梅の代わりに滝を眺める(黒山三滝)
埼玉県越生市に梅が有名なところがあって、しかも梅まつりをやっていると知って、これは楽しそうだとでかけたのだけれども、もちろんそう思うのは私だけではなく、駐車場は一杯だった。しかも道路から眺めたところ、梅は満開と言うには少し物足りない。
これはまた今度にしよう。ドライブしている最中も、梅の木がところどころにあって、それだけでも梅は楽しめたのだし。
そうなると、せっかくここまで来たのだから他にいいとこないかしら、となって、グーグル先生に訪ねたところ、黒山というのが近くにあるらしい。滝が有名なそうな。
黒山へ車を走らせると、無料の駐車場があって、ちょうど一台だけ空いていた。ラッキー。
車から出ると、しっとりと小雨が降っていた。まだ2月というだけあって、肌寒い。
黒”山”とはいうけれど、道は整って、坂もゆったりしていて、登山道というよりも散歩道という感じ。
川の音、葉が擦れる音。雨を含み、ちょっと冷たく、しっとり柔らかい空気に包まれる。
男滝についた。いつの間にか雨はやんでいて、滝の下方に虹ができている。女滝は一段下がったところにあり、男滝よりこぶりだけど、滝の下に広がる水が優美だ。
最後に、天狗の滝へ。天狗の滝は岩の隙間を流れ落ちる細い滝で、岩は苔むし、草木がわさわと生えて、なんとも風情がある。
帰り、釣り堀のところで焼団子と魚の塩焼きが売っていて、おいしそうだった。炉端から煙が上がって、美味しそうな匂いが漂ってくる。焼団子は串に刺さった団子が大きくて、茶色い焼き目が魅力的だったが、それはまた今度にしよう。
越生の梅林が目的だったのに、その代わりに訪れた黒山はとても気持ちが良かった。越生は、梅や滝の他に、あじさいや躑躅も有名らしい。秋になると、大山の滝もまた装いを新たに楽しませてくれるだろう。季節を変えて、何度も訪れたいと思った。