【デッキ解説】CL福岡2022 ベスト32 わるいリーフィアデッキ
■はじめに
こんにちは、「チーム メタモンVMAX」のはじめ(@Scenariocode)です。
今回は、前回のCL京都2022と同様に元々noteにする予定は全くなかったのですが、TwitterのDMで「noteにしてほしい」という要望が何故か多数届いたので、CL福岡2022で30位に入ることができた【リーフィア】について執筆いたしました。
この記事では、自分がどういった考えでこのデッキを選択したのか、どのような動きをするのかなどにもフォーカスを当ててご説明します。
今大会では環境読みがほぼ上手くいったこともあり、順調に勝ち上がれたと思います。
ですが、まだまだ改良点もあるデッキとなっておりますので、これを読んだ方がこのデッキより良いデッキを作成するための力になれましたら幸いです。
初心者の方でもできる限り読みやすい文章で執筆したので、「最近ポケカを始めた!」という方にも安心して読んでいただけるかなと思います。
新しいシーズンが始まったばかりでシティリーグも控えているため、有料部分ありとなっておりますが、本気でWCSの出場権を目指してデッキを作成したので、これからWCSに行きたいという方にも読んでいただきたいです。
何卒、よろしくお願いいたします!
執筆者紹介
昔は『遊戯王』や『ヴァイスシュバルツ』をプレイしていました。ポケカ歴は約3年ほどで、始めた当初はジムバトルばかりに参加しており、去年ぐらいからは主にシティリーグやCLなどの大型大会に出場しています。
現在はゲームデザイナーとしてTCGやボードゲームなどの開発業務を行っています。
<過去の主な実績>
●公式戦
・2021年シティリーグS1準優勝
・2021年シティリーグS2ベスト8
・2021年シティリーグS3優勝
・PJCS2021 ベスト64
・CL京都2022 ベスト16
●非公式戦
・第5回かつたりす杯優勝
・第1回せろり杯ベスト8
・第3回かりす杯ベスト8
・第69回かつた杯準優勝
■用語解説一部(※初心者向け)
一部、略称や相称で説明している部分がありますので、以下で簡単に解説させていただきます。
これからポケカを始める、もしくは始めたばかりの方や、本記事を読んでいて意味が分からない方は、こちらを参照していただけますと幸いです。
※中級者以上の方は読み飛ばしていただいて、問題ありません。
●デッキ名について
・【こくばマホイップ】
《こくばバドレックスVMAX》と《マホイップVMAX》を組み合わせたデッキ。
・【ゲンガージュラルドン】
《ゲンガーVMAX》と《ジュラルドンVMAX》を組み合わせたデッキ。
・【3神系統】(3神ザシアン、3神ファイヤーとも呼ばれる)
《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》を主軸としたデッキ。
サブアタッカーに《ザシアンV》や《ガラルファイヤーV》が採用されることが多い。
・【はくばスイクン】
《はくばバドレックスVMAX》と《スイクンV》を組み合わせたデッキ。
・【ムゲンダイナブラッキー】
《ムゲンダイナVMAX》と《ブラッキーVMAX》を組み合わせたデッキ。
・【ルカメタザシアン】
《ルカリオ&メルメタルGX》を主軸に《ザシアンV》や《ザマゼンタV》を採用したデッキ。
・【れんげきテンタクル】
「れんげき」を持つ《カラマネロ》を主軸にしたデッキ。
●カード名について
・《オロヨノ》
《オーロット&ヨノワールGX》の略称。
・《ゲンミミ》
《ゲンガー&ミミッキュGX》の略称。
・《3神》
《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》の略称。
・《ミュウミュウ》
《ミュウツー&ミュウGX》の略称。他にも「M3」「パーフェクション」等様々な呼び方がある。
●TCG(ポケカ)用語
・圧縮/デッキ圧縮
不要なカードを山札からトラッシュしたり、必要以上にドローをして山札を減らすことで、ゲーム中盤以降に目的のカードが引きやすくなるようにする行為。
・エネルギー加速(エネ加速)
「エネルギーは1回の番ごとに1枚手札からつけることができる」という基本ルールがあるが、その基本ルール以外の「特性」「ワザ」「トレーナーズ」などを使ってエネルギーをつける行為を「エネルギー加速→エネ加速」と呼ぶ。
・コスト
何かをするために必要な費用を「コスト」と呼ぶ。ポケカでは逃げるために必要なエネルギーやワザを使うのに必要なエネルギーを「コスト」と表現することがある。
・サイドレース
相手との間で、サイドを取り合う枚数の優劣。
・打点 中打点 火力
相手のポケモンに与えるワザのダメージ(数値)のことを「打点」と呼ぶ。
また、「火力」と呼ぶ時もある。
例えば「打点が高い」であれば「与えるダメージが高い」ことを示す。
「中打点」の場合は主に「120~160ダメージ」与えるワザのことを示す。
・Tier(Tier1,Tier2,Tier3...)
その環境においての流行度を指す。
Tierはその後に数字が記され、1に近いほど流行していることになる。
Tier=強さではないが、強さと読み替えてもあながち間違いではない。
・テンポ、テンポアドバンテージ
1ターンに1回使えるサポートやエネルギーを貼れる回数に関するアドバンテージ(優位性)のこと。
・バレット
多数のアタッカーで構成されたデッキを「〇〇バレット」と呼ぶことがある。タイプなどのグループ名+バレットという使われ方が多い。
・非V・GX
スタンダードレギュレーションにおける「ポケモンV」や「ポケモンGX」以外のポケモンの相称。
・メインアタッカー、サブアタッカー
アタッカー:相手のポケモンにダメージを与える(倒す)役割を持つポケモン。
メインアタッカー:使用するデッキで最も相手のポケモンを倒す役割を持つポケモン。
サブアタッカー:メインアタッカー程ではないが、相手のポケモンを倒す役割を持つポケモン。
・ライン、進化ライン
「たねポケモン」と「進化ポケモン」をセットにして呼ぶ時「〇〇ライン」「〇〇進化ライン」と呼ぶ時がある。
例:《インテレオン》の進化ラインをそれぞれ4枚デッキに入れる。
上記の場合は《インテレオン》《ジメレオン》《メッソン》を4枚ずつデッキに入れることを示している。
・ロック、グッズロック、特性ロック
相手の何らかの行為を制限すること。幅広い使われ方をするがメインは「グッズロック」と「特性ロック」。
グッズロック:手札からグッズを使うことができない状態。
特性ロック:ポケモンの特性を使うことができない状態。
※記事の見方補足
【 】⇒【デッキ名】
《 》⇒《カード名》
ワザ「 」⇒ワザ「ワザ名」
特性「 」⇒特性「特性名」
■当日のマッチアップ
●11/3(水)
・CL福岡2022 予選
第1回戦:はくばスイクン 後攻 6-1 ⭕️
第2回戦:3神系統 先攻 6-2 ⭕️
第3回戦:こくばバドレックスVMAX 先攻 6-2 ⭕️
第4回戦:はくばスイクン 後攻 6-3 ⭕️
第5回戦:ミュウVMAX 先攻 6-0 ⭕️
第6回戦:クワガノン 先攻 5-6 ❌
第7回戦:クワガノン 先攻 5-6 ❌
第8回戦:クワガノン 後攻 6-3 ⭕️
第9回戦:3神ファイヤー 後攻 6-2 ⭕️
【予選7-2: 30位】
■環境考察
●PJCS2021~CL京都2022まで
PJCS2021ごろまでは悪、超、闘の三すくみで環境デッキが構成されていましたが、CL京都2022直前の9/24(金)に『フュージョンアーツ』が発売されたことによって、超タイプのデッキに【ミュウVMAX】という新たな環境デッキが加わり、【れんげきウーラオスVMAX】が弱点を取られやすくなることにより減るのでは無いかと予想をしていました。なので、過去に【れんげきウーラオスVMAX】を苦手としていたデッキが増え、活躍してくるのでは無いかと考えています。
ほかにも【ミュウVMAX】の登場により、弱点で有利が取れる【ゲンガーVMAX】や【ムゲンダイナブラッキー】も増えることが予想されるため、前環境で第一線で活躍していた【こくばマホイップ】は減ると思いました。
ですが、【ゲンガーVMAX】や【ムゲンダイナブラッキー】が増えることによって、【ミュウVMAX】の減少も考えられますが、このデッキのメインアタッカーである《ミュウVMAX》は無色エネルギー2つでワザが使用できるため、《ウィークガードエネルギー》を複数枚採用できることが容易に想像でき、シェア率が減ることはなくむしろ多いと考え、CL京都2022用のデッキ構築を友人と始めました。
その際に自分なりに考えたTier評価が以下の通りです。
●CL京都2022結果
ほぼ予想通り、トップシェアが【ミュウVMAX】と【ゲンガーVMAX】で全体の3分の1を占めています。
また新しいデッキタイプである【クワガノン】が登場し、CL京都2022以降は【クワガノン】を中心に環境が回ることになりました。
●CL京都2022~CL福岡2022
CL京都2022で注目された【クワガノン】の登場により、今までの環境が一変しました。《クワガノン》は非V・GXのポケモンでありながら、200ダメージを相手のベンチにいるポケモンにも与えられるという新たな環境デッキが登場します。
それにより以下のような4つの環境の変化が起きました。
①【クワガノン】が流行る。
主にレアリティの低いカードで構成されており、安価に構築できるという点もありますが、CL京都2022で使用されていたほとんどのデッキに対して有利に立ち回れるという点が非常に強力です。
苦手な対面である【3神系統】にも自分が先攻で、相手の後攻1ターン目にワザ「オルタージェネシスGX」を使用されなければ、《クワガノン》が立てられないなどの事故がない限り、サイドレース的に勝ちきれるポテンシャルがあります。
②超タイプ、悪タイプのデッキが減る。
【クワガノン】の登場により、CL京都2022ではシェア率が高かった【ミュウVMAX】や【ゲンガーVMAX】及び【ムゲンダイナVMAX】などの小回りが効きづらく、非V・GXを軸としたデッキが苦手なデッキが極端に減少。
③【れんげきウーラオスVMAX】が増える。
「弱点である【ミュウVMAX】が減ること」「【クワガノン】に有利が取れる」という2点から【れんげきウーラオスVMAX】の使用者が増加。
④【こくばマホイップ】が増える。
「弱点である【ゲンガーVMAX】及び【ムゲンダイナVMAX】が減ること」「【れんげきウーラオスVMAX】の増加」、「《クワガノン》の特殊エネルギー(《デンヂムシ》の特性「バッテリー」)を封じることができる《こくばバドレックスV》のワザ「シャドーミスト」」により、使用者が増加。
上記4点の環境変化により、自分なりに考えたTier評価が以下の通りです。
■何故このデッキを選んだのか
戦い方が異なる種類のTier1デッキ4つと複数回当たることを考えた際に、そのどれにも不利を取らないデッキでなければならないというのは最低条件だと考えています。
それを踏まえて、Tier1デッキと戦う場合を想定して、有利に戦うことができる可能性を持つ環境デッキをその理由も上げつつ、それぞれピックアップしてみることにしました。
対【3神系統】に有利なデッキ
●【リーフィアVMAX】
・にげるエネルギーが比較的多いため、《リーフィアVMAX》のワザ「くさむすび」で《ガラル鉱山》込みでほとんどポケモンを一撃できぜつさせられる。
●【ゲンガーVMAX】
・【3神系統】はベンチに複数枚のポケモンV・GXをベンチに展開するため、《ゲンガーVMAX》のワザ「パニックフィアー」でほとんどポケモンを一撃できぜつさせられる。
対【はくばスイクン】に有利なデッキ
●【ルカメタザシアン】
・鋼タイプのポケモンのみで構成されているため、《はくばバドレックスVMAX》の弱点をつくことができる。
・《ザマゼンタV》の特性「ふくつのたて」により相手のポケモンVMAXからワザのダメージを受けない点も非常に強力。
●【クワガノン】
・相手の《タフネスマント》がついている《スイクンV》を一撃できぜつさせられる。
・非V・GXのポケモンでデッキが構成されているため、サイドレース的にも有利に進められる。
・最近は《フリージオ》が採用されているため、ワザ「カチカチロック」によるグッズロックには注意が必要。
対【ミュウVMAX】に有利なデッキ
●【ゲンガーVMAX】
・こちらも【3神系統】と同様にベンチに複数枚のポケモンV・GXを展開するため、《ゲンガーVMAX》のワザ「パニックフィアー」でほとんどのポケモンを一撃できぜつさせられる。
・悪タイプであるため、《ミュウVMAX》の弱点をつくことができる。
・サブアタッカーとして《ジュラルドンVMAX》も採用できるため、特殊エネルギーを軸とした【ミュウVMAX】や最近流行りの【クワガノン】に対して有利に立ち回れる。
●【ムゲンダイナブラッキー】
・悪タイプであるため、《ミュウVMAX》の弱点をつくことができる。
・《クロバットV》の特性「ナイトアセット」を複数回使用できるため、事故が少なくデッキとしての安定度が高い。
・《ガラルマタドガス》を採用すれば、特性「かがくへんかガス」により、特性を軸として動くデッキのテンポを落とすことができる。
対【こくばバドレックス】
●【ゲンガーVMAX】
・こちらも【3神系統】と同様にベンチに複数枚のポケモンV・GXを展開するため、《ゲンガーVMAX》のワザ「パニックフィアー」でほとんどのポケモンを一撃できぜつさせられる。
・悪タイプであるため、《こくばバドレックスVMAX》の弱点をつくことができる。
●【ムゲンダイナブラッキー】
・悪タイプであるため、《こくばバドレックスVMAX》の弱点をつくことができる。
・《クロバットV》の特性「ナイトアセット」を複数回使用できるため、事故が少なくデッキとしての安定度が高い。
・《ガラルマタドガス》を採用すれば、特性「かがくへんかガス」により、特性を軸として動くデッキのテンポを落とすことができる。
この情報だけ見てしまうと【ゲンガーVMAX】が一番理想的なデッキに思えます。
ですが、【ゲンガーVMAX】はTier1デッキ以外には不利がつく可能性が高く、大会においてTier1デッキ4種のシェア率が全体の50%を占めていたと仮定した場合、他の50%には負け越してしまう計算です。
そうなると運悪く環境外のデッキに当たった場合、全9回戦を勝ち抜くことは困難であると考え、このデッキは一旦保留にしました。
【ゲンガーVMAX】に有利であると思われるデッキ
●【クワガノン】
・非V・GXのポケモンでデッキが構成されているため、安定したゲーム展開が可能であり、サイドレースで有利が取れる。
・非V・GXのポケモンでデッキが構成されているため、《ゲンガーVMAX》のワザ「パニックフィアー」がほぼ効かない。
●【れんげきテンタクル】
・【クワガノン】同様、非V・GXのポケモンでデッキが構成されており、《カラマネロ》のワザ「れんげきテンタクル」は青天井の火力が出る。
・非V・GXのポケモンでデッキが構成されているため、安定したゲーム展開が可能であり、サイドレースで有利が取れる。
●【リーフィアVMAX】
・《ゲンガーVMAX》のにげるエネルギーが3つもあるため、《ガラル鉱山》+《インテレオン》の特性「クイックシューター」で一撃できぜつさせられる。
●【れんげきウーラオスVMAX】
・闘タイプであるため、《ゲンガーVMAX》の弱点をつくことができる。
・ちなみに【クワガノン】の流行により使用者が増えつつある。
●【ルカメタザシアン】
・《ジュラルドンVMAX》を採用されていない場合、《ザマゼンタV》の特性「ふくつのたて」で押し切ることができる。
上記を踏まえて考えた際に《リーフィアVMAX》を軸としたデッキなら、Tier1に有利もしくは五分、そのほかにも五分以上で戦えるのではないかと思い、デッキ作成に取り掛かりました。
■環境デッキレシピ一覧
上記の考察を踏まえて、想定される一部環境デッキのデッキレシピはこのような感じだと思います。
【3神系統】
デッキコード:【8xcc48-CzJ9Gm-Dxx4Kx】
【はくばスイクン】
デッキコード:【HL6nHg-0kBnZ4-gH6gLL】
【ミュウVMAX】
デッキコード:【VkFb5V-ZZ2olQ-1VFwFV】
【こくばマホイップ】
デッキコード:【LLLnnH-TmSKeI-LLgnnQ】
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