さるぼぼコインの秘める可能性
みなさん、さるぼぼをご存知でしょうか?
愛知県在住の私からすると、さるぼぼは子供のころから知っていて当然のキャラクターですが、全国的な知名度はどうなんでしょうかね。
ご当地のものの全国的な知名度って住んでると分からないんですよね。
コメダ珈琲とかココ壱番屋とか丸源ラーメンはそこそこ有名みたいですけど、銀のさらとか結構知られてなかったりします。
さるぼぼは、飛騨高山など岐阜県飛騨地方で昔から作られる人形です。
猿のぼぼ(飛騨弁で赤ちゃん)の意味で、「安産」や「良縁」「子供の成長」「無病息災」などを願うお守りです。
今回はそんなさるぼぼの名を冠した"さるぼぼコイン"についてご紹介します。
さるぼぼコインは高山市・飛騨市・白川村が行っている地域限定の電子通貨です。
プリペイド方式のスマホアプリで、地域内のチャージ機、コンビニのATM、信用組合の店舗などでチャージしたさるぼぼコインを、地域内の加盟店でキャッシュレスで使用できます。
公共交通機関でも使用でき、ポイント還元もあります。
また、さるぼぼコインでは、以下のような税金の支払いもできます。
市県民税(普通徴収)
固定資産税
軽自動車税
国民健康保険料
水道料金
下水道等使用料
※但し、1件30万円以下に限る
手順は送付された納付書のバーコードを読み込むだけ。
市役所窓口やコンビニエンスストア、金融機関に行く必要がなく、住民の方の利便性に貢献しています。
ユーザーからしたら、日ごろの買い物だけでなく納税まで決済が楽になること、ポイント還元、がメリットです。
一方自治体としては、①地域経済の活性化②公共交通の最適化③住民への情報提供の最適化といったメリットがあります。
第一に、地方自治体は地域住民に日常の買い物を自治体内してもらう“お金の地産地消”により、財源の安定化を図れます。
第二に、住民の移動データを取得することで、効率的な公共交通機関のスケジュール組みや、これまで見落とされていた移動ニーズの発見による移動需要そのものの増加を見込めます。
さらに、この地域は、世界遺産白川郷や高山の町並み、高山陣屋といった素晴らしい観光資源があるので、さるぼぼコインを観光客と結びつけて、移動・観光・決済をひとまとめにこのアプリでできるようになるとさらに面白いとおもいます。
そこで得た観光客の移動データは、公共交通のさらなる最適化・効率的な広告にも活かせます。
第三に、アプリを通じた効率的な情報提供(避難勧告などの災害情報、通行止めなどの交通情報、クマの出没情報)は、住民のQOL(生活の質)を上げることに役立ちます。
このように住民にも自治体にも利益のあるさるぼぼコインは人口減に苦しむ自治体には参考にすべきものです。
"さるぼぼコイン"は地方経済活性化のロールモデルとして大変注目されるべきものであり、今後の動向をしっかりと追っていきたいと思います。
みなさんも、興味があれば是非飛騨高山を訪れてみてくださいね♪