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公立高校教師の華麗なる生活

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003323

任期制導入が必要な理由
Y野H
2006-11-30 11:40

【画像省略】
写真はイメージ

 教員免許更新制度が議論されている。問題は公立学校の教育の質の低下にある。教員免許そのものに焦点を当て議論するのは的外れだ。10年ほど前に東北で教師をしていた私が見た実態を紹介したい。

 私が勤務した公立高校は組合の力が強かった。午前8時半が始業時間なのに、10分ぐらい過ぎて出勤する教師が目立った。なぜ始業時間を過ぎて出勤するのかと聞いたところ、「組合と学校の話し合いで、遅れていいということになっている」と言われた。始業時間に遅れても職員朝礼に間に合えばいいという考え方だった。こういうことを組合の重鎮だった教師が言うのである。

 見かねた校長が「勤務時間を守ってほしい」と職員会議で訴えたことがある。その場では異論は出なかったが、勤務時間が守られたのはわずか1週間ほどだった。教師が再び始業時間を過ぎて出勤するようになった時、校長はもう何も言わなかった。

 のちに新任の校長に「おかしいのではないか」と話したところ、「誰が遅れて来ているかチェックはしている」ということだった。しかし、口頭で注意をするわけではないから、見た目は野放しだ。チェックするのはいいが、どう反映するのだろうと不思議に思った。

 終業時間は午後5時10分だ。ただ、その1時間前から自宅研修できる制度があった。だからだろうか、午後4時10分を過ぎると教師が1人2人と帰っていく。午後5時になると職員室はガランとしていた。

 午後4時過ぎに学校を出て、そのままパチンコ屋に行った教師がいた。地域の住民に目撃され、学校に連絡が来たことがある。職員会議で校長が「勤務時間中はパチンコに行かないように」と注意を促したが、当の教師はあとで「パチンコくらい、いいだろう」と言っていた。この教師はこれでも生徒指導部長なのだから恐れ入る。

 飲み会がある時は午後4時10分を過ぎるとみんなで車に分乗して会場に向かうのが常だった。「車に乗っていくかい」と声を何度もかけられた。こうなると私も仕事を切り上げざるを得ない。おかしいと思ったが、同じ職場で働いているので「おかしい」と声を上げにくい。

 午後4時から飲み会が始まったこともある。参加した私とともに1時間後に飲み会を切り上げた教頭に「これ、まずいんじゃないですか」と聞いたら、「まずいなぁ」と言っていた。

 私のように批判的に見ている教師はほかにもいた。ただ、その批判的な目が大きな声になることはなかった。言ったところで通じないか無視されるのがオチだと感じたからだ。

 このあと私は私立高校の教師をした。待遇は公立に準じているのに、教師はあらゆる面で公立の教師よりも努力をしていた。例えばすべての教師が始業時間前に出勤して半径1キロの範囲で道路の要所に立ち、生徒が交通事故に巻き込まれないよう目を配っていたし、夜は遅くまで職員室の明かりがついていた。

 受け持つ授業のコマ数を比べると、公立高校は週に16コマだったが、私立高校は週に20~25コマ担当していた。授業は毎日7時間あった。進学希望者には実力テストや補講などをした。本当に忙しかった。

 私立高校に比べると公立高校は楽だった。私が見た限りでは、公立高校では担任を拒否する教師が目立った。「担任を決める時期になると診断書が急激に増える」と保健の先生が言っていたものだ。そうなると、担任を引き受ける教師にしわ寄せが行く。

 一方私立高校では「担任拒否」という言葉を聞いたことがない。私立の学校は私企業であり、生徒が減れば教師はリストラされる恐れがあるから、生徒に手厚くしなければならないという事情はある。それでも、教師という職業に対する意識が公立の学校の教師とは明らかに異なっていた。

 もちろん公立の学校の教師の中には真面目に仕事をしている人もいるだろう。ただ、以上のような私自身の経験から、公立の学校の教師には緊張感を持たせる意味でも任期制を導入したほうがいいと言わざるを得ない。その際、教育委員会に判断をゆだねると見て見ぬふりをする可能性があるから、地域の有識者を加えた合議体で判断したほうがいいだろう。

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは13件。

13 am 12/14 22:16
 公立学校であっても、決して競争原理がないわけではないと思う。教科担任であれば、生徒の試験の出来不出来は当然、気になるし。生徒が成長しているかどうかという評価だって、常に職員室の中で話題になると思う。
 今のところ、世の中は、給料とか罰則等、外発的動機付けだけでなんとかしようとしている(それも、否定はしない)感じがするけれど、人間、まして教師がそれだけでやる気を出すのだろうか。最近、少し疑問に思っています。内発動機づけというか、仕事のやりがい、職場の明るい雰囲気、お互いに教えあうといったことが、長期的にみて、また、より多くの人にとって、やる気につながるんでないだろうか。また、一般の会社も、もう少し、社員への教育的な視点があってもいいような気がします。要は、何事もバランスかと思います。

9 WilЬur Wright 12/02 00:25
>BJチョコラムさん
 確かに、脳は筋肉に例えられる事もあるので、
大学時代に遊ぶ習慣がある日本は、もともと将来に不安を抱えている、
と言う事も出来ますね。
 大学生が遊び人ばかりではないように、高校生の中にも、先生を先生と見る事に抵抗を感じている生徒がいるでしょうね。

7 知足 12/01 17:43
これが公立高校の実態である。親方日の丸だから無責任極まるのだ。競争原理を入れるしか救いようがない。猛烈に反対されるだろうが。教育改革は、中味は何であろうと、断行する決意・意気込みがあるかないかで成否が決まると思う。
http://medialiteracy.blog76.fc2.com/

6 mori夫 12/01 12:21
> 教師の超過勤務は平均月80時間、4割は過労死レベルなんて話もある。(Mulderさん)

これはごく一部の人だけではないでしょうか。あとは部活に非常に熱心な先生とか。

私の娘が通っていた高校の英語劇クラブは、指導の女性教師が、夏休みの40日間休ませずに、1日に12時間も特訓させるような部だったので、心身に異常をきたし、うつ病になる子が複数出ていました。こんなのも、問題教師のひとりでしょう。

> 小中学校民営化ですか。そうなると、私の稼ぎでは私学に子供を行かせる事を出来ません。(T橋A哉さん)

私も民営化は不可能だと思います。ただ、親が子供を通わせる学校を選ぶ権利や、ダメ教師にNOを言える制度を作ることは、必要と思います。

親や生徒は、市町村内はもちろん、近隣の市町村も含めて、いくつかの学校の中から選択できるようにする。学校側は、自校の教育方針や管理体制、責任体制、教師の相互研鑽体制などを、きちんと地域住民に説明するよう、法律で義務づける。

ダメ教師に対しては、親や生徒が不利にならないかたちで、学校側にクレームを入れることができるようにする。学校側に、クレーム窓口の設置と、対応義務を、法律で明確化する。(しかしこれは、親や生徒の偏見やわがままによるクレームが多発する可能性もあり、運用が難しいが。)

まあ、真剣に考えれば、民営化せずとも、校長や教師に、きちんとした責任意識を持たせて、それが果たせない場合は、親たちから見離されるという仕組みは、作れると思うのです。

5 Mulder 12/01 10:12
これ10年前の話ですよね。
教師の超過勤務は平均月80時間、4割は過労死レベルなんて話もある。
どっちがホントかな?

4 WilЬur Wright 12/01 03:05
 「いつもは真面目に仕事しているんだから、たまにはいいだろう」 という … 緩急、そしてプライドが欲しいですね。

3 T橋A哉: 11/30 20:26
記事には特に異論は有りません。
色々な方法で改善していくべき事と思います。

小中学校民営化ですか。
そうなると、私の稼ぎでは私学に子供を行かせる事を出来ません。
私も、裕福ではなかったので行けなかったと思います。
小中学校に入れられない親は、義務教育違反で検挙されそうです。
親が検挙されるのを見た子供は国を愛するなんて思わないでしょうね。
記事では直接触れていない件に固執してすみません。

2 Ronnie 11/30 20:13
>教師はあらゆる面で公立の教師よりも努力をしていた。

だから民営化するしかないのです ⇒ 小泉・竹中路線を国民が支持しなかったら、この国は夕張市とおなじ運命になっていた
でしょう。

1 mori夫さん >国鉄の労働組合にいたダメ職員たちは、民営化されてやっとまともになりました。

同感です! どれだけ莫大な赤字をつくり国民の税金がつぎ込まれたことか。。。
旧ソ連も、それで潰れたのです = K.Marxは社会科学には非凡な才能を発揮しましたが、同じユダヤのS.Freudと違って人間を
理解することが出来ませんでした。

1 mori夫 11/30 16:31
私も公立学校の教師には、つね日ごろ、たいへん憤りを感じています。記者さんのような声が、もっともっと大きくなって、国民的議論になってほしい。

私自身の小、中、高時代の経験や、娘ふたりの小、中時代の参観日などで見た、教師たちの行動の様に対して、おかしいと思うことや、腹の立つことが、山ほどあります。

・特定地域の住民に対して差別語を連発して、バカにする。
・特定の子を標的にして、人民裁判のような、つるし上げをする。
・特定の出来る子だけにしか話しかけない。相手にしない。
・国や政治家や大企業を露骨に悪く言う。
・教え方、話し方がヘタで、聞いていても何を言っているのかわからない。
・声が小さい。うしろのほうにいる子に聞こえていない。

これは、一部にそういうダメ教師がいるという、問題ではないです。こういうダメ教師を学校の組織体制のなかで、良い教師に変えていく(ダメなら教師を辞めさせる)ための仕組みが、まるで機能していないことが問題なんです。

学校内のいじめの問題だって、校長や教師たちが、本当に真剣に取り組めば、かなり改善されるはずです。そういうことを許さないという毅然とした気迫を持って、本当に真剣に取り組めば、いろいろな対策案が出てくるだろうし、その厳しさが生徒たちにも、きちっと伝わるはずなのです。

国鉄の労働組合にいたダメ職員たちは、民営化されてやっとまともになりました。公立学校もなんとかせねば。


これも教師ごとに違うかなぁという感想。組合(日教組)に入っていても仕事に熱心で面倒見のよい先生もいましたし。職場(学校)全体でサボタージュが蔓延しているような雰囲気だと問題でしょうが、校長の権限を大幅に強化(教員への指導とか)すれば組合から猛反発が出るでしょうし。

この記事が掲載された当時とは環境も大きく異なりますが、小中学校の先生の負担がものすごく増えたような気がします。夜遅くまで職員室の電気がついたままの時も多いですしねぇ。