人の死は不思議。
人が死ぬ時、虫の知らせなんて言葉があるけど、あながち嘘じゃ無いのかもと思う事が私にもあった。
父親が亡くなったのは今から11年前の8月。63歳だった。
ヘビースモーカーの父親の当たり前の様な死に方。肺がん。
その日は、前日から危ういと言われていたので母親は既に病院へ。
深夜。私は夜勤だったバイトを休み、家で連絡が来るのを待機していた。
兄もその頃近所に住んでいたので、兄のタクシーに途中で乗っかって二人で病院へ行く段取りを組んでいた。
深夜、確か2時前か3時前か…。申し訳ないが時間までは覚えてないが、兄から連絡が入った。
病院からの連絡でそろそろだと言う。
私は一通り用意はしていたが改めて持ち物などを確認し、再度準備をして兄を待つことにしたのかだが…。
「ん…ん????なんだなんだ?」
鏡を見て洋服を着替えていた時、急に鏡を見るのが怖くなり、部屋の空気が急に変化したのを感じた。
考え過ぎかもしれないけれど、その時は本当に今まで感じたことの無い恐怖で玄関の戸を開けて縁側の窓も何故か開けたくらい怖かった。
古い木造一軒家の私以外誰も居ない深夜にそんな状態になった時を想像して欲しい。逆に窓なんか開けないはず。。でも開けちゃうくらい怖かった。
そして、奥の六畳間には絶対行ってはいけない気がして兎に角玄関で兄のタクシーが来るのを待った。なんでかはわからないけど…。
テレビをつけても通販番組しかやらない時間帯。
何時か覚えてないが、時計の分針は50分あたりを指していた。
しかし、兄はタクシーで10分もしないとこに住んでるくせになかなか来ない。
ただただ恐怖が募る。
本当に一人でいたくないのに。
連絡から約40分後、やっと兄が到着。
「う◯こしてた…」
散々怖い思いをして待ってたのに
う◯こ…。。
のちのノートに書いて行くがこの兄、本当にどうしようもない兄なのだ。
この日もどうしようもなかった。
怒りながら病院に到着。
既に息を引き取っていた父親の亡骸が。
はぁあああああ…とため息をつき、頑張ったね。まだこの辺いるかな?とか話していて、ふと息を引き取った時間帯を聞いてみた。
するとなんと、私が家で怖がり出した時間だったのだった。
「もしかして挨拶に来たのかな…。」
なんだかそう思った瞬間、怖さしか無かった気持ちから、嬉しさと悲しさで涙が溢れた。