編集作業の実際について

【注】解説の都合上日本版オーマイニュース編集局よりの記述となりますが筆者は外部の人間ですのであくまでも外側から観察したものとしてお読みください。また取り上げた具体例をはじめ後日もろもろを変更する場合もありますのでご了承ください。


「編集部仕事しろ」と常々言われてきた日本版オーマイニュース編集局スタッフのみなさんですが、結論から書くと各々が可能な範囲で精一杯編集作業をしておられました。

終わることのない市民記者からの投稿や取材先への対応等に追われた結果、どうしてもカバーしきれなかった誤字脱字の修正ミスなどをコメント欄で指摘される毎日はスタッフのみなさんにとって相当ストレスが多かったことと思われます。一般文芸誌の編集とは異なり、市民記者からの「どうして私の投稿を掲載しないのか」、オピニオン会員(当時)からの「この記事の内容は事実と違う」への対応に追われたことも日々の作業時間を圧迫する一因となりました。

2006年10月23日11:45に正式採用され紙面に掲載されたこちらの記事を例に作業を追ってみましょう。

この市民記者さんからの投稿は掲載より3週間以上も前、2006年9月27日以前と推測されます。

すこし脇道にそれることとなりますが根拠を以下に示します。上記記事の次の記事番号の記事が掲載された日時が2006年9月29日08:27です。

この記事は以下からも掲載日時を確認可能です。ちなみに下記記事から確認できるスクリーンショット画像は「Oh! MyLife!」へリニューアル後のアーカイブ内の記事ですので掲載当時とは若干レイアウト等が異なっています。

この記事番号1741を執筆した市民記者さんは筆が早くかつ文章表現を大きく修正されることも少ない方で、多くの場合記事を投稿してから紙面に掲載されるまでおよそ2~3日程度だったようです。つまり上記『「中国の「現在」を見た(1)』が投稿されたのは(あくまでも推測にすぎませんが)2006年9月27日前後と思われます。

またこれらの記事が掲載された当時の日本版オーマイニュースサイト(Microsoft IIS)での記事編集システム(Microsoft ASP.net)の仕様上、市民記者から投稿された記事を編集局スタッフがピックアップした時点で昇順に記事番号が割り振られることとなります(※昇順とは1,2,3…の順番です)。このあたりの細かい仕様についてはゴニョゴニョな話も混ざることとなるので割愛します。

話を元に戻します。

市民記者であるH嶋S次氏によって2006年9月27日以前に投稿された記事が以下です。

編集局スタッフ(担当がどなたなのかは不明)さんは続く投稿を待ちながら、記事中の表現や語句を修正しつつ投稿した市民記者さんと電話での打ち合わせを経て記事を仕上げていくこととなります。スタッフさんによってはメールで打ち合わせも行なわれていたようですが、各所からの話を聞く限り電話でのやりとりが多かったようです。市民記者登録にはよく知られているように銀行口座の記載が必須であるとともに電話番号の登録も必須事項だったことも理由なのでしょう。実際、わたしのところにも投下した画像に関連して平野日出木氏(たしか編集長就任以降)から夜11時近くに電話がかかってきたことがありました。

投稿内容によってはネタの鮮度が重要な場合もあり、とくに時事問題を扱った投稿の場合は他の担当している記事よりも優先して編集作業にあたることも珍しくなかったようですね。この市民記者さんの場合は、続く投稿を待たなければ記事として掲載できないという問題はありましたが、最初の投稿からおよそ3週間あまりで紙面をかざることができました。内容にも表現にも問題はないものの日本版オーマイニュース内部の事情から、投稿後8ヶ月を待ってから掲載された記事も存在することから考えるとまずまず順調な日程での掲載だと考えられます。


日本版オーマイニュースでは、市民記者からの投稿をピックアップしたものの記事として掲載できない場合も当然ありました。(この段落は後日資料をそろえてから書きます:期日未定)


以上のように、2ちゃんねるの該当スレや各所のブログでところどころ言及されているような「編集作業の手を抜いている」「投稿内容の検証をしていない」という事実はなかったものと筆者は考えています。膨大な量の作業に追われてミスあるいは検証不足が多発したというのが実情でしょう。あらためて本当におつかれさまでした。

余談になりますが、クローズドなSNSとはいえネット上で愚痴るのは避けておいたほうが無難でしょう。同僚や気のおけない友人と居酒屋でクダを巻くのがおそらく正解だと思われます。いつどこで誰が見ているかわからないネット上よりも、いつどこで誰が見ているかわからないかもしれませんが隣の客には無関心なネット外の居酒屋のほうがいくぶんかは安心です。