配車マンと乗務員の会話
配車係のたろーです。
今回は配車係と乗務員の会話例をお届けしたいと思います。需要があるかどうか…。まぁでもこの業界に入ってくる新人さんには需要があるだろうから、とりあえずこんなことやってるんだなーってので参考にしていただければと。
では行ってみよー。
イレギュラー無し、報告のみ編
prrr....
「はい、たろーです」
「おつかれー、当日終わったよ」
「了解ありがとうございました。じゃあ、今日の宵積みお願いします。変更なしなんで、昨日渡した指示書通りです。○○から○○ですね」
「はいよー、また積み上がったら終了連絡するわ」
自車便などで、前日に指示書を渡してある地場配送なんかはこのパターンが多いです。都内配送で朝積んで20件とか終わらした場合は、終了報告で帰りまーすくらいのパターンもあります。
大型の地場、フリー運行なんかだとこんな感じで終わることが多いんじゃないでしょうか。
仕事終わり電話誘導編
prrrr....
「はい、たろーです」
「たろーさん、当日終わったよ」
「ありがとうございます。じゃ今日の積み込みなんですけど、○○って住所で、引き取り先の会社が○○株式会社ですね。製品のPL積みです。一応、商品ラップ巻きの指示が出てるんで、積む前に必ず巻いてくださいね」
「はいよー。じゃ積み上がったらまた電話するわ」
これは前日に指示書が来てなかったパターンや、仕事を指示する当日に受けた場合などで行う会話例だったりします。住所はショートメールで指示することもありますし、最近ではLINEで指示書をそのまま添付することも。
指示書が来ないパターンもあるので、その場合は得意先に電話して誘導してもらうこともあります。こんな感じ。
prrr.....
「はい、たろーです」
「たろーさん、当日終わったよ」
「ありがとうございます。じゃ今日の積み込みなんですけど、○○から〇〇って行程をもらいました。電話誘導になるんで、お客さんに電話してもらいたいんですけどいいですか?」
「電話番号教えて」
「○○です。積み込み指示も受けてくださいね」
「はいよー。じゃ積み上がったらまた電話するわ」
やってることは一緒ですね。細かい指示を出さなくていいので、こっちの方が配車マンは楽だったりします。長距離の配車はこのパターンが大多数を占めてますかね。
配送でイレギュラーがあった場合
配車マンの仕事で一番厄介なのがイレギュラー。これは無数にあるのでパターン化出来ませんが、なんとなくやったことのある会話を再現してみたいと思います。
prrr....
「はい、たろーです」
「もしもし?電話した?」
「あー、折り返しすいません。あのですね、さっき○○で積んでもらった荷物なんですけど、行き先が変更になってしまって。住所控えられますか?」
「え、今走ってるから…。あ、信号赤だ。いいよ」
「○○です」
「了解。伝票の住所と違うけどいいの?」
「はい、荷主の指示なんで。伝票あれば受領印だけは必ずもらってください、なければ昨日渡した指示書にもらってください。問題になったら困るので」
「了解。降ろしたら一回連絡するわ」
こんな感じ。基本的に住所と違う場所に荷物を下ろすことはご法度ではありますが、荷主の指示であれば仕方ない部分もあるのが運送の難しいところ。頑なに運んでくれない業者もいますけどね。
また、こんなこともあります。
prrr...
「もしもし、たろーですけど」
「もしもし、どうしたん?」
「すいません、〇〇で積んでもらった荷物なんですけど、積み忘れがあったみたいで、積み地に戻ってくれませんか?」
「えー?出てきたやつ全部積んだよ?」
「出し忘れたみたいで」
「なんだよ、向こうのミスじゃん。やだよ、戻りたくない、めんどくさいし」
「そんなこと言わずにお願いしますよ、帰ってきたらコーヒー御馳走しますから」
「缶コーヒーでしょ」
「はい、愛情たっぷり」
「ふざけんなよww しょうがねーなー、じゃ戻るよ。15分くらいで戻れると思うから、すぐ積めってって言っといて」
「ありがとうございまーす」
乗務員も人間ですから、向こうのミスでなぜこちらがやらねばならいのか?という指摘をしてくる人もいます。もちろん正論ですが、対応出来ることは対応してあげないと次につながらない場合もありますからね。
戻るのに1時間かかるとか、明らかに戻ることによるデメリットの方が大きい場合は、乗務員に言わずに荷主に断ることもあります。なんでもかんでも荷主の言いなりではありませんので、乗務員のみなさまそこは一応わかってくださいね…。
他にもいろいろありますが、興味深いものを思い出したら追記したいと思います。
帰庫後、事務所にて
乗務員が帰ってくれば、点呼と翌日の配送指示が待っています。私はあまり自社便とやりとりしないのでこの辺はちょっと曖昧なのですが、大まかにこんな会話をしているという感じで見ていただければ。
「ただいまー」
「お疲れ様です。日報お願いします」
「はいよ。明日は?」
「(日報にハンコなど押しながら)明日は朝9時スタートで〇〇に積み込みに行ってもらって、〇〇降ろしですね。で、その後〇〇で積み置きの荷物を取ってます。これが指示書ですね」
「(アルコール検知器を吹いて、レシートを持ってくる)はい。それPLだよね?」
「もちろん。まぁ多少手直しとかはあるかもしれませんけどね、飲料なんで」
「飲料かー。じゃあ降ろしハマりそうだなぁー。9時出発で宵積み間に合うんか?」
「はい、明日行く〇〇って卸先は何回も行ってるんで、ハマったことないっすよ」
「オッケー。じゃあ8時半に出社するわ」
「よろしくお願いします。お疲れ様でした」
おそらくこんな感じの会話が繰り広げられている、はず笑
協力会社から預かってる車なんかだと、ほぼ電話で誘導をすましてしまうのでこういうことはあまりありません。電話誘導で同じような会話が繰り広げられると考えてくれれば間違いないです。
一応文例だしてみましょうか。
prrr....
「はい、たろーです」
「おつかれちゃーん、宵積み積み終わりー」
「お疲れ様です。荷姿問題なかったですか?」
「うん、指示通りラップも全部巻いたし、積んでくれたから楽だったよ。たださー、積むまでに2時間待ったよ。待たせすぎじゃね」
「(そんだけ待ったなら1時間くらいのときに連絡くれよ)それはだいぶ待たせすぎですね。次回入る時は待たせないように言っときますよ」
「もう入りたくないけどね」
「そう言わずに…。そうそう、明日の行程ですけど、今日積んだ荷物を降ろした後、〇〇から〇〇の当日をお願いして、その後〇〇で〇〇行きの積み置きですね。指示書は事務所に流しておいたので持っていってくださいね」
「〇〇から〇〇の積み置きって、飲料じゃね?あのハマるところ」
「(ハマるハマるうるせーな)いや、最近は改善されたらしくて、そんなに待たないって聞きましたよ」
「ほんとかよ。まぁいいや、じゃあとりあえず〇〇から〇〇ね。今日積んだやつ降ろしたらとりあえず明日連絡するわ。何時おろしだっけ?」
「今日の積み置きは朝9時おろしですね」
「了解了解ー、じゃあまた明日ー」
「お疲れ様でしたー」
と、こんな感じです。心の声も入ってしまいましたが、基本的に乗務員は心許してる人には文句というか、愚痴というかを言うものです。嫌われているともっとキツい言い方になるので、これくらいはご愛敬というところ。配車マンも嫌いな乗務員には心の声に留めず直接言うので、これくらいなら関係は良好といえますね。
また、乗務員のこういう文句みたいな話というのは、貴重な情報だったりします。実は配車マンは結構こういうの覚えていて、配車組みをするときのパズルに当てはめているのです。
(この当日とこの積み置きで間に合うかな?いや、確かこの前乗務員がこの荷物ハマるって言ってたな…。あんまり時間の早い積み置きは危険か…)
みたいなね。
トラブルケース急ブレーキ
さて、乗務員の報告で一番嫌なもの言えばもちろんトラブル報告です。これは電話での第一声で配車マンは勘付くことが多いです。なぜなら、乗務員の声がワントーン低いことが多いから笑
prrr...
「はい、たろーです」
「あ、もしもしたろーさん?」
「(あーこりゃなんかやったな)うん、どうした?」
「やっちゃったよ、急ブレーキ」
「うそ、マジっすか。何があったの?」
「急な割り込みよ。信号前で割り込んできやがって、踏むしかなかった」
「まずいっすね。結構強く踏んだんですか?」
「咄嗟だったから。たぶん、荷ズレしてると思う。確認出来てないけど」
「あー、了解です。止まれるところがあったら止まって、中確認してもらっていいですか?荷主にはちょっと報告いれますんで」
「わかった、また連絡する。ごめんなー」
「しゃーないっすよ。あとでドラレコの画像をみんなで共有して、教訓を生かしましょ」
こんな感じ。
トラブルはほんと嫌なもんです。乗務員も現場で怒られるし、配車マンも荷主に怒られます。起こさないに越したことはないですが、人間がやっている以上完全に0には出来ません。
トラブルが起こったときに、その後でどうやって対応するかが大事ですね。
トラブルケース延着(2020/11/22追記)
トラブル系はいくらでもあるので、会話ケースを紹介しましょう。
今回は延着編。
prrr....
「はい、たろーです」
「たろちゃん、ちょっと渋滞が酷すぎて時間指定に間に合わん」
「嘘、今どこら辺走ってるんですか?」
「〇〇らへん。13時までだよね?たぶん、30分くらい遅れると思うわ。渋滞の状況によってはもっと遅れるかも」
「あー、なるほど。なんかあったんですかね?」
「〇〇号線の先で事故ってさっきラジオで言ってたなー」
「了解。ちょっと荷主に報告しますわ、とりあえず向かってください」
「了解」
・・
「(荷主に電話しとくか)あ、たろーです、すいません今日の〇〇行きの件ですが、渋滞がすごくてちょっと時間指定に遅れそうなんですよ」
荷主「あ、そうなの?じゃあ納品先に電話しとくね。どれくらい遅れそう?」
「たぶん30分くらいの遅刻で済むとは思うんですが、なにせ前方で事故があったみたいでなんとも言えないんですよね」
「そっかー、事故じゃしょうがないよね、遅れても荷受けしてくれるように言っておくよ」
「すいません、よろしくお願いします」
こんな感じで延着のやりとりをすることが多いです。場合によっては直接納品先に電話したり、延着をすると色々調整ごとがあって結構バタバタです。道路事情に左右されるんで、こればっかりは仕方ないことなんですけどね。
トラブルケース事故(2020/11/22追記)
トラブルの定番といえば事故ですね。安全運転を心がけている乗務員さんでも、不注意でぶつけてしまうこともあります。そういう時も、配車マンに電話連絡が鉄則です。
prrr...
「はい、たろーです」
「たろーさん、すいません、ぶつけちゃいました…」
「うぞ!どこで?なにを?」
「納品先でハンドル切ったときに、出っ張ってる屋根にぶつけて割っちゃいました」
「屋根か…。怪我してる人とか、それ以外の被害はない?」
「他の被害は無いです。トラックのウイングが少し削れたけど…」
「それはしゃーないけど…。今どんな状況?」
「いま納品先の人と状況を確認してます」
「警察は?」
「呼んでるみたいです」
「了解、とりあえず現場検証してもらって、終わったらまた連絡頂戴。あと、周りに倉庫の社員さんっている?事故の件について電話したいから誰に電話したらいいか教えてもらって」
「わかりました、ちょっと聞いてみます」
こんな感じですかねー。
納品先で事故を起こすと結構大変です。物損した部分を直すことになるだろうし、保険を使うにも現場検証をしてもらわないといけません。また、倉庫側とも話す必要がありますし、荷主にも報告をしなければなりません。
場合によっては荷主に事故報告書を提出しなければならず、乗務員もすぐには現場を離れることができないので複数件荷物を持っていた場合延着する可能性も出てきます。
事故は起こさないに越したことありませんね。
最後に
というわけで、いかがだったでしょうか?乗務員との会話ってあんまり皆さん馴染みないと思うのですが、想像通りでしたか?
乗務員が強い会社だともっと厳しい会話ないようになることもあるし、配車が強いともっと頭ごなしの会話になることもあるでしょう。
私は対等に話しているつもりですが、配車マンはどうしても仕事を指示する立場ですので、多少命令調になってしまうのは否めませんね。組織としてそういう形にならざるを得ないわけですから、仕事上は組織に則って仕事をするべきです。
ただ、乗務員は人生の先輩であることが多いので、仕事が終われば敬意を持って接すると。そういうスタンスがやりやすいんじゃないかなーと個人的には思ってます。
皆さんはいかがでしょうか?
乗務員との会話例はまだまだ無数にあるので、思いついたら追記していきたいと思います。
お金が貯まったら飲みに誘います。