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幸せの黄色いもの

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/mob/News.aspx?news_id=000000000262

地域とともに文化をつくる
千葉アートネットワーク・プロジェクト(Wi-CAN)は私たち千葉大の学生メンバーのほかに、千葉と佐倉の市立美術館、商店街、まちづくりNPO、福祉、環境などの多くの団体のネットワークを基盤に社会とアートの結びつきを目指している。

そして、8月5、6日にWi-CAN2006のオープニングとして「幸せの黄色いもの」というワークショップが行われた。黄色というのは、映画「幸せの黄色いハンカチ」にちなんでいる。太陽に最も近い色とされていたり、安全をあらわす色であったりとよい印象の色だ。

ということで、このワークショップはアーティスト、開発好明により提案されWi-CANの学生メンバー20人と検討して行われたものだ。コンセプトは過剰な広告によってストレスを受けている町に、落ち着いたファサード(建物の正面や道路に面した建物の側面)をつくることによって住み心地のよい商店街にしようというもの。場所は活動地域の一つである千葉市中央区栄町にある商店街。当日は、Wi-CANの拠点であるアートセンター「Wi-CANP」を中心に商店街の通りは集められたたくさんの黄色いもので彩られた。

私がWi-CANに参加するのは今年度が初めて。千葉大学の普遍科目(教養科目)「文化をつくる」という授業の一環でもあったので、一体どんな科目なのだろうと思い、ミーティングに参加した。今回のワークショップや、それに向けた準備に自分が関わる初めての機会となった。今まで受けてきた講義では得ることのできない、人との出会いや経験を通して自分自身が成長するきっかけになるのではと思い参加を決意した。


ワークショップのおこなわれた栄町を初めて歩いたときは、点在する風俗店、韓国料理店と細々とした商店街が入り組んだ複雑な町。確実に衰退していく町という印象を受けた。この地域とのコミュニケーションにアートを介入して新たな活力を生みだすことなど無謀ではないかとも思った。

けれどワークショップの準備を通して商店街や多くの人々の協力を得られたときのこと。黄色にちなんで箱いっぱいのバナナを提供してくれたり、商店街のとおりに展示するために家にあった黄色のものを貸していただいたり、展示方法のアドバイスをくれたり……。

私たちが地域の方とともにこのような活動を展開する意味はあるのではないかなという希望を感じることができた。そして、イベントに興味を持ってくれた方、みんな街に活気が戻ってほしい。昼間から人が集うような明るい街になってほしいという思いは共通しているのだと思う。

だからこそ、どんなに忙しくてもやりがいのあるイベントになるのだということを今回のワークショップを通じて学んだ。

Wi-CANの活動は栄町だけでなく千葉市の中央地域、佐倉、里山と様々な場所で展開されている。活動する地域と同じく、メンバーのWi-CANに対する思いも一様ではない。地域の特性に興味を抱く、まちの文化や歴史にスポットを当てる、住民とのコミュニケーションを大切にする、アーティストとの活動に情熱を燃やす、1人ひとりの違った思いを互いに共有しあって1つのプロジェクトにできたならば、この活動はさらに地域に浸透していくのだろう。

黄色で埋めつくされた商店街の光景とこのワークショップから得たものはしっかり自分の中に刻んでおこうと思う。アートセンターでは若手アーティストによるギャラリー展示や千葉大学生によるアートに関わるイベントを行う予定。

千葉中央地域や佐倉でも秋に向けて地域に密着した企画が進行中。人の流れを街に引き寄せられるような、アーティストと地域の方と連携したイベントを引き続き行っていきたい。

いろんなことに挑戦できる学生時代に、Wi-CANのような活動に力を注げることはとても貴重なことだと思った。

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モバイル版オーマイニュース(日本版)より

投稿者はY木Y生記者。ライフカテゴリへ投稿されました。後日正式採用され本紙に掲載されました。

この記事番号と正式採用されたほうの記事番号、モバイル版では両方でほぼ同じ内容の記事が同時に掲載されていたことになります。リソースの無駄遣いですね。