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スタッフ紹介(10)~副編集長登場

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/blog/archives/2006/07/post_59.html
投稿日時:2006年07月4日16:06

7月から編集局の一員として「オーマイニュース」の創刊をお手伝いすることになった青木理(あおき・おさむ)です。最初なのでまずは簡単な自己紹介を。

1966年生まれ。故郷は長野。今年で「不惑」である(はず?)の40歳です。
都内の大学を卒業し、1990年から16年間、通信社の記者として取材活動を続けてきました。主に在籍したのは社会部。その後は国際ニュースを扱う外信部というセクションにも籍を置いていました。社会部では阪神大震災やオウム真理教事件、各種の経済事件などを取材し、外信部では2002年から2006年3月までソウル特派員として韓国に駐在していました。いわば16年間、大メディアと呼ばれる組織の中で記者活動をしてきたわけです。この間、大きな事件などの取材現場に何度も出くわし、記者としては「恵まれた」環境で過ごせたと思っています。しかし、一方でこんな疑問も頭から離れることがありませんでした。

私たちは本当に伝えるべきことを伝えられているのか--。

言うまでもなく、メディアからは今、大量の情報、ニュースが日々流されています。中には貴重で素晴らしいニュースもありますが、あくまで情報の流れは一方的であり、市民の視線から乖離した報道や安易でステレオタイプに堕した報道が多いのも事実です。
また、大メディアが大メディアであるが故に報じないタブーも数多く存在します。「パックジャーナリズム」の弊害も一層悪化しています。さらに私が長らく携わった事件報道などをめぐっては最近、報道被害やメディアスクラムなどの問題によってメディアへの信頼は低下しています。
一方で、個人情報保護法や共謀罪への動き、さらにはメディアに関する高額の名誉毀損賠償などなど、メディアや言論の自由をめぐる環境は確実に悪化しているのが現状でしょう。

これも言うまでもないことですが、健全なメディアの存在と言論の自由は民主主義社会の根幹です。しかし、情報産業化したメディアは膨大な情報を一方的に流すだけで、言論の自由を守るための足腰は弱っています。一方でメディアへの市民の不信が高まったことなどにより、言論の砦であるべきメディアを支えようとのムードは希薄です。まさに「悪循環」です。

こうした状況の中で創刊される「オーマイニュース」は「市民みんなが記者だ」と訴え、ネットの利点を利用した双方向型の市民参加型メディアです。多数の市民が記者として参加する以上、市民の視線から乖離などできるはずがありません。多様なテーマに関する多様な意見やニュースが市民記者の皆さんから寄せられるメディアである以上、安易なタブーの殻に閉じこもることもできません。
こんなオーマイニュースの創刊は、日本メディア界における重要な実験といっていいでしょう。私自身、その実験にワクワクし、ドキドキもしています。不安は一杯ですが、期待も同様に一杯です。

……と、のっけから小難しい理屈をこねてしまいましたが、これだけじゃ青木なるヤツが一体どんな人間なのか分からん!という方は、私がこれまでに書いた本でも読んでみてください。例えば『日本の公安警察』(1999年、講談社現代新書)、『北朝鮮に潜入せよ』(2006年、同)などがあります(これじゃ単なる宣伝ですね=笑=。スミマセン)。それでも私の思想傾向(?)や立ち位置ぐらいは分かると思いますのでご参考に。

さて私、編集局では「副編集長」という立場で創刊をお手伝いすることになりましたが、「市民みんなが記者だ」というオーマイニュースのコンセプトに従えば、私も一人の記者にすぎません。市民記者としてオーマイニュースに参加する皆さんとともに「他のメディアでは読めない記事」「隠された事実を抉る記事」「言論の自由を守るための記事」などなどを精一杯書いていきたいとも思っています。
よろしくお願いします。

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青木 理(あおき・おさむ)(編集局)

※画像は当時のオーマイニュース開店準備中Blogのこのエントリで使用されていたものをそのまま参考資料として使用させていただきました。
(2006©オーマイニュース・インターナショナル株式会社)

共同通信出身の敏腕ジャーナリストが大志を持って日本版オーマイニュース副編集長に就任なさいました。青木氏の著書『北朝鮮に潜入せよ』は映画『シルミド』の公開もあって当時読んだ方もいらっしゃるでしょう。
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