幼稚園生の時の怪我
私は結構早い時期から自転車に乗れた。
母親はキッチンドランカー。
夕方になると意味のわからない料理が出来上がることもしばしば。
もう真っ暗な夜道の中、自転車でお使いに行かされたこともしばしば。
違うものを買ってくるとこれじゃないからもう一回行け!と怒鳴られたこともあった。
そんなある日、その日も同じように日も暮れた寒い冬の日、ピーマンを買ってこいと頼まれたので自転車で買いに行かされた。
その帰りに、目の前に知ってるおばあちゃんが歩いてたので、速度をつけて追い越して挨拶しよう!
そう思い加速をした。
その時、雨上がりの濡れた道で盛大に滑り、映像が乱れたとともに顔面に熱い痛みが走った。
おばあちゃんは振り返りビックリして
「大丈夫!?おうちどこ?」
あ、この人知らない人だ…と大泣きしながら思った。
家を説明して付き添ってもらうと、灯油販売のおじさんが玄関に居た。
おばあちゃんが説明してくれて、その場を立ち去り、灯油のおじさんはビックリし、説明を受けた母親の一言
「なにやってんの!?ほんっとバカじゃないの!??あーーーーめんどくさい。」
これは灯油のおじさんも聞いていた。
おじさんはただただ沈黙してその場を去るだけだった。
あの私を見下した母親の顔は一生忘れない。
怪我して大泣きしてる娘が目の前に居たらまずは「大丈夫?」なんじゃないだろうか…。
しかも5歳ほどの子供である。
顔にも傷ができ、心にも傷ができた。
そんな夜だった。