映画レビュー(54)「ラン・ハイド・ファイト」


ノンストップアクション!

 2021年の作品とのこと。母の死をきっかけに隙間風の吹き始めた父と娘。その娘が、卒業式の日に巻き込まれたテロ事件の顛末を描いている。

 その主人公ゾーイは、父親仕込みの銃の腕とサバイバル技術を持つ変わり者で、周囲からもミリオタ少女として変人扱いされている。
 プロムの日、いじめられっ子の子供たちがグループを作り、爆弾を用意して、学校のカフェに生徒たちを人質にして立てこもる。彼らと戦えるのはもうゾーイしかいないのだ。
 そう、もうお分かりですね、これはハイスクール版「ダイ・ハード」なのだ。面白くなるに決まってる。ミリオタ少女という設定がもう、それやるための物語の要請なのですな。

「ダイ・ハード」の本歌取り

 ラストシーンで、保安官と握手するシーンとか、随所に本歌取り的なシーンがある。それを探しながら見るのも一興かも。
 キネ旬によると監督・脚本は「ビッグ・バグズ・パニック」のカイル・ランキン。なるほど、このライトな面白さは、あの面白さに通じるものありだ。原題も「RUN HIDE FIGHT」わかりやすい。
「ラン・ハイド・ファイト」

(追記 2024/01/22)
 同様の本歌取りの例をいくつか挙げとこうかな。
「パシフィック・リム」←「機龍 ゴジラ対メカゴジラ」
「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」← セルジオ・コルブッチのマカロニウエスタン諸作品。
「レディ・プレーヤー1」←「市民ケーン」
「荒野の七人」←「七人の侍」
「スターウォーズ」←「隠し砦の三悪人」
「バッファロー66」← 小津安二郎の諸作品
など。

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