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ヘアメイクアーティストになるには

 おはようございます。

 ヘアメイクアーティスト・エマブールの小川敬子です。


 就職活動や受験など、新しい進路の準備や岐路に立っている方が多いと思います。
 今日は私たち、ヘアメイクアーティストになるために必要なことをご紹介します。

このブログの信頼性について

 このブログを書いている私はヘアメイク歴18年です。
 9年間ブライダルヘアメイクの経験を積みました。
 現在、フリーランスとしてCMや個人撮影などの現場で活動を続けています。


 まず最初にお話ししたいのが、ヘアメイクアーティストの仕事も、細かく分けるといろいろあると言うことです。

・結婚式でのブライダルヘアメイク
・CMや広告の媒体撮影ヘアメイク
・プロフィール写真などのスタジオ撮影ヘアメイク
・オペラや演劇などの舞台ヘアメイク

 ちなみに成人式のヘアメイクは、ブライダルヘアメイクの分類に入ります。

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 「百貨店などにいる美容部員さんは、メイクアップアーティストですか?」と言う質問をいただくことが多いのですが、美容部員さんとヘアメイクアーティストとの大きな違いは、販売のプロと技術職という点が大きな違いとなります。

 美容部員さんは、お化粧品を販売することがお仕事になります。

 入社してすぐに企業研修として2週間、メイクの技術を学びます。

 メイクの技術も学びますが、この企業研修では主に、お化粧品の成分や肌の組織についての勉強を重点的に行います。
 スキンケア用品やファンデーションなどのベースメイク用品を販売するさいに、化粧品の成分が肌のどの部分にどう影響し、肌をどのように改善させることができるのかを説明ができることが求められるからです。

 また、お客様への高い接客能力も必要となるため、接客マナーの講習も行われます。

 美容部員さんの中には、『メーカー専属メイクアーティスト』になる方もいますが、ヘアメイクアーティストと同じように高度なメイク技術が求められます。

 

 ヘアメイクアーティストになるためには、専門学校へ行くことが一番の近道です。

 昔は、有名なアーティストの方に弟子入りもできたようですが、今は学校で基礎的なことを学んでおくことをおすすめします。
 全く知識がない状態で、「教えて下さい」と言うのも失礼に当たりますので。


 私がヘアメイクの業界に入ったころは美容専門学校とは別に、ヘアメイクの専門学校がたくさんありました。

 なにが違うのかと言うと、『美容師免許を取れるか取れないか』という点が大きく違います。

 美容師免許は国家資格になります。免許を取るためには3年間、実技と学科を学び、試験を受けなければなりません。
 今は昔と違い、免許が必要な事務所や現場が多いので取得しておくことをおすすめします。

 とくに海外での活動を考えている方は、免許があるとヘアメイクの仕事が見つかるまで美容室で働いたりと稼ぐ手段にもなり有効です。

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 専門学校を卒業したら、ここで大きく進路が分かれます。

・ヘアメイク事務所に入る
・美容室でカットやカラーなどのヘアセットの経験を積む
・フリーランスになる

 私は、ブライダルを専門とするヘアメイク事務所に入りました。

 ここで9年アシスタントからスタートして、ヘアセットやメイクの技術を学び、ブライダルに必要な接客マナーやアテンド(ドレスのすそを持ったりなどの介添え業務)を習得し、少しずつスタイリストとして現場経験を積みながら、最終的にメインスタイリストになりました。

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 これは美容師さんも同じです。

 専門学校を出ているからとは言え、いきなり美容室でハサミをもってカットをさせてはもらえません。
 同じように私たちもいきなりメイクをしたりヘアセットをさせてはもらえません。

 アシスタントとして現場に入り、ホットカーラーを渡したり、ピンやスプレーを渡すヘルプ業務をしながら、先輩の技術や接客を見て学ぶところから始まります。

 現場の状況に慣れてくると、ホットカーラーやヘアアイロンでお客様の髪を巻いたり、メイクに入らせてもらえるようになります。

 専門学校を卒業して、いきなりフリーランスになる人もいますが、私的にはお勧めはしません。
 結婚式の現場には結婚式の、撮影現場には撮影の、現場での動き方やルール・マナーがあり、それは専門学校では学ぶことができず現場でしか学べないからです。

 また、私は現在フリーランスとして活動していますが、フリーランスは誰も守ってくれません。
 自分の失敗は全て自分で責任を負わなければなりません。
 ヘアメイク事務所で得た知識や経験があるおかげで、リスクを回避することができ、今日まで続けることができているので、事務所に所属をしていたことは私にとって大きな財産となっています。


 雑誌などの媒体や映画撮影のように、モデルさんや俳優さんのメイクをする現場ではまた求められることが違ってきます。
 媒体撮影を専門とするヘアメイク事務所は免許だけでなく、3年以上の美容師経験が必要となるところが多いです。

 ごくたまにですが、その場で髪のカットが必要になることがあるからです。

 美容師としての経験を積んでからヘアメイク事務所に入ることで、CMやドラマなどのキャリアが積めますし、急なカットにも対応することが可能になります。

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 こちらのメンズモデルさんも、朝のヘアメイクのときに後ろをバリカンでかり上げています(笑)。

 とは言え、いきなりカットはできません。様々な規約や契約があるので、事務所への確認と許可が必要になります。
 こちらのモデルさんはフリーランスの方なのでご本人とクライアント(依頼者)様に確認と許可を得ています。


 「サロンワークでの経験を積んでからヘアメイクになると、かなりの時間を費やしてしまう」と相談をいただいたり悩む方も多いと聞きますが、私たち美容の仕事だけでなく、どのような技術職も「基礎と経験」が一番大切です。

 上記にも綴りましたが、私もメインスタイリストになるまでに3年の時間を費やしています。

 3年間美容室でサロンワークを経験し、ヘアメイク事務所で1年のアシスタント経験をしたとしてもあまり大差はありません。
 反対に、撮影現場でいきなり髪のカットが必要になったときに、美容師免許はあるもののカットの経験があるのと無いのとでは、とっさの対応に大きな違いが出てきます。

 こう言った理由からも、いきなりフリーランスになることはお勧めしないですし、現場経験を積むことがいかに大切かを感じていただけるかと思います。


■ヘアメイクアーティストになるためには まとめ
・美容専門学校へ行く
 *美容師免許の取得をおすすめします。
・ヘアメイク事務所に入る。
 応用的な技術や接客・いろいろな経験を積む。

 ドラクエなどのロールプレイングゲームと一緒ですね。
 基礎を学び、たくさんヘアセットやメイクをしながらその現場での動きやマナーなどの経験を積み、より良い仕事をさらに経験していく。
 美容室でサロンワークの経験を積んでおくとなお良しです。

 好きなことを仕事にすると、ときに嫌いになってしまうこともあるし、ツライこともたくさんあります。
 でもそれは、事務職であっても販売であっても、どんな仕事にも当てはまること。

 反対に、好きだからこそ突きつめられるし、嫌いになってもやっぱり好きでまた戻ってきたり、長く続けることができるものです。

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 ヘアメイクという仕事に興味を持っていただけるような技術者になれるよう、これからもがんばります。

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