条例に関しては、前文で
「加えて、子どものネット・ゲーム依存症対策においては、親子の信頼関係が形成される乳幼児期のみならず、子ども時代が愛情豊かに見守られることで、愛着が安定し、子どもの安心感や自己肯定感を高めることが重要であるとともに、社会全体で子どもがその成長段階において何事にも積極的にチャレンジし、活動の範囲を広げていけるようにネット・ゲーム依存症対策に取り組んでいかなければならない。」
と、ゲームが親子の信頼形成を妨げる原因であるとして、規制を目指すことが読み取れます。
今回は、この条例の是非を問うことは割愛しますが、全国的にゲーム禁止の流れが注目されている。なんなら、ゲームを禁止したい保護者にとってはいい理由ができた。ことに違いないでしょう。
ゲームは悪いものではない
さて、ここまでの口ぶりから分かった方もいるかもしれませんが、私、寿限無は「ゲーム禁止」に反対の立場をとっています。どうしても反対という訳ではなく、条例、つまりは法律に次ぐような効力を持つルール、として定める必要があるのか…といった具合ですが。
なぜ、ゲームは悪いと思わないのか
ゲームの利点が欠点を上回れば、ゲームが悪いもの、とは感じなくなるのではないでしょうか。ここで、ゲームの利点を2つ挙げたいと思います。
・リアクションの確実性
・ゲームを通して物事を知ることができる
一つ目のリアクションの確実性について解説します。
ゲームのリアクションは、ゲームが人工的に作られたものだからこそできることです。どういうことかと言うと、ゲームは例外なく命令に従う。ということです。
例えば、右のボタンを押せば、パンチ。左のボタンを押せば、キック。そう決められたゲームは、その動きだけをします。右を押したのにキックをしたり、まして頭突き攻撃をするとか、このゲームにはないのです。
あるとすれば、右と左を同時に押すと、頭突き。とか、右を2回連打で頭突き。と、はじめから、プレイヤーがどのボタンを何回押すか(入力)に対して、キャラクターがどの行動をとるか(出力)が決まっているわけです。ゲームは人工物故に、「仕様」に従ったことしかしません。だから、子どもにとってはとても分かりやすいのです。
しかも、ボタンを押すなどの行動に対して、結果が瞬時に現れることがほとんどですから、自分のどの行動に対して、どんな現象が起こったがよくわかります。(厳密にはそうでないゲームもあるかもしれませんが、ここでは置いておいてください。それはそれでゲームの「仕様」だと思うので。)
このレスポンスのよさは、子どもにとってみれば「約束は絶対守ってくれる」信頼になるわけです。大袈裟ですが・・・
一方、現実世界を考えると、物事は複雑に絡み合っていて、原因(ゲームでいうところの入力)と結果(ゲームでいうところの出力)はそうシンプルな関係を保つことができる訳ではありません。
「外で遊びたい」と言えば、外で遊べる。とは限らない訳です。
雨が降っているかもしれないし、ついてきてくれる大人がいないのかもしれないし、公園に行ったけど先客がいた。なんて場合もあるかもしれません。解決できることもあるはずですが、不確定要素がたくさんあります。
勉強にしても、
九九がわかる→掛け算の文章問題を解ける。とはいきません。
(ここはまた別の機会に書きたいです)
リアクションの確実性のよさを一言でまとめると、
ルールに従って、必ず結果がついてくる。という経験が得られるということです。
経験値などレベルアップも必ずルールどおりになるので、やったらやった分返ってくる。と子どもは自信を持つことができます。
二つ目のゲームを通して物事を知ることができる。ことについて書いていきます。
ゲームの利点を話していてよく話題になるゲームがあります。それが「桃鉄」です。
筆者はプレイしたことがないのですが「桃太郎電鉄」というゲームがあります。全国を鉄道で旅するのですが、「地方の名産品をこのゲームで覚えた」「お金もためないと買い物ができなくなる」などの体験談を聞きました。
また、例えば、歴史要素が絡むゲームをプレイすると自然に歴史を学ぶことになります。筆者は歴史が苦手でしたが、ゲームがきっかけでもっと背景が知りたいと、歴史に興味を持ちました。
まとめると、よくある言い方になってしまいますが、ゲームから学ぶこともあると思っている、という言い方ができるでしょう。
また、方向性は少し変わりますが、ゲームは悪か、という話題でよく出てくる支持派の一つとして、ゲームをした人に優位に、空間認知能力があがったという研究の話もあります。
ゲームをすると勉強をしない。とゲームが邪魔者のように扱われることが多いですが、ゲームが学習のきっかけになることもたくさんあるはずです。もっと言えば、ゲームへの親しみやすさから、学習につながるということもあると思います。
親はなぜゲームをやめさせたがるのか
確かにゲームは子どもへの刺激が強く、子どもがゲームばかりして他のことを全然しない、という経験のある保護者も多いと思います。(実際、友人の家では、約束した時間にゲームをやめなかったことで、ゲーム機が取り上げられ、投げられ壊れたという話も聞きました・・・)
子どもが一度ゲームをはじめてしまうと、やめない。だから、勉強時間がなくなる。勉強しないなら、ゲームはやめてほしい。そういう考えではないでしょうか。
ゲームの利点にも書いたことですが、ゲームは子どもにとって分かりやすく、またやりたい!と思う要素を持っているのです。それに、「勉強」が負けていては、子どもはついついゲームを続けてしまいますよね。
じゃあどうすればいいの?
勉強してほしいからゲームはやめてほしい!そう思う保護者の皆さんは、ありきたりではありますが、
まずゲームに関して家庭でルールを決める。
ことを勧めたいです。
このルールも決めたら必ず双方とも守るようにしてほしいです。
例外があると子どもはどうせ大丈夫。と思ってしまいます。
1時間だけの日もあるけどたまにはそれ以上もいいよ。ではなくて、
平日は1時間、土日は2時間。土日でも習い事がある日は1時間、平日は宿題を先に終わらせていれば、〇分追加でOK。 などはじめに決めて守るようにするといいと思います。
また、余裕があれば、勉強するのってどういう意味があるの、という話は時間があるときにゆっくり話してもいいかもしれません。目先の楽しみと将来を考えた行動の両方のバランスを考えられるようになればいいと思うのですが・・・
ところで、子どもにゲーム禁止!というと「外で遊ぼう!」「公園で遊ぼう!」としきりに誘ってくる子どもが多いです。何を提案しても、ずっと「外!外!」と言ってきます。「今日は行けないかも。」などと言おうものなら不機嫌になってしまいます。子どもは外で遊ぶのが好きなんですね。