#16 自分のことを、ちょっとだけおもしろがってみる
私は他人に影響されやすい。
自分もこんな顔で生まれてこれたらなぁ
自分もこんな性格だったらなぁ
自分もこんなに運動神経よかったらなぁ
自分ももっと頭がよかったらなぁ
色んな人に憧れ、妬んできたが
その人になろうとするのは諦めた。
というか、辞めた。
今ある自分のカードで生きていくしかないということに気づいたのだ。
長所と短所も全部、個性にしてやろう。
そして自分という人間を、とことん面白がってやろう。
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大学4年生の夏
どういうわけか分からないが
大学の同級生3人に鳥貴族で説教されたことがある。
3人のうちの1人は私と同じ野球部だった。
「ハジメ、お前は自分のこと普通やと思ってるんやろうけど、傍から見たらめっちゃ変わり者やで。
もっと人の話をちゃんと聞け。
この前の追いコンの時も急にキレてたやん。
普段はそんなことで怒ったりせえへんのに。」
追いコン……?なんかあったっけ?
……あっ!
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大学3年生の冬に遡る。
野球部の先輩が私に女の子を紹介してくれた。
その先輩は私の話となると
「俺がもし女やったらハジメと付き合っても全然えええけどな!」ととても良くしてくれる先輩だった。
(この先輩もまたかなりクセ強めなので近々記事に書くかもしれません。)
私、女の子、先輩、先輩と当時付き合っていた彼女さんと4人で飲みに行った。
その後また2人で時間を合わせてどこかに行きたいと思っていた。
しかし私は2月から病院実習が控えており、女の子も帰省するから今月は会えないですね。とLINEがきた。
タイミングの善し悪しもあるが、本当に気になっているなら帰省したあとにでも連絡をしてくるはず。しかし実習が終わったあとも彼女から連絡が来ることはなく、そのまま途絶えてしまった。
私の頭の中の本田圭佑がそっと囁いてくる。
「なんでその子と疎遠になってしまったのか
明日までに考えといてください。」
私は思わず「うるせぇ!しゃらくせえ!」と1人で言ってしまっていた。
脈ナシが大方決まったという現実を突きつけられたことで精神的に参っていたのかもしれない。
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気づけば3月の半ばになっていた。
野球部の先輩の追いコンの時期だ。
先輩たちは「とうとう俺らも追い出される立場になったんやな〜。」といいながらとても盛り上がっていた。
紹介してくれた先輩が私のいるテーブルに歩いてきた。お酒も入っててまあまあ仕上がっている。
「そういえばハジメ!あの子とは最近どうや?上手くいってるか?」
私「いや〜全然ですね〜。」
その話を横で聞いていた同期の何人かが
「え、ハジメ女の子とLINEしてるん!
どんな子?
いい感じなん?
写真は?」と質問攻めしてきた。
あ〜また始まった〜
同期は私の事をよく童貞いじりしてきた。
私が何かを言う度に
「だから彼女でけへんのやで。」というパワーワードを印籠のように振りかざしてくる輩がいた。
すなわちその同期は私の恋愛を応援したいのではなく、「おっ、恋愛未経験のハジメが女の子と連絡を取っているのか。いじってやる〜」と俯瞰で見てきているのだと思っていた。
私はお酒が苦手なのだ。アルコールに弱いのもあるが、シンプルに味が苦手。チューハイならまだしも
テキーラやビールなどをグビグビ飲んでる人が理解できない。
「とりあえず生で。」と言いながら全員に生ビールを強要する人はもっと理解できない。
そしてその時の私はまさにそんな状態
その場のノリで生ビールを飲まされ
テキーラのショットを2杯くらい飲まされ
まずいもの飲んでまで酔っ払いたくねえよ〜
でもそんなこと言ったら先輩に申し訳ねえよ〜
という気持ちと
また恋愛のことでいじられたくねえよ〜
という気持ちがどんどん膨れ上がっていき……
同期からの
「ハジメ女の子とLINEしてんの!?
どんな子!?写真は!?
また無理やったん?」
という質問に対して
私は爆発してしまった。
「お前らなんかに、彼女できたことない俺の気持ちなんか理解できるかぁぁ!!!
相談したところで意味ないわぁぁ!!」
と、おいでやす小田さんと張り合えるくらいの声量でブチ切れてしまった。
その瞬間、賑わっていた雰囲気がシーンとなった。
ちなみにこの追いコンの幹事は私だった。
私は幹事失格だ。
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大4の夏の話に戻る
そういえばそんなこと言ってしまったかも!と急に恥ずかしくなった。
説教されるまでほとんどその出来事を忘れていた。
ちなみにその時の私の口癖は
「でも」「だって」「だから」
「最近いいことないな」
「なんかいいことないかな」だ。
ダメ人間の典型的な例だ。
みんなはこんな人間になっちゃダメだぞ☆
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私もある程度大人になり
もうすぐアラサーに片足を突っ込む年齢にさしかかっている。
これからは自分の足りないところを嘆くのではなく
自分のいい所もダメな所もちょっとだけ面白がってやろうと思っている。
自分はこういう時に嬉しくなるのか とか
自分はこういう時にストレスを感じるのか とか
それが後に自分と向き合うことに繋がるのであれば
自分の人生に責任をもって生きることが出来ると思っている。
私が尊敬している女優の石田ゆり子さんがご自身の本に
「責任ないところに自由はない。」と書かれていて
そんなこと考えたこと無かったな〜と感心した。
やっぱりそうだよな
どんな人生歩もうがその人の自由だけど
どんな人生歩もうが責任持たなきゃいけないよな〜
でも責任責任って意識しすぎると疲れちゃうから
自分を追い込みすぎず、逆におもしろがったほうが楽しかったりするよな〜
なんてことを最近考えるようになりました。
人生これからの方が長いので
自分を責めず、甘やかしすぎず、おもしろがる。
をモットーにしていきたいと思います。
シャッフルで音楽を聞きながらこの記事を書いていたら
SUPER BEAVERの「運命」という曲が流れてきた。
この曲の2番の歌詞がとても好きだ。