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誠実で、優しく、そして誰よりも強い。『スーパーマン・リターンズ』

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000000697

記者名 O野 T朗

 幼い頃に印象に残ったことは、時を経ても色あせることはない。私がまだ3歳の頃、一人のヒーローに出会った。それがスーパーマンである。遠い星、クリプトン星からやって来た、優しさと強さでできた魅惑のヒーローである。

 今作では、滅亡したはずの自分の故郷の星を探しに地球を留守にしていたスーパーマンが、5年の歳月を経て地球に戻ってくる。

 5年という月日は人を変えてしまうのだろうか。決して変わらぬと信じていたものまでもが変わってしまい、驚きを隠せないクラークことスーパーマン。自分の愛する人は結婚し、子供までいた。彼女はヒーローの存在を否定し、居場所を失い、苦悩するクラーク。しかしそれでも人々は助けを求めている。そんな声に耳を傾け、再び立ち上がるスーパーマンのその姿はまさに善人の結晶のようである。

 技術が進歩し、映像表現の幅が広がった、今日の映画産業。アメリカンコミック(通称アメコミ)に見られるような、およそ現実にはありえないことも今や表現可能となっている。スパイダーマンやX-MENなど、数々のアメコミヒーローが実写化されていく中で、スーパーマンはまわりとは一味違った魅力を持っている。
 
 それは「守る」ということだ。他のアメコミ作品が
もっぱら戦いをウリにしているのに対し、スーパーマンは「守る」ことに主眼を置いている。彼は愛する人が側にいても、決してそれに溺れることなく、助けを求める人々がいれば、そこに駆けつける。自分の利益を考えず、ただ助けを呼ぶ人々の力になる。それがスーパーマン足るゆえんだ。
 
 今作では前作同様、超人的な力はそのままに、愛する人への思いやまわりとの関係など、人間性を十分に押し出した作りとなっている。アメコミ=派手な戦いという方程式は、スーパーマンには必ずしも当てはまらないだろう。

 愛する人はもちろんのこと、他の人の力になりたいという優しさ。人間では到底できないことを一人でやってのけてしまう圧倒的な力強さ。そして、普通の男女がするように、愛する人に近づきたくても近づけない切なさ。この3つが詰まった今作品。ぜひ、映画館に足を運んでみてはいかがだろうか。
2006-09-03 22:02

スーパーマン=クリストファー・リーヴな世代ですが、スーパーマンに限らずアメリカンヒーローはかっこいいです。いえ中マークのアメリカン・ヒーローも好きですが。