はいよりとうはとVR note版(Ver.11-A)

(初出:2021年1月10日(Ver.11-A))
(※Pixiv BOOTHに過去に投稿したものを加筆・修正してこちらにもアップロードした)

はいよりとうはとVR

VRは...もともとVRがどうこうというよりも、もっと漠然と「3DCGコンテンツ」に興味があって。


きっかけや時系列的なものは記憶がおぼろげな部分がありますが、時期的には小学校5~6年から中学3年ぐらいまでのあいだだったでしょうか?


「TRON」という、確か「世界ではじめて前編フル3DのCGで製作された映画」という触れ込みのディズニーが配給していた映画や、当時日本の地上波民法テレビでやっていた海外の特撮ヒーローものの...ドラマ?と言っていいんでしょうか?「キャプテン・パワー」という、実写とCGの合成で、正義のヒーロー側は実際の人間が演じていて、悪の組織の司令官や組織が繰り出してくる兵器やロボットだけがメタリックな金属質のCGキャラクターが合成されていて、ヒーロー(実写)がその司令官(3DCG)を殴るときれいにバッチリなタイミングでCGキャラがぶっとんでいってビルの壁とかにぶちあったって、ちゃんと「ゴゥン」とか金属質な効果音がやっぱりばっちりのタイミングで鳴ったりとかしていてものすごく子供心に衝撃や興奮を覚えていたことだけは今でもはっきりと、鮮烈に記憶に残っていて。


あとは...「メガデモ/PCデモ」っていう...本当はもともとはプログラミング技術を競うムーブメント、カルチャーみたいなもので、大昔のフロッピーディスク1枚に記憶できるデータの容量"約1メガバイト"という制約の中にどれだけの作品、どれだけの絵や音、映像エフェクトといった要素のデモンストレーションをつめこめるか?みたいなもの、それらを展示・上映して優秀作を決めていく大会があって。


これに関しては自分よりももっと詳しい方がいるかと思いますが、単にプログラミングのスキルの部分だけではなくて、映像作品としてのクオリティやBGMの部分の楽曲のセンスの部分なども同時に求められたりと、年々ハードルが上がっていっているような側面もあって。(少なくとも個人的にはそういうふうに見えていて)



本来の「メガデモ/PCデモ」というものの真義・意義みたいなものとかちょっとばかり観点がズレてしまっているかもわかりませんが、個人的にはとくに、その「映像、ビジュアル面のクオリティの高さ。CG作品としての美麗さ」という部分になんというか心うばわれたといいますか衝撃を受けたといいますか。
なにかそれまでの自分の中の感覚や感性、価値観が、いやそれどころかいままでとちがう部分の脳の回路に火が入ってちょっと回路構成が変わったんじゃないか?ぐらいのものを感じまして。


で、とりあえず親とかはもう
「パソコン=ゲーム機の延長=おもちゃ=あんな高価なおもちゃは買ってあげられません(ねだったのは5万円ぐらいのキーボード一体型のMSX)」
というレベルのお察しリテラシーだったのでもちろん当然パソコンなど買ってもらえるはずもなく、当時中学の同級生がMSX2+を買ったっていうんで古いMSX初代がどうでもいいみたいなかんじで放置してあって部屋にころがってたのでそれをちょこっと借りてMSX BASICとかから手を出してみたりもしたんですが、
「あ。これダメだ。こういう数学的?というかロジカルなものは全く自分に向いてない。なにより何の面白味も感じることができない」
と速攻挫折しまして。


...と、まあそのへんのネガティブなハナシはさておき、そういったCG関連の映画・TV番組やなにかギークカルチャー?コンピューターカルチャー?に興味をひかれてきていたという前段階的流れがあった中での第一次VRブームの到来。年代で言えば(自分が実際にその"波"を被験したのは)1992年か93年頃だったかと。



地元のゲームセンターにもバカでかい宇宙船の操縦席のようなきょう体からぶっといケーブルがのびていてヘッドマウントディスプレイがつながったブツが導入されて、きょう体と近いデザイン/カラーリングのスペーシーでサイバーなイメージのブルーとシルバーを基調としたコスチュームを着たお姉さんが案内や呼び込み、MCをやっていてなにやら大々的に宣伝していましたね...


プレイするとすごく悪目立ちしてしまうのと、あと1プレイの料金が500円とゲーセンのゲームとしては高額だったこと、それに「一体あれは何でなにがどうすごいのかあんまりよく意味がわからいので近づきがたい」というのもあいまってかあまり人は寄り付いていませんでしたが、目新しいモノ・先端技術・未知の刺激というものに自分の中の既成概念がぶっこわされて刷新されいくことでのある種の快感、快楽めいたものを感じていたような傾向は当時からうっすらとあったので、一緒にゲーセンに行っていた数人の友人が小遣いで駄菓子やジュースを手にしながら遊んでいるなか小遣いの全額をその導入されたばかりの「VRゲーム」なるまったくワケのわからないモノに突っ込んでひとりで複数回やってなけなしの小遣いを使い切ってしまってました。


本当に初期のVRなので映像は荒く...全体的にローポリのがったがたなキャラクターや背景でゴーグルを動かしてからの中の画面の動きの遅延もひどいものでしたが、それでも今思えば視野角の広さはあったおかげも手伝ってかその、そもそものVRというもの自体の「没入感」の強さとでも言うんでしょうか?単に「立体感」「臨場感」という言葉では次元の軸が1本足りなくて言い表せないあの感覚というのはもうとにかく感動と興奮で
「なに!?これ。」
「すっげぇ!!」
と、まあ今のスマホやPCベースやスタンドアローンのVR機器をすでに体感済みの諸氏から見ればしょうもない、ゴミみたいなスペックや解像度のシロモノなのかもしれませんけれども、まったく新しい未知のブツや体験であったことは違いなく、私、はいよりとうはにとってのVRというものとの出会いではありました。



当時は本当に単なる一過性のブームですぐにその「ブーム」も収束し、VRというもの自体がなにか立ち消えて、忘れ去られてしまっていたような印象がありますが、今回のいわば「第2次VRブーム」は当然、もちろん1990年代とは状況・環境も違いますし、今後どうなっていくか、どこかで一抹の不安めいたものも内包しつつも、あまり最前線で目立つのは得意ではなく、どちらかといえば裏方的な、もし仮に自分のような人間でもなにかの、誰かの役に立てるようなことがあるんだとして「縁の下の力持ち」的なポジションがいちばんなにか精神的にラクなので、このシーン・ムーブメントのはじっこであくまでどちらかといえば(開発者・エンジニア的な立ち位置ではなく)一般消費者、ユーザーとしてこそこそと見守り、享受していきたいです(笑)


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