見出し画像

ベトナムへ愛を込めて(その2)

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/blog/archives/2006/07/post_60.html
投稿日時:2006年07月5日14:18

7月1日、夜7時ごろ。東京のJR中野駅北口改札と商店街のちょうど間の道は即席ゴスペルライブ会場となった。9名の男女はそろってオレンジ色のTシャツ姿。約2時間ほどの路上ゲリラライブが始まった。彼らは「サーヴアカペラボランティアチーム」という名のアカペラグループだ。ボランティアや募金活動の場に積極的に参加している。今回は以前紹介したベトナムのユンちゃんへの募金を呼びかけるために集まった。

【画像省略】

少し蒸し暑くはあるが、朝からたびたび降っていた雨はあがっていた。『島唄』、『風になりたい』『涙そうそう』といった有名な曲を歌いながらメンバーのうちの2人がビラを配る。
「ベトナムの17歳の少女・ユンちゃんの支援をお願いします! 枯葉剤の影響で顔に腫瘍ができてしまったユンちゃんの治療のためにご協力お願いします!」
歌の合間にリーダーの小幡さんが訴える。ゴスペルチームの前には、大きく引き伸ばされたユンちゃんの写真が立て掛けられていた。

こういった場での未許可ライブは、警察が来てしまえばおしまいだと言う。以前、村山康文さん(『ユンちゃんを支援する会』代表・フォトジャーナリスト)は、ユンちゃんを始めベトナムの子どもたちと枯葉剤の影響を知ってほしいと東京都内のI公園で"ゲリラ写真展"を試みた。荷解きをし始めて間もなく、許可がなければ展示してはならないということで公園関係者から"撤去指示"を受けたという。街角などでも同様。しかも、今回は募金という形でお金も絡んでいたため、取り締まりも厳しくなるだろう。"いつ警察がくるか"にドキドキしながらのセッションだった。

土曜日の夕刻、これから遊びに出る人、家路につく人など様々な目的を持つ人が行き過ぎる中、多くの人が足を止めた。ビラを手にしてくれる人、一度渡りきった交差点を引き返してくる人、支援の手を差し伸べてくれる人。予想以上の反応に「なんか嬉しいなぁ」とタバコをふかしながら村山さんは噛み締めるように話した。
「ユンちゃんは友達や。ジャーナリストとしてはホンマはこういう活動をするのはちゃうねんけどな…」
ジャーナリストとしては、ユンちゃんは取材先でもある。募金活動を進めていくのはどうかという葛藤もあったのかも知れない。

「頑張ってくれ」と、募金とともに声を掛ける青いポロシャツの中年男性。一心にユンちゃんを見つめる7歳の女の子。自分たちの活動の場を奪われたバンド少年たちも歌に聞き入り、場所を譲ってくれた。ティッシュ配りの男性も募金に応じてくれる。座って歌に耳を傾ける10代のカップル。若い女性たちは初めてユンちゃんを見て、驚いた表情だったが、そのうち5~6人で村山さんを囲み真剣に話に聞き入っていた。

ずっと足を止め、遠巻きに見守る外国の男性が1人。ビルマから来たという彼は民主化運動を本国で進めており、地理的に近いベトナムの出来事ということもありずっと歌を聴いていたという。ビラを片手に
「このHP(ホームページ)に英語の文はありますか」「私も(ユンちゃんのことを)仲間たちに伝えて手伝いたい」と話してくれた。

この日の募金総額は82,482円。ユンちゃんは今秋にも手術のために来日する。募金は全額、彼女の手術費用や渡航費用として使われる。症状は確実に悪化の一途をたどっているらしい。一日も早い来日と手術を実現させるため、少しずつ運動は結実しているようだ。

『ユンちゃんを支援する会』HP
http://www.geocities.jp/shiensurukaijp/

豊原富栄(編集局)

※引用文中【画像省略】は筆者が附記
-----
しない善よりする偽善(今はやらない善よりやる偽善のほうが一般的)とは2ちゃんねる発祥の名言でしたかね? このエントリに書き込まれていた記憶がありましたが、今確認するとそのようなコメントは見当たりません。目の錯覚だったのかもしれません。村山氏の行為が少しでも心の支えになってくれればと願います。【5日前】