ハイチュウの奇跡
最近あった配送あるあるです。
この日は私が会社で一番尊敬してる先輩と一緒に配送しました。なぜその先輩を尊敬しているかというと、まずめちゃくちゃ仕事ができる。他の人と比べて1.5倍くらいのスピードで帰ってくるので、新人の頃は大焦りし、苦しめられました。しかし、そのおかげでスキルが上がり、仕事ができる助手になることができました。しかも全然怒らない。車に対しても文句すら言わず、むしろ感謝してる。私の明らかなミスだとしても、「○○くんのせいじゃないよ」と許してくれる。自分を成長させてくれる存在であり、器の大きさにも刺激を受けるそんな素敵な先輩です。よくない彼女と付き合っていること以外は。
そんな先輩は、コンビニとかによると「これあげる」とお菓子や、飲み物をくれます。とても嬉しくて、お返しもするんですが、してもしても足りないくらいにくれます。
ある日、その日は余裕があったので、コンビニで休憩をすることに。実はその先輩はハイチュウがめっちゃ好きで、よくくれるお菓子ランキングにも堂々の1位にランクインしています。どのくらい好きかというと、前に先輩の誕生日にハイチュウを箱買いしてプレゼントした時、一週間持たず食べ切ったらしいです。そのくらいに好きです。
この前もハイチュウもらったので、トイレを済ませた後、たまにはお返ししないと!とハイチュウを二つ買ってトラックに戻りました。
ドアを開け、「これ、この前のお礼です」と買ってきたハイチュウを渡しました。すると、なんとその先輩もハイチュウを2つ持っていました。
「どんだけハイチュウ好きなんだよ」
それぞれ違う味のハイチュウをお互いにあげあうという謎な状況になってしまいました。表紙の写真はその時の写真です。
謎な状況に思わずニヤけてしまいましたが、お互いに相手に何かを与え合う関係って素晴らしいなと、贈与で世界はできているじゃん、と思いました。お礼をカタチにして返す文化は、お互いに幸せになれるので、もっと日常的なモノになればいいのにな、なんて思います。
海外でのそれは「チップ」ですが、日本ではもういっそ「ハイチュウ」というのはどうでしょう。サイズもちょうどいいし、美味しい。すぐには腐らないし、要らなかったなまた誰かにあげればいい。想像以上にいい感じで自分でも笑ってしまいました。が私はこれから、こっそりとハイチュウが通貨の経済圏を作っていこうかなと思います。
さて。10分ほど休憩し、配送をまた再開したのですが、よく見るとその頃には先輩のところにあった2本のハイチュウは、すべて食い尽くされていました。
ハイチュウの奇跡。
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