お一人さま
「一人だと、寂しいでしょう」
「一人暮らしは気楽でいいけどねぇ」
いやいや、別に。
もうほっといてくれ!と心で叫んでいた。
独身の何が悪いと言いたかったのか。
帰省をする度にかけられる言葉。
母のようになりたくない。
反抗心だけは消えないまま残ってしまった。
おひとり様の何が悪い。
一人で食べるご飯は美味しい。
旅行先で興味の赴くまま歩けば楽しい。
一人が寂しかったのは、あなたでしょう。
怒ってばかりの人だった。
みんなから外れることが怖かったんだね。
生きていけないくらい、不安だったんだね。
今ならわかる。
時代がそうさせていたのかもしれない。
「孤独が辛い」なんて誰が決めたんだろう。
みんなと一緒になれない事が辛いだけなのに。
怒ってばかりの人といる方が辛かったよ。
みんなと外れても飢え死にはしないから。
お一人さまを楽しんでもいいじゃない。
そこそこの暮らしは悪くない。
とてもいい時代に生きている、今。
孤独は楽しむものだと思う。
ご飯はあるし布団で寝れる。
生きているだけで贅沢だ。
ちょっとした時間、感謝は日常にあふれている。
今日も私は「お一人さま」を生きている。