クールで、寒がりで、甘えん坊のあなた
あなたとは、もう長い付き合いになりますね。
確か最初に知り合ったのは、かれこれ23年前でしたか。
私がたまたま入社した職場の先輩が、あなたでしたね。
当時のあなたは、仕事に一生懸命で…
一生懸命すぎて、時に周囲のことが見えていないこともありましたね。
よく言えば、マイペース。
悪く言えば、空気を読まない。
仕事に一生懸命なあなたは、お客さんからの受けは良かったものの…
一緒に仕事をするスタッフの中では、少々浮いた存在であったと記憶しています。
そんなあなたのことが、私は気になって仕方がありませんでした。
常に淡淡と仕事をこなし、クールで、真面目で、でもどこか不器用で。
要領はあまり良い方ではありませんでしたね。
あなたと話をしていても、どこか会話がかみ合わない。
私からすれば、あなたは苦手な部類の人なのに、なぜか気になったのです。
そんなあなたに、私は恋をしていると気づいたのは…
夏の日のことでした。
いえ、恋というよりは、ほのかな憧れ、というものでありました。
ですが当時は、私もあなたも既婚でしたね。
私はあなたへの恋心に、そっとフタをしました。
叶うはずもないと思っていた恋が、まさかの実を結んだのは。
今から15年前の冬でした。
色々ありましたが、お互い、独身に戻りましたね。
2月の寒い日、初めてランチに行きましたね。
そして、寒がりなあなたに贈った、初めてのバレンタインは…
チョコではなく、入浴剤でした。
15年前、先代の嫁に浮気をされるという経験をしたあなたは、女性不信に陥っていました。
私は、野良猫のようなあなたを手なずけるように…
程よい距離感を保ちながら、少しずつあなたに近づいていきました。
そして3年後。
やっと、入籍を果たしました。
あなたと出会って、23年。
縁を得て、15年。
変わらないのは、あなたが寒がりなこと。
クールで、仕事ができて、それでいて甘えん坊なところ。
あなたは、眠る時には、未だに私の「どこか」に触れています。
手であったり、脚であったり。
離れて眠ることは、ほとんどありません。
きっとあなたは、私の体温に「安心」しているのでしょう。
時々、寝苦しそうにしている時は…
子どもを寝かしつけるように、鼓動に合わせて「とん、とん…」としてやると、あなたは安らかに眠りにつきます。
そして私も、あなたの体温を感じながら、穏やかに眠りにつくのです。
日中は、クールで、淡淡とした「できる人」のあなたですが。
実は寒がりで、甘えん坊で、不器用な人。
それを知っているのは、私だけでいいのです。
私だけの、あなたへ。
企画に飛び入り参加させていただきます。
というのも…
盟友というか弟というか、どこぞの廃人もとい俳人アポロが、企画に参加すると聞きまして。
ちょいと乗ってみようかなぁ、と思った次第でございます。
だいぶフィクション寄りの、盛ったノンフィクションでございます。
ゆっずうっずさんの曲、拝聴しました。
とても素敵な曲でした。
記事にアップされている楽譜を拝見して、思わずピアノを弾きたくなりました。
ああ楽譜、懐かしや。
(一応ピアノは習っておりました)
素敵な曲なので、ぜひ聴いてみてください!