好きと似合うは違う
着る服がない。
夜のうちにコーディネートしてたのに、いざメイクして着てみるとなんだか垢抜けない。
というか全く似合ってない。
どうして?
数年前までキメ服といえばコレだったのに。
まじまじ鏡を見て、すぐ気づく。
洋服に罪はない。
自分の体型が変わっていたのだ。
着ようと思っていた服は7年前に買ったニットのワンピース。
シンプルな形だし、そこそこの値段だったので断捨離せずに取っておいたものだ。
キツいことはない。
だがどう見ても似合っていない。
鏡に映る私は、「目を覆いたくなる」という言葉がピッタリだった。
体重はさして変わらぬものの、カラダのラインが明らかに若い頃と違う。
重力に負けて下がった胸とおしり、まあるくなった二の腕、首から肩にかけた緩やかなラインは、どう見てもおばさん体型。
流行りのオーバーサイズの服ばかり着ていたからか、いや、腰痛を理由にスポーツクラブをやめたのが原因か。
ここまでおばさん化が進行しているとは…。
鏡の前でしばらく愕然としてしまった。
ああ、大好きだった服が似合わないって、こんなにさみしいことなんだと肩を落とした。
若い頃は「好き」を主軸に服を選んでいた。
「好き」で選んでも、デザインと体型が合致していたので、イメージした通りの自分が鏡に映った。
しかし五十路を過ぎると、そうはいかない。
好きなデザインと体型が合致しないことがほとんどだからだ。
(画像引用:大人女子のための美ボディガイド)
http://www.bibody-guide.com/body_change/
40代、50代の更年期世代のオトメは、女性ホルモンの低下により脂肪がつきやすく、基礎代謝も下がるので太りやすく、痩せにくい。
それ故に体型が崩れやすい。
人によっては、脱皮して違う生き物になったかのよう、別人みたいになることもある。
こうしたことを考えると、若い頃に買ったカラダのラインが出る服なんて、似合うわけがない。
その現実をきちんと受け止め、「似合う」服を選んだほうがいいということを、イヤというほど実感した。
その後、私がとった行動は……、クローゼットの整理整頓。
「いつか着る」と思って取ってあった数枚の服は結局、一度も袖を通すことなく年下のいとこ行きに。
未練がないと言えばうそになる。
だがあの鏡に映った醜い自分の姿を思い出すと、断捨離を躊躇する手がサクサクと動いた。
40代前半までは「服はカラダに合わせるんじゃなく、カラダを服に合わせる」くらいの勢いがあったけど、重力に逆らうには限界があることがわかった。
今は服選びをどうしてるかというと、「好き」で選びそうな衝動をグッと抑え、「とろみ素材」とか「肉感を拾わない」といった五十路オトメ向けのキャッチがついた服をこちらのブログなどでチェックするようになった。
https://ameblo.jp/jphotostyling/entry-12576992974.html
大人世代の普段着リアルクローズ
実際、そんなキャッチがついた服を着てみると、薄いニットだとあらわになっていた緩やかなカラダのラインが隠れ、華奢に、そして若々しく見えるではないか。
人はそれを「錯覚」と呼ぶかもしれない。
この際、錯覚でもいい。
イタイおばさんにならないためにも、オトメには「いい塩梅のあきらめ」が大切なのだ。
★写真はハッピーリタイア女子。オトメはこう呼ばれることもある。