住宅ローンのボーナス払いはやめた方がいい理由を銀行員が解説します
株式会社MFSの調査によると、住宅ローン返済中の方のうち37.7%がボーナス払いを利用しています。(参照:「新型コロナウイルスによる、住宅ローンボーナス返済への影響」)
住宅ローンでボーナス払いを利用することで毎月の返済額を軽減できますが、一方でボーナス払いのデメリットも気になるところです。
結論をお伝えすると、銀行員としてはボーナス払いの利用はおすすめしません。
ボーナス払いを利用することで住宅ローンの返済難易度が高くなるからです。
この記事ではボーナス払いをおすすめしない理由と、ボーナス払いによるメリット・デメリット、注意点を解説します。
住宅ローンのボーナス払いとは?
住宅ローンのボーナス払いとは、毎月返済に加えて年2回増額して返済をしていく方法のことです。
ボーナス払いを利用するには、住宅ローンの正式審査もしくは契約時に借入額のどのくらいをボーナス払いにするかを決めます。
借入額4000万円のうち、
毎月返済分:3000万円
ボーナス返済分:1000万円
ボーナス払いに充てられる割合については金融機関によって異なりますが、一般的に借入額の40~50%以内が上限になります。
ボーナス払いのメリット・デメリット
メリット:月々の返済額を抑えられる
月々の返済額を抑えることができるため、日々の生活費に余裕を持たせることができます。
実際にどのくらい返済額が変わるのかをシミュレーションしてみましょう。
借入金額:4,000万円
返済期間:35年
金利:年率0.5%
返済方法:元利均等返済
デメリット:総利息額が増えることがある
先ほどのシミュレーション結果をみても、ボーナス返済を利用した方が1万円ほど総返済額が多くなります。このように微妙な差ですが、ボーナス払いの方が総利息額が増えているのがわかります。
ボーナス払いは、月々の返済負担を下げる代わりに年に2回しか元金が減りません。なので、元金の減りが遅く、その分の利息も増えるということです。
住宅ローンのボーナス払いはやめた方がいい理由
住宅ローンのボーナス払いをおすすめしない理由は住宅ローンの返済難易度が上がるからです。
住宅ローンは完済するまで遅れずに支払う必要があるため、最後まで安定して支払うことをなによりも優先して考えなくてはいけません。
以下のようなことが起きると、一気に住宅ローンの返済難易度が上がるので、ボーナス払いは利用しない方が無難な選択肢です。
会社の業績が悪く、ボーナスの金額が大きく減った
転職をした会社にはボーナスがなかった
会社をやめて独立をして、収入が不安定になった
子どもや介護などで予想外の出費がかかった
無難な選択肢として住宅ローンのボーナス払いはやめた方がいい
ボーナス払いありきでないと成り立たない資金計画の場合は住宅ローンを組みすぎている可能性が高いです。
住宅ローンは長期に渡って返済をしていくローンなので、万が一に備えてゆとりを持つことが大切です。
さらに詳しい情報はブログの方でまとめているので、興味がある人はそちらもチェックしてくださいね。
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