愛しのネイキッドガール
先日、福岡に行った。
糸島在住の友人のアテンドで海へ。
もうすぐ四歳になる娘は“かいがらさがし”と称して浜辺を歩きながら、うまい具体にわざと衣服を濡らしては一枚ずつ脱ぎ捨てて行く。
そう、彼女の目的は「解放されること」
すなわちスッポンポンになりたかったのです。
私はこのおしりが大好き。
とはいえここは公共のビーチ。
お洒落なカフェがあれば、日傘の上品なマダムも仲睦まじいカップルも行き交うところ。
「こんな所でやめなさいよー!」
と一声かけてみたものの
初めての海らしい海を目の前にして、すっくと立つ後ろ姿がなんだか絵になるではないか。太古の地球を思わせるような、野生を感じるようなその力強い姿に私はしばらく見惚れていた。
ちなみに、気温は高いがまだ海水は冷たくて、やっぱり子どもは温度体感センサーがぶっ壊れているんじゃないかと思ったりしたけれど、彼女にとっては水の冷たさよりも「海と戯れる」ということが最優先事項だったのだろう。しかも裸で。
なんて自由
そして自分に正直
この日の娘の姿は
やっぱり私も自由に生きよう
そう決意させてくれたきっかけでもあって、そういえば日常的に彼女から気づきを得ることは結構多い。
私は長女で弟が一人いる。母は私に厳しかった。
お姉ちゃんだから
ちゃんとしなさい
我慢しなさい
自分のことは自分でしなさい
そんな母からの言霊は私にしっかりとこびりついて、私はすっかり忍耐強く強がりで「自分の好き嫌いがよくわからない」大人に育った。
これが大好き!
誰にも渡したくない!
絶対これがいい!
○○になりたい!
そんな強い想いでモノでも人でも執着できる友人たちがある意味羨ましかった。
そんな私はずっと自分のことも好きじゃなかった。結婚してもそれは変わらなかったし、そんな自分の分身なんて要らないと思っていた。
そんな私に娘ができた。
産まれてきた彼女は私の子どもで、だけど私の分身ではなかった。それは少し意外な感覚だったけど、小さくてももう立派な一人の人間だった。
初めての守るべき存在。勿論大変なことも沢山あるし、ストレスだって半端ない。けれど彼女に出会ってから繰り返し伝えている言葉がある。
「だいすき、だいすき、大好きよ」
自然に口をつく言葉
恥ずかしげもなく言えてしまう自分に驚くこともあるけれど、そんな時、私は娘のことがたいそう好きなんだなぁと気づく。たぶん、何があっても。そして、ゆるぎない「いちばん好き」ができたおかげで昔よりも自分を好きになれたような気がする。
あなたのいちばん好きなものはなんですか?