第6話「エリア限定戦」( ^ω^)ブーンがスーパーサブとして流れを変えるようです
地区大会の前に実践的な動きを身につけるため、
8対8の紅白戦を行うことになった
/ ,' 3「じゃあ一年生のためにルール説明からしましょうか 新田君からの説明もあったと思うけどもう一回確認しましょう」
/ ,' 3「まずコートを7つに区切ります 前陣2中陣3後陣2となるように四角い枠で囲んでください」
/ ,' 3「ここに紅チームと白チームが1人ずつ入ります 自分の区切られたエリアの中だけで動いてください
そしてキーパーはペナルティエリアに入り、この中で動いてください」
( ^ω^)(この区切られたエリア内でしか動けないって所が多分エリア限定戦の特徴だお)
/ ,' 3 「限られたスペースを上手く使ってパスを繋ぎながらゴールを狙ってください 試合時間は40分×2です」
/ ,' 3 「チーム分けを発表します」
紅チーム
ξ゚⊿゚)ξ高宮凛花
(个△个)牛間柊斗
('Д")白木康太
(’A`)霧島毒男
('j v i')中浜民祐
(・∀・)盛山義孝
(0 L0)草野茂道
∫ ∫一Å一)東修平
(‐λ‐)西尾琉叶(ベンチスタート)
白チーム
(´・ω・`)新田ショボン武
(= Δ=)近藤吾郎
( ><)天野鷹匠
( ^ω^)左京文一朗
('_L')水戸蓮斗
( ゚∀゚)長岡隆英
(^д^)庄野正利
(=゚ω゚)ノ伊織洋
( ФωФ)招木昌幸(ベンチスタート)
('Д")「いや俺白木なのに紅チームかよ」
('j v i')「紛らわしいね」
(’A`)「ブーンは敵チームか」
( ^ω^)「おう!ドクオに勝てるように頑張るお」
(个△个)「やったぁスタメン入れたよ僕!」
(‐λ‐)「おめでとう」
( ФωФ)「いつか吾輩もスタメンに」
('_L')「お前ら喋ってないで準備するぞ!」
水戸先輩に付いて歩いて行くと芝生の上にはうっすらと白い線が見える
('_L')「前回使った線が残ってるな、この上をなぞるように引いていってくれ」
( ^ω^)「分かりましたお」
ライン引きを使って白いパウダーで線を引くと、通常のコートの二分の一程度の大きさのコートが出来上がった
その両端にゴールを運び、試合の準備が整った
毘府の選手たちが自分が指定されたエリアの中に入っていく
( ゚∀゚)「わざわざ大会前にこの練習をするってことにはちゃんとした理由がある、この意味を考えながらプレーしろよな?」
(’A`)「俺もう早速分かっちゃった気がします この練習の意味」
( ゚∀゚)「早いな、言ってみて」
(’A`)「1対1の状況を作るためですよね?」
( ゚∀゚)「こいつは凄いな 大正解だよ」
( ゚∀゚)「この区切られたエリアで前に進まなきゃいけない となれば1人で打開できる力が必要だ」
(’A`)「じゃあ、もし長岡先輩に勝ちでもしたら、さぞ評価は大きいんでしょうね」
( ゚∀゚)「ハハッその通りだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「高いボールは手が届かないから白木君が頭でクリアしてね」
(;'Д")「無茶苦茶言うなよ」
( ^ω^)(よーし得意の左サイドだお!相手は…)
(;゚ω゚)「お…」
(・∀・)「よろしく頼むゾ〜」
マッチアップした相手は部内最強のドリブラー
盛山義孝
( ;^ω^)(終わったお)
試合開始
中央の水戸からキックオフ
ボールを長岡に渡した
( ゚∀゚)「水戸、このまま攻めていいか」
('_L')「できれば突っ込まないでパス繋いでくれ」
( ゚∀゚)「【できれば】か、分かった できないから突っ込むわ!」
(;'_L')「おいコラッ」
長岡が右サイドを駆け上がっていく、それに合わせて中央のエリアに位置する水戸も着いていく
(’A`)(来る…)
( ゚∀゚)(いち早く練習の本質を見抜いてくれたこいつには しっかりと対人守備の重要性を見せつけてやんないとな)
( ゚∀゚)(こいつの利き足は左 この前の審査を見た感じだと右はおもちゃだったな)
ドクオがやや外側に立っている、敢えてドクオの左足側に寄った、ドクオはボールを狩るために左足を伸ばした
( ゚∀゚)(ならば内側!)
右足のかかとでボールを後ろに押し出し、左足で身体ごと左前に持っていく ボールの軌道はちょうどV字を描いてドクオの横を通り過ぎて行った
(;’A`)(うわぁ〜容赦ねぇ)
中に切り込んだ長岡が右足を振り抜く
ボールはポストの左側に外れた
('_L')「ナイスシュート、切り替えてこう」
新田先輩のゴールキックで試合再開、ボールはブーンと盛山の所へ落ちてくる、2人がヘディングで競り合う
( ;^ω^)「体つよっ!」
(・∀・)「体よわっ!」
盛山が競り勝ちボールを保持、盛山が自慢の足技を披露する
しかし全く攻めてくる気配がない
( ^ω^)(なんで攻めて来ないんだお?)
ブーンの手前に近ずいては、踵でボールを後ろに蹴り距離を取る
(・∀・)「知ってるか?これもエリア限定戦の醍醐味なんだぜ」
普通の試合であれば、こんなにモタモタしていれば
敵選手にボールを奪われてしまうだろう、だがこのエリア限定戦は見方が入って来ることが出来ない
( ;^ω^)(ふざけてるだけにも見えるけど、下手に動いたらすぐ抜かれそうだお)
(・∀・)「ドリブル♪ドリブル♪楽しいな♪♪」
('_L')「やかましい」
水戸が足を伸ばし、つま先でボールを弾いてラインを割った
(・∀・)「サイテー!」
('_L')「本当の試合だったらそんなにボール持ってられないだろ?実践を考えてプレーしろよ」
(・∀・)「へいへい」
('_L')「あと抜かれるのが怖いからって自分から仕掛けないのは違うぞ左京」
( ;^ω^)「はいですお…すみません」
盛山のキックインからゲームが再開する
( ^ω^)(お、これパスカット出来ればかなり有利じゃねぇかお!)
今ブーンと盛山がいるのは中盤のサイドのエリア
盛山がコートの外からパスを出せる先は、ほぼ中央に居る中浜に限られる ここから東に出すには少し遠く、渡っても後ろからカバーに行けると判断した
盛山がキックモーションに入り、ブーンは瞬時に首を振って中浜の位置を確認した 盛山が蹴ったボールがブーンの脛に当たった
(;゚ω゚)「いてっ」
まるでこぼれ球を狙っていたかのように盛山が走り出した どうやら最初から故意にブーンの足に当ててドリブルすることを考えていたようだ
(;゚ω゚)(やべ マズいお)
盛山がサイドをグングン駆け上がっていく、しかしブーンも足の速さでは負けていない 膝を曲げて重心を落とし、流れのままに体を滑らせた
( ;`ω´ )(間に合え!)
スライディングで外側のコースを塞ぐ しかしあれだけスピードに乗っていたのにも関わらず、体にブレーキをかけて左に躱し、ブーンの後ろを通り過ぎた
(・∀・)「東!」
東がボールを足裏でトラップし、止まったまますぐに右足を振り抜いた
(´;・ω・`)「マズい」
前に出ていた新田の頭上を東のループ気味のシュートが抜けて行った
12分 GOAL 紅チーム 東 修平 1-0
束の間の出来事だった ブーンの守備は簡単に斬り込まれ、それを皮切りにゴール前のディフェンスは雪崩のようにみるみると崩れ落ちてしまった
(;゚ω゚)(俺のせいで…?)
(・∀・)「デビュー戦でさっそく失点しちまったな」
( ;^ω^)「大事なデビュー戦なのに、ショックですお」
ブーンは先輩達のレベルの高いプレーに追いつけないでいた
デビュー戦に苦い後味を残したまま、中浜のキックから試合が再開する
('j v i')(リード守りたいし、ここはボール回すか)
中浜が牛間へバックパスを出す
そこに伊織が詰め寄り、足を伸ばしつま先がボールに触れる 牛間が体を入れて奪い返し、白木へパス
白木はワンタッチパスで再び中浜に戻す
('Д")「バックパスやめよう むしろ不利になる」
('j v i')「そうか、攻撃と守備の人数が同じだから、後ろでボールを回せないのか」
他エリアの選手はプレーに介入出来ないというルール上、人数をかけた守備が出来なくなり、攻撃側が少し有利となる そのためボールを前に運ぶための1体1での仕掛けが必要になってくる
('j v i')「盛山行け!」
ただし、その仕掛けを必ずしも自分でやる必要はない
中浜はドリブル突破を盛山に任せた
( ^ω^)(来た!)
横向きで走り、中央のコースを切る
(・∀・)「動きが良くなったな」
盛山が前へのパスを出し、ブーンがカットを試みて足を出しボールを弾いた
東にパスは通ってしまったものの、ブーンによってコースが外側にズレてサイドへ追い込まれる、近藤がプレスをかけることで東は身動き取れなかった
(= Δ=)「ほらほらどうした〜」
∫ ∫;一Å一)「くっ」
東が一旦ボールを盛山に預けようとする、しかしバランスを崩した状態で出したパスはブーンの方向へ、一瞬にして攻守が入れ替わる
( #^ω^)「うおおおお!」
後ろ頭上にワンタッチで蹴り上げる、そしてターンして走り出す
(= Δ=)「うまっ!」
( ;・∀・)(マズい、反応遅れた)
盛山に背を向けたまま走り抜ける
(^д^)「ブーンこっち!」
( ^ω^)「庄野先輩!」
ブーンは前にパスを出そうとした、しかし庄野には白木のマークがついている
対して伊織は内側へ走る動きをして、マークを剥がしている
( ^ω^)(ここで伊織先輩に出せば確実か?)
( ^ω^)(いや、違うな)
疑念が頭をよぎり、気づけば左足で地面を踏み締めてゴールを狙っていた
ξ;゚⊿゚)ξ「直接?!」
コースはピッタリ左上、絶対届かない速度でシュートを放った
(#'Д")「よいしょー!」
白木が身を投げ出して軌道線上に入り、頭に当てる
勢いを無くし、上に上がったボールを高宮がキャッチした
ξ*゚⊿゚)ξ「ナイスブロック」
(*'Д")「お前の無茶振りに答えてやったぜ!」
('j v i')「絶対入ると思ったよ〜白木ナイス」
もし今のブーンのシュートが決まっていれば大きな注目を集める同点ゴールだっただろう、しかし白木のスーパープレーにより注目をごっそりと持っていかれた
(;゚ω゚)「くっそぉ!」
悔しくて地面を叩いた
( ・∀・)「今のとこだけ切り取れば完璧な動きだったよ」
( ^ω^)「そうですかお、ありがとうございます」
('_L')「おい左京」
( ;^ω^)「へ?」
( ;^ω^)(マズい…パス出さなかったのが原因で怒らせちゃったかお?)
('_L')「シュート打つ時、線踏んでたぞ」
言われてみれば踏んでいたかもしれない
( ^ω^)「次は気をつけますお」
('_L')「あぁ、あと今みたいなチャンスがあったら次も積極的に撃っていけ」
水戸は助言を残し戻っていった
高宮からのキックでリスタート、ショートパスで白木を起点にボールを回していった 目まぐるしくエリア間をボールが行き来する 一度だけエリア内にボールが入って来たものの、盛山がワンタッチで返すためブーンがボールに関与する術は無い
盛山のパスは中陣と前陣の境界線上を抜け、草野の足元に届く
草野のシュートを新田が弾き攻守が入れ替わった
水戸が伊織へ縦パスを供給する 伊織は背中で牛間の存在を感じ取って動き出した
ξ゚⊿゚)ξ ││ (个△个) (=゚ω゚) ノ╮⚽️
右足のアウトサイドを使って外側に切り返す、フェイクを入れさらに外側に進み
ゴールラインギリギリのところでインサイドを使って右足を振り抜き、正確にサイドネットに突き刺した
27分 GOAL 白チーム 伊織洋 1-1
(个△个)「そんな角度の無いところから…」
ξ;゚⊿゚)ξ「悔しいー!」
小さなストライカー伊織は、脳内に数多くのゴールの引き出しを持っている
( ;^ω^)「俺一回もボール触ってないお」
(・∀・)「ポジショニングはいい感じだから、チャンスが来る時に備えていつでも動けるように準備しとけ」
そしてチャンスは思いがけなく早く訪れた、長岡から水戸へ、水戸からブーンへと右から左にパスが通る
( ^ω^)「よし、来たお…」
(・∀・)「準備しとけって言ったろ?」
( ;^ω^)Σ?!
盛山がインターセプトを狙って飛び出す、弾かれたボールは運良く近藤のもとへ飛び、クリアされた
( ;^ω^)「危なかった…」
クリアボールを庄野がヘディングで足元に落とし、ブーンにパスを出した
(^д^)「行けブーン!」
( ^ω^)(立て続けにチャンスだお)
左に動いてパスを受け取る、盛山にボールを取られないように、なるべく時間をかけずに攻めたいブーンはカットインからのシュートを試みたが、僅かに右に逸れてしまう
( ;^ω^)「うわ惜しいっ!」
(^д^)「ドンマイ 次は行けるよ!」
( ^ω^)「はいっ!」
( ^ω^)「よーし、次だ次」
╮(・∀・)╭「さて、次があるかな?」
( ;^ω^)「え?」
(・∀・)「そろそろ足に来てるんじゃないの?」
足に疲労が来ているという意味だ、言われて初めてそれに気がついた、意識してしまったせいで疲れを感じてしまう
白木のクリアボール、浮き球の落下点は盛山に近かった、しかし盛山はこれをスルー
(;゚ω゚)「なぜ?!」
(・∀・)「お前のドリブルをもう一度見たくてな」
せっかくボールを受け取ったならありがたくそうさせてもらう
マシューズで右に動き、盛山との距離を取った、縦突破を図りボールを前に蹴り出そうとする___しかし足元からボールが姿を消した
( ^ω^)Σ?!
盛山が足裏で引き寄せボールを奪取そしてダッシュ、ブーンはそれを慌てて追いかける
肺に痛みを感じ、咄嗟に脇腹を押さえた
( #^ω^)(くそっ!こんな時に!)
その時
/ # ,' 3 「もう走らなくていい!」
荒牧監督からの突然の怒号
/ ,' 3 「左京君、招木君と交代」
(;゚ω゚)「もう…交 代?」
盛山がタッチラインにボールを出した
(・∀・)「何ぼーっとしてんだ 交代だよ」
40分 IN( ФωФ)招木昌幸↔OUT( ^ω^)左京文一朗
( ´ω`)(何もできなかったお…)
第6話 終わり
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