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NY Bar 英語苦手で上位1%合格者のノウハウメモ(2024年7月)

2024年7月のNY Barに344点(/400点満点、推計上位1%)で合格した受験生の、勉強方法に関する超具体的なノウハウです。勉強スケジュールや購入すべき教材のほか、各予備校の記事などの情報(リンク)も集約しており、本記事を読めば軽く10時間くらいは節約できると思います。本記事を読むだけで勉強のプランニングを完了できる方も多いと思います。

★本稿に含まれるもの

  • MBE, MEE, MPTそれぞれに関する基礎知識

  • 日本人が確実に合格するための戦略

  • それぞれの試験対策内容と、使用教材・購入すべきプラン・費用

  • 勉強プラン、スケジュール(MBEはいつ頃までに何問解いたか、MEEを解いた実際の日付、など超細かいところまで)

主に以下の読者を想定しています。

  • NY Barに絶対に落ちたくない方

  • どの教材を買うか迷っている方
    ※本記事を読めばベストなプランを選べると思います。それだけでも本記事の金額1,000円(7ドル程度)は一瞬で回収できると思います!

  • 英語にあまり自信がない方

  • 過去の受験者の具体的な勉強計画、勉強記録、勉強量を見てみたい方

  • プランニングや情報収集に時間をかけたくない方

  • 直前期に焦って勉強するのが嫌な方

筆者は、TOEFL対策を頑張ってやっと100点超えるくらいのザ・日本人で、留学中も流ちょうな人たちの会話についていけず何度も愛想笑いでごまかしていました。ただ資格試験は得意で、大学在学中に予備試験に合格し(短答2桁、論文1桁、口述2桁)、司法試験は短答、論文、総合すべて1桁順位で合格しています。また、MPRE(米国法曹倫理試験)は上位5%以内で合格し、LL.M.でも成績優秀者(Dean's List)に選ばれています。
同じようなプランで一緒に勉強したLL.M.の勉強会仲間10名程度も全員合格していますので、合格という意味では再現性が高い勉強方法かなと思っています。(ただし、相応の勉強量が求められます。)


1.NY Bar基礎知識

NY Barの構成は、ざっくり以下のとおりです。

NY Barの構成

試験は7月最終週の火・水(2日間)にわたって行われ、
・初日が論文式試験(MEE3時間、MPT3時間)
・2日目が短答式試験(MBE3時間×2)です。
MBE(短答)は計200問(1問あたり1分48秒で解く計算)、MEE(論文)は大問6問(1問あたり30分で解く計算)、MPT(論文)は大問2問です。
NY州では、計400点満点のうち、266点(約3分の2)を取れば合格です。2024年7月の試験の統計情報は、The New York State Board of Law Examinersのプレスリリースに掲載されており、LL.M.生を意味すると思われるForeign-Educatedの受験生の合格率は45%となっています。合格率は高く見えますが、受験生の多くが、ネイティブみたいに英語が上手な人たちや、日本の大手法律事務所・一流企業からの留学生ですので、油断すると普通に落ちます。
次の項目から、具体的な合格戦略や、具体的な勉強スケジュール、使用教材(購入すべきプラン)などを紹介していきます。

2.日本人のための合格戦略

帰国子女や海外での勤務経験が長い方を除き、NY Barにおいて「英語」はどうしても不利に働いてしまいます。このような人が確実に合格するための戦略のポイントは、以下の2つと考えています。

  1. 基本7科目に多くの時間を割く

  2. MBE(短答式試験)で高得点を取って逃げ切る

この戦略のもと、以下のような点数構成で合格することを目指します。
MBE:144点(67%程度の正解率)以上(参考:JD Advisingの記事「MBE Conversion Chart Raw to Scaled Score Coversion Chart」
MEE+MPT:125点以上

(1)基本7科目に多くの時間を割く
「基本7科目」とは、MBE(短答)科目に該当する、Civil Procedures、Constitutional Law、Contracts、Criminal Law & Procedures、Evidence、Real Property、Tortsを指します。
MEE(論文)の勉強を始めると、MEE科目の量の多さ(14科目)や覚えるべき論述の量に焦らされます。ただ、MEEで出題される科目は、基本7科目とMEE専用7科目からそれぞれおおむね半々です。(参考:JD Advisingの記事「Which subjects are tested on the Uniform Bar Exam?」)そのため、これを基に上記の図を分解してみると、以下のように考えることができます。

基本7科目の重要性を示す図

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