見出し画像

【①バンコク→チュムポーン】タイ国鉄に9時間乗る。田んぼ、ヤシの木、田んぼ、田んぼ

バンコクからシンガポールまで陸路で旅することにした。

本当の目的地はインドネシアのジャカルタだ。ジャカルタに住む友人に会いに行くのが当面の目的だ。

当初はシンガポールからフェリーに乗ってジャカルタを目指し、陸路&水路の旅にする予定だった。しかし本来週1本出ているはずの船が、船会社のHPで時刻表を見ると、予定期間中1本も出ない。中国正月とぶつかるからだろうか?(いや、そうだとしたらむしろ増えてもおかしくない。)まあ仕方ない。シンガポールからは飛行機に乗ってジャカルタへひと飛びしよう。

バンコクをスタートとし、
バンコク→チュムポーン(タイ)→ハートヤイ(タイ)→ペナン島(マレーシア)→クアラルンプール(マレーシア)→ジョホール・バール(マレーシア)→シンガポール
と鉄道&バスで旅する。10+α日くらいの旅になる予想だ。

出発の前日、とりあえず明日の到着地であるチュムポーンの宿を1泊予約した。鉄道の切符は当日買えば良い。この先も、とりあえず翌日泊まる宿さえ押さえて進めば良さそうだ。

12時ごろバンコクのファランポーン駅に到着。チュムポーンまでの切符を買う。

実はファランポーン駅を使うのは初めて。タイ国鉄乗ったことはあるが、その時はノンタブリー駅だった。ファランポーンはさすがバンコクのメイン駅とあって、人が多い。建物はボロいが、歴史を感じさせて良い。ノンタブリー駅は周りに小汚い屋台とかあってそこで時間つぶせたが、ここでは見当たらない。仕方なく二階のBlack Canyon Coffee で時間をつぶす。

13:10、バンコク出発。定刻より10分遅れで思っていたより早く、逆に驚く。言わずもがな、こちらでは1時間2時間遅れは当たり前。

乗った3等車はエアコンなし。扇風機のみ。走りだすと窓から風が入り、十分涼しい。

ボックス席の同席した女性はイタリア人だった。挨拶がてら軽く話すと、ホワヒンに1人で行ってリラックスしに行くそうだ。「貴方はどこまで?」と聞かれたので「チュムポーンだよ」と答えると、「えー知らない、あはは」と笑ってた。ホワヒンは良いところだ。普通旅行で行くなら絶対ホワヒンだ。

バンコクを出発するとすぐにスラムを抜けて行く。線路沿いというのはスラムが多い。これは色んな国でそうな気がする。建物スレスレを通って行くので手やカメラを出すのは非常に危険だ。実際木の枝とかは普通に列車に接触してくる。

1時間くらいするとバンコク郊外を走る。だいぶ緑だらけの田舎景色だが、それでもまだバンコク内だ。日も高くなってきたが、列車のスピードも上がるので風が気持ち良い。

さらに2時間くらいたっただろうか。田園風景が続く。そろそろケツが痛くなり始める。16:30頃ホワヒン到着。イタリア人のおねーさんは降りて行った。交代で向かいにタイ人の若い女の子2人、隣に兄ちゃんが1人座った。

途中で気が付いたのだが、向かいの彼女たちはどうやら付き合っているようだ。片方の女の子がもう片方のボーイッシュな子の肩を抱いたり、濡れタオルで顔や腕を拭いてあげたりしている。(この濡れタオルはジュースのカップに入れて冷やしているようで、2人で共有して使っている。)途中ほっぺにキスしているのを見て「ああやっぱりそうなんだな」と思った。ボーイッシュな女の子の方は甘えられても終始無反応だったのがちょっと面白かった。

途中駅で降りて一服。このグラサンのおやじが俺のこと気にかけてちょいちょい話かけてくれる。手前でスマホいじってるのが隣の兄ちゃん。この兄ちゃんはハートヤイに向かってるらしい。兄ちゃんの切符、バンコク→ハートヤイで250THB。俺はチュムポーンまでで192THB。俺もチュムポーンの後ハートヤイに向かうって言ったら、兄ちゃん、「うーんじゃあチュムポーン→ハートヤイ、90THBくらいじゃないか?」って教えてくれた。マジかめっちゃ安いな、と思ったが翌日切符買ったら292THBだった。(これには事情がある。次回書く。)

ここから先も延々と同じような景色が続く。田んぼ、何もないただぼーぼーに生えた草っぱら、ヤシの木、田んぼ、草、ヤシの木、ヤシの木。

さすがに飽きてくる。向かいの女の子カップルともちょっと話す。行先を尋ねると「????」とよく聞き取れなかった。何時ごろ着くのか尋ねると「夜中の2、3時」って言って笑ってた。今18時くらい。俺だったら笑えねーよ。隣の兄ちゃんに「モバイルバッテリー貸して」って頼まれたので貸す。何で俺が持ってるの知ってるんだ。タイ人は皆携帯必須なのだろうか。兄ちゃんは彼女?奥さん?みたいのとずっとテレビ通話してた。

19時ごろ。晩飯にガパオ・ガイ・カイダーオ付き弁当食う。車内は定期的に物売りが往来するので食い物も飲み物も簡単に手に入る。実はコレ、弁当売りが持ってた最後の1個だった。弁当売りに声かけると、向かいの女の子も同時に財布出していたので、譲ろうとしたら逆に彼女に「マイペンラーイカー!マイペンラーイカー!!!(大丈夫です!)」と猛烈に譲られて、結局押されて俺が先買っちゃった。10代くらいの女の子より先に飯食うおっさん・・・。恥ずかしいけどタイには年上=エラい文化があるので、仕方ないっちゃあ仕方ないのかもしれない。10分後くらいに弁当売り戻ってきて女の子も買えたからとりあえず良かった。弁当の味は普通。

22:00ちょい過ぎ、ついにチュムポーン駅到着。およそ9時間の列車旅、ほとんど寝ないで大体ぼーっとしてた。

思ったより暗くない駅近辺。屋台もやってて、意外と普通に街らしい街だった。(もっとド田舎想像してた。)

ホテルに荷物置いたらすぐ出た。小腹が空いた。ビールも飲みたい。近くにナイト・バザールってのがあるのをマップで見たので行ってみることに。

やってねぇ。暗ぇ。全部閉まってる。改めてマップ情報確認したら21時までだった。もう23時近い。

仕方ないので近くでやってた飲み屋に入る。客ほとんどいないけど一般的なタイの大衆飲み屋だ。

お店のおねーちゃんに「おすすめは?」と尋ねる。「ホイライなんちゃら」って言われた。どんな料理なのか、色々説明してくれたが俺の低いタイ語能力ではほとんど分かんなかった。ホイってたしか牡蠣だよなぁ?旅先で貝類食うって結構リスキーなんだが、まぁいいや。それを頼む。出てきたのがコレ。

牡蠣じゃなくてあさりだった。後で調べたら「ホイライ」ってあさりのことだった。「ホイ」は貝のことで、牡蠣とは限らないんだな。食ってみると・・・すげー美味い!甘辛いあさりのバジル炒め。味も濃すぎず、つまみにぴったり。あさりの身は小さいけど、砂も全然なくてプリプリ。一緒に頼んだカオパット(チャーハン)と合わせてビール2本も食って飲んでしまった。ちょっと苦しい。

ホテルに帰る道すがら、女の人が路上にイス置いて座ってるがちょいちょい目に入る。あー・・・これ、たぶんアレだな。

特に誰からも声かけられなかったが、最後おばちゃんに呼び止められる。タイ語で何言ってるのか分からん。店先からおおっぴろに開けられた屋内が見える。暗く、小汚い土間の上に、カーテンで仕切られた一角。そこに直置きされたマットレス。その上で寝そべってスマホいじってる女性。間違いない。置屋だ。しかし客が取れてる雰囲気も、というか積極的に取りに行ってる気も感じられない。「一体どんな奴がこんな田舎町まで来て女買うのかな・・・」何とも言えない気分になり、足早にホテルへ戻った。

(2月7日。晴れ。明日へ続く)


いいなと思ったら応援しよう!