母校で授業のお手伝いをしてきた話
この記事は株式会社LabBase テックカレンダー Advent Calendar 2022 9日目の記事です。
はじめに
株式会社LabBase でエンジニアをしている渡辺創です。最近、カメラを買いました。見出し画像は六義園の夜間特別鑑賞に行ったときの写真です。紅葉がライトアップされていて綺麗でした。
今回は母校の高校で授業のお手伝いをしてきたので、そのときのことを書こうと思います。
一般企業で働く人間が学校で話をするっていうことががどのくらいあるのかわからないのですが、あまりネットで見ることもないので、誰かの参考になれば幸いです。
経緯
みなさんは探求という授業科目について、ご存じでしょうか?私は依頼されるまで知らなかったのですが、2019年度入学の高校1年生から取り組むことになった科目だそうです。詳しくはこちらのリンクで。
私の学生時代は「総合的な学習の時間」(以下、総学)と呼ばれているものが「総合的な探求の時間」(以下、総探)に変更されたそうです。総合と総探の違いに関して深くは書きませんが、主体的かどうかという部分が大きいのかなと思います。
学生がやりたいことを見つけるための手伝いができると思って、依頼を受けました。
詳細の流れは省きますが、高校の先生と20年程前の卒業生が企画を行い、つながりのある卒業生に声をかけ、実施されたという感じです。
ワークショップの概要
ワークショップの概要を説明していきたいと思います。
目的
探求活動の準備として、各分野で専門的な活動をしている卒業生の協力を得て、現場で活躍する際に必要な思考法や、課題発見から解決までの道筋を経験する。
グループ内での対話や困難な課題に取り組む活動を通して、探求の視点、方法、面白さを経験し、成果を残す。
スケジュール
講師に対する説明:4月
講座概要の決定:6月
講座分け・事前課題の発表:7月
第一回の授業:9月
第二回の授業:11月
対象
高校1年生。全校生が350人程度いるが、10人の講師が講座を行うので、30〜40人程度に対して講座を行う。
講座内容
10人程度の卒業生が、現場の苦労や楽しさについて紹介する。ワークショップの課題を提示し、学生がプレゼンテーションを行う。
他の講座の講師には建築家の方やデザイナーの方、広告代理店の方などいろんな講座があり、私も参加したいものもありました笑
事前準備
去年・一昨年と講座をおこなっており、今年3回目だったので、その経験としては以下の前提があります。
ほとんどの高校生はプログラミングをしたことはない。
去年一昨年も授業を行い、母校の学生は理解力が高いと感じることが多かったので、課題は多少難しめでもよさそう。
講座内容に関しては、自分がWebアプリケーションや機械学習というところの専門なので、「プログラミングを使って、データという観点で世界を見てみよう」というタイトルで資料を作成しました。大げさなタイトルですみません。
プログミングやデータ分析、Webアプリケーションなどの技術が探求の対象になりうるものですが、それとは別に、今後探求ということをやっていく中でデータを見て解釈していくということがどんなことなのかということを伝えたかったので、それが含まれる講座を考えました。
ワーク内容のイメージは以下の画像です。
①の部分はデータを加工するということなので、データを確認し、それをPythonを使って加工・可視化してもらうというワークにしました。
②の部分はプラスαの部分でしたが、興味がある人は機械学習をやってみては?という形でお題を提供しました。
Webのアプリケーションを作成するには2回の授業では難しいと感じたので、データ分析のワークにしました。Webシステムのどこかをつくるのも面白いので、いつか部分的にでもそれを体験できたらよいなと思っております。
事前課題の発表と0回目の講義
プログラミングの基礎的な部分は事前に触れてほしかったので、9月までの事前課題として東大のPythonの講座を部分的にチョイスして勉強してもらいました。
この事前課題を共有すると同時に開発環境のとしてのGoogleColabratoryの使い方やドライブへのファイルの上げ方を説明しました。
1回目の講義
9月に行った1回目の講義では先ほどのスライドで説明したような今回のワークショップの内容とそれに使うデータを紹介しました。
データは「Kaggle のタイタニックのデータ」+「scikit-learn の Toy Datasets」を紹介し、その中から分析・可視化するものを選んでもらいました。
なんでかわからないですけど、タイタニックのデータセットが人気でした。
発表
発表時間5分ほどでやったことや感想をまとめてもらいました。
最小二乗法の解説をしてくれたり、
相関係数を出して、目的変数との関連が高いものを調べたり、
ワインの種類を推測したり、
など、ネットの記事などを参考にいろいろやってくれていました。
どの発表も素晴らしかったのですが、仮説を立ててそれについて調べるという発表をしてくれている班もあり、探求っぽくて良いなと思いました。
アンケート結果
ワークショップのあとに高校側がアンケートを実施してくださって、その結果をいただきました。
振り返りの反省としては、21人中19人が課題が難しい、21人中15人が時間が足りない、というのを大変だったこととしてあげていたことです。事前課題の出し方やサポートの仕方は改善の余地があります。
プログラミングに興味をもって今後も続けたいというコメントがあり、それはもちろん嬉しいのですが、「データとは何か」や「データをみる」ということを日々意識したいというコメントがあり、ぜひ今後の人生でプラスになればと思います。
おわりに
昔から教育に興味があったものの、人に教えるということは大変難しいと思っている自分としては、貴重な機会をいただきありがたいなと思っております。
私の道が善いものというわけではないので、教化にならずに、ただ私という例を示し、それを体験できたと感じた学生が一人でもいたらやってよかったと思います。
これは業務時間でやってるものではなく、事業には全く関係ないのですが、間接的に「研究の力を、人類の力に。」というところとエンジニアリングの講座ということでこのノートを書かせていただきました。
ぜひ、LabBaseのパーパスに共感し、一緒に良い社会をつくっていきたいという方は私のTwitterや会社の連絡先にご連絡いただけると嬉しいです。こういった活動に興味がある教育関係者のかたも気軽にご連絡いただければ、私のわかる範囲で経験を話すことができるかなと思います。
読んでいただきありがとうございました。誰かのお役にたてば、嬉しく思います。
明日はインターン生のみなとさんです。ご期待ください。
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