エイズ検査に行った時の話(陰性です)後編(2021年改訂)
こんばんは。
すごい長い間空けてしまいました。
読んで下さってる方が居たらごめんなさい。
それでは続きです。
「エイズ検査に行った時の話(陰性)前編はこちら
エイズ検査をしに行くまで…
前回の話から数日経ち、満喫男子との会話でこんな会話が出てきました。
「なんかさ、知人の女性に◯◯さん(私の名前)の事を色々話してたんだけど、エイズ検査の事も話したら
「超失礼じゃない!?その人!!」
って言われちゃった…。俺的には変な話じゃないと思って話したんだけど…」
と。
ていうか何故人に言うお前よ…
と思いましたが、私も間違ってるとは思えなかったのでさほど気にはしませんでした。
しかし同時にそのセリフを聞いて、心にピリリと痛みも走りました。
私の軽率な行為でこんな検査を受けなくてはいけない彼に確かに申し訳ない、
こうやって一緒に検査してくれる事に感謝しなくてはと。
前回もお話ししましたが、私はそれはそれは遊んでいました。
心の隙間を埋めるため
自分が女だという事を認識するため
誰かが求めてくれるから
自分が求めてるから
心を愛されなくても、体を愛してくれるSEXさえしていればその間は過去の事や嫌いな自分を忘れられるから。
目の前には私の体に夢中な人間が居るから。
そんないろんな変な理由を付けて、コンドームは付けず性に溺れた代償を受けなくてはいけない状況になるまで逃げていました。
1人の人間も犠牲にして。
そして色々お互いに調べているうちに新宿で無償でエイズ検査をしてくれる施設があるのを発見。
そこの施設は無償で検査をする代わりに、一週間検査結果を待たなくてはいけないというものでした。
しかし「一週間」という期間はHIV感染してるかどうかの結果が知れるのであれば充分すぎる対価です。
2人で予約を入れ、時間に待ち合わせをし、電車に乗って新宿へ。
実はその日まではあまり気にはしてなかったのですが、当日になりものすごく不安になり電車内で弱気発言を連発。
でも彼は
「根拠はないですが、お互い大丈夫だと思っています。」
とニコニコしながら言いました。
彼のポジティブに助けられながらとうとう検査施設へ。
新宿二丁目からも割と近く、住所は恐らく場所的に代々木あたりの様な気がします。
見た目は病院や検査なんて形容には程遠く、大きめのビルの中にそこは設けられていました。
私たちは手続きを終え、待合室に置いてあるテレビから流れる、エイズ感染者の事例のビデオに目をやります。
ACのCMのごとく、性行為から感染後までの絶望が淡々と描かれた内容でした。
2人で黙ってそれを眺め、ビデオはまた最初から流れ始めます。
時間は10分か5分か、もっと長かったかもしれないです。
程なくして彼が先に呼ばれ、そして数分後に戻ってきました。
あっけらかんと止血をしてる彼を横目に私も呼ばれ採血室へ。
何本だっただろうか。
何ccだっただろうか。
正直覚えていないけど…
よく病院に通っていたので採血をされる事に慣れていたし血を見るのが好きなこの私ですが、この日の試験管に勢いよく入る自分の血は何処か悍ましく、ドス黒い汚いものに見えた気がしました。
本当にいつもより黒く濁った赤色でした。
この日はとりあえず2人の住んでいる同じ街まで帰り2人の時間を過ごしました。
この日も体の関係は無くお互いの事を話し、お互いの事を知り、自分の家に帰ります。
処刑台か天国か
その後一週間はお互い何をしていたか今となっては全く覚えていないです。
きっとお互いの仕事をしていたのだと思います。
検査結果当日、また待ち合わせをして2人で検査をした施設へ。
この日は運命の分かれ道。
エイズでありませんように。
エイズだったら親になんて説明しよう。
エイズなわけない。
エイズだったら普通の生活はできるのかな。
2人の自分が頭の中で叫びあってる様でした。
しかも同時に。
エイズだったら、エイズじゃない。
ただただこのフレーズが頭の中をループ。
電車の中の記憶ももはや記憶からは無くなっています。
施設に到着してソワソワ、モヤモヤ、イライラ…。
その私の様子を彼は察していたし、彼も少しドキドキしている様でした。
どれくらいの時間だったかわからないですが、また待合室で2人で待ちます。
今度は私が先に呼ばれました。
この前とは違うドア。
処刑台?
地獄への扉?
天国への扉?
丸罰クイズの壁?
とにかく、向こうにある物が未知の部屋で、そこから出てくる頃には人生が変わってるかもしれない。そう思いながらその見た目も重々しいドアに手をかけました。
そしてそれは自分の心を開く様でもありました。
検査結果
ドアを開くと、書斎の様な部屋で1人の白衣を着た白髪混じりの男性が机に向かっていました。
その机の上は書類が山積みにされており、その書類に一枚一枚ハンコを押し、流し見しています。
私はその机の向かいにあるパイプ椅子に案内されました。
「はい、こんにちは。
◯◯さんですね?
えーーと検査結果ですが…」
と机の上の書類をペラリとめくり沈黙しました。
…
…
え?
…
…
…
長くない????
…
側から見たらそんな長い時間じゃなかったかもしれないです。
しかし人生の分かれ道を宣告される身としては身が削られるほどとても長く感じました。
そしてとうとう口を開き
「うん、陰性ですね。」
思わず私は
「はぁ〜〜〜(ため息)良かった…」
と言っていました。
すると、その白衣を着た男性は
「心当たりがあったんですか?」
と聞いてきます。
「はい」と答えました。
続けて「タトゥーも入ってる様だけど、んー、肝炎も問題なさそうですね。いつ入れたんですか?」と、また何か書類の様な紙に目をやりながら話しました。
タトゥーを入れた年齢を話し、だいぶ年月が経ってる事を知った白衣の男性は安心した様で、次に日本にいるエイズ患者とHIV感染者の違いと数字を話してきました。
正直うろ覚えですが、同性愛者の男性がやはり多いという話だったと記憶しています。
その一連の話を聞いたあと、
「自分の身は自分でしか守れません。本当に感染を免れたいならばきちんとコンドームをつけて性行為をしてくださいね。それでは。」
と言われ、宣告は終わりました。
私は「ありがとうございました」と伝えてドアを開けて出ると、不安そうな顔をした彼がこっちを見ていました。
彼の顔を見た安心感と、自分が陰性だったという安堵感から気持ちが落ち着き、少し元気になった私は「陰性だったよ。ていうか、中の雰囲気こわいよw」と伝えると、彼も動揺と困惑をしながらドアを開けて中へ。
そして数分後、彼も戻ってきてから開口一番、こんな事を言いました。
「あれは敢えてああいうパフォーマンスなのかな?なんか沈黙長すぎません?wwww
わざと怖がらせて二度と来ないようにさせてるのかな…」と。
私も「やっぱ沈黙だった?wいや、私も同じこと考えてたwwワザとなのかなってw
で、どっちだったの?」と聞くと
「もちろん陰性ですよ!」
との答えでした。
晴れて私たちは感染していない事が分かりました。
晴れて陰性。では終わらない。
私は検査を終え結果を知って、この体験はずっと忘れないし、軽視してはいけないとこの時改めて感じました。
例え、陽性と宣告されて
「わー自業自得だわー」
という様な態度で済む話じゃないからです。
風俗で働いている方々は定期的に検査に行くなど、お店側からも促されて行っているようです。
だからと言って、甘んじるのも違うと思います。
ちゃんと的確な診察、薬を処方してもらい感染していても発症を制御している方も大勢いらっしゃいます。
が、中には命を落とされている方も少なくないのです。
けれど制御出来るとはいえ、健康だった頃には戻れません。
確かに結果を知るまではかなり怖いです。
心当たりがある人なら特に。
ただ前編で話した様に、心当たりがない人でも感染者はいます。
それと、キスをしただけでも感染者の血液が自分の血液と混じると感染する場合もあるようです。
もうそうなれば性行為だけの問題ではありません。そして、感染したまま検査をしないでいるとどうなるか。
まさにACのCMの連鎖になります。
実際に気づかないで移してる事例は先にも記載した通りあり得る話です。
HIVに感染するとどの様な症状になるかご存知でしょうか。
風邪のような症状から始まるようですが、そんな症状、みなさん一度や二度以上体験しているはずです。
要は、検査しなくては分からないという事なのです。
まず気持ちいいより先に、コンドーム。
コンドームを付けないSEXが「愛」ではありませんよ。コンドームを付けてるから「愛」されてると思ってください!!
なんかその辺誤解してる人多いと思います!!
そんな私はデキ婚です!!
矛盾してます!(ごめんなさい!)
でも、本当に検査は大事だと思っています。
最初は怖いかもしれません。私みたいに一緒に行ってくれる人が居ない方も多いと思います。
けれどもし、お母さんになりたいのであれば、感染していれば子供に二次感染するおそれもあります。
不安な方、一度もしていない方は、是非オススメします。
おしまい。
追記
結局満喫男子とはその後、SEXもしないまま終わりを迎えました。今何してるのかねぇ。
#エイズ #HIV #ビビリなら余計みてもらえ #コンドームなしが愛じゃない