第10話 ( ^ω^)ブーンがスーパーサブとして流れを変えるようです

昨日の試合でブーンは自分の武器であるドリブルを活かしてゴールを決めることができた
「自分のドリブルが通用した」そう思うと嬉しくてたまらなかった
同時に課題もあった、前から言われていたスタミナに加えて、守備能力の低さも試合の中で露呈していた

( ^ω^)「早く練習したいお!」

(’A`)「暑苦しいよブーン、俺はもうちょっと寝たいお〜」

ブーンはドクオを連れて朝早くグラウンドに到着した

( ^ω^)「おはようございますお!」

(・∀・)「おう!ブーン!」

盛山と目が合うと早速ブーンの足元にボールを転がして来た

(・∀・)「かかってこい!」

( ;^ω^)「いきなりですか?!」

そう言いつつ、ボールに飛びつき盛山の元へ一気に加速する
ブーンに手を離されたドクオがそのまま芝生の上で寝転んだ

ドサッ(-A-)💤

左右に身体を揺さぶり、進めるコースを探す
しかし、それだけでは盛山のバランスは崩せない
右足の裏をボールに当て、ルーレットを仕掛ける

(・∀・)「またそれか?」

ルーレットは1番の得意技だが、ブーンは左回転しかできない
盛山にコースを読まれている…が、
回転後に右足でボールを横にずらして左に突破した
逆を突かれた盛山が後ろから追いかける
盛山がブーンの肩に強く当たり、ブーンが倒れた

(;・∀・)「あ〜、試合だったらファール取られてるな、こりゃ」

まだまだ欠点の多いブーンだが、ドリブルだけなら盛山にも引けを取らない

( ^ω^)「どうでしたか今のドリブル?」

(・∀・)「良かったな、奪えると思って足を出したんだが逆を突かれた」

(-A-)「朝からなんてレベルの高いことを…」

( #^ω^)「おきろー!」

ドクオの手を引っ張り起き上がらせる

( ^ω^)「じゃあ今日は指導よろしくお願いします!盛山先輩!」

(・∀・)「そのドリブルを俺が教わりたいくらいだがな…今日はディフェンス練習だったな
動き方教えるからこっちに来てくれ」

盛山は中盤でボールを奪えるRMFであり、
ドクオは元々LSBでつい最近LMFに転向した選手だ
守備のできるサイドハーフ2人に教えてもらうことにした

(・∀・)「自分が相手ならどう攻めたいと思う?」

( ^ω^)「う〜んと、この状況下なら内側に行きたいですお」

(・∀・)「そうか、じゃあ攻められたくない内側を遮るように立ってみて」

ブーンがドクオの横に立った

( ^ω^)「でもこれだと内側は守れるけど、縦には行き放題ですお」

(・∀・)「そう、だから並走するんだ」

盛山がブーンの肩に手を当て、体をタッチライン側に向けさせる

(・∀・)「ブーンは前を向いてディフェンスしてただろ?これだと抜かれたら戻るのに時間がかかる、そうならないように戻りながら守ればいい」

( ^ω^)「戻りながら守る?」

(・∀・)「やってみて」

ドクオが左サイドから内側に進む、それにブーンが被せて内側に立つ
ドクオが縦に突破しブーンも合わせてついて行く、進行方向に足を出しボールに当ててタッチラインを割った

(’A`)「うん、良い感じ」

(・∀・)「今は自分ならこう攻めるってのを想定して守ったけど、逆にディフェンスができるようになったら、自分がディフェンスならどう守りたいか考えながら攻められるようになるっしょ?」

( ^ω^)「ああっ!確かにそうですお!
相手の立場で考えて自分がディフェンスなら攻められたくないって所に攻めれば効果覿面ですもんね」

部活の開始時間が近づき、部員達も集まってきた

(・∀・)「お?きたきた」

( ^ω^)「なんか野球部が多いっすお…」

('_L')「え〜、荒牧監督から連絡がありまして、
甲子園の予選が始まるため、グラウンドの使用権を譲ることになりました
一週間はグラウンド全面を野球部が使うそうです」

( ;^ω^)(グラウンド使えないの?!)

('_L')「なので、サッカー部は一週間
体力作りのためにランニングを行うことになりました」

当然、不満の声が上がった

(;'_L')「いいですか皆さん、落ち着いて聞いてください」

(#・∀・)「落ち着いてられっか!こっちは1回戦突破したサッカー部様だぞ!」

('_L')「野球部は去年甲子園出場しました」

(・∀・)…

野球部にはグラウンドを譲らざるをえなかった

ξ゚⊿゚)ξ「左京君は体力ないんだからもっと走らなきゃだめだよ!」

( ;^ω^)(勘弁してくれ、こっちは昨日のみなも水産戦で疲れているというのに)

( ;^ω^)「走るってどれくらい…」

ξ゚⊿゚)ξ「部活の時間が終わるまで」

( `ω´)「ずっと走りはヒドいじゃないですか!ボール触りたいですお〜!」

ξ゚⊿゚)ξ「わがまま言わない!出場時間伸ばしたいでしょ?」

( ;^ω^)「うぅ、それはそうですけど」

ξ#゚⊿゚)ξ「なら自分の苦手から逃げるな!」

確かに、これから守備強度を上げたりして、
激しいトレーニングに耐えるためには
ランニングをして体力づくりをするのが先だ
だが、頭では分かっていても体は拒絶していた

(’A`)「グラウンド使えないんだから走りしかないだろ、ほら!体力付いたらもっとドリブルできるぞ〜」

( ;^ω^)「うぅ〜ドクオは走るの嫌じゃないのか」

(’A`)「朝練に付き合わされるよりはマシだ」

2年生が前を走り、後方から1年生が追っていく
毘府高校の周りは道路で囲まれているが、
少し外れた場所に広大な山地があるため車を気にせずにランニングができる

(= Δ=)「しっかしグラウンド使えないとなると出来るのはランニングと筋トレくらいか?」

('j v i')「だな〜みんな筋トレしてる?」

( ゚∀゚)「俺はよくエロ画像見ながら体幹トレーニングしてるわ」

('j v i')「なぜ?!」

( ゚∀゚)「テストステロンが増える感じがするんよね」

(´・ω・`)「股間に無駄な血液が集まるだけだろうな」

( ゚∀゚)「最近は嬢様にカウントダウンされるタイプの音声作品に合わせて腕立て伏せしてる」

('Д")「お前特殊性癖すぎだろ〜」

2年生は朝からハードな話題を話しながら走っている

(;´ω`)「なんでみんな喋りながら走れるんだお?」

(’A`)「いや、当たり前だろ
試合中パス要求する時とか喋らなきゃだろ」

( ;^ω^)「たしかに」

( ><)「やっぱり、フルマラソン走りながら麻雀打てるくらいにはならなきゃね」

(;´ω`)「だからそれは無理だお」

(;´ω`)「ってか牛間と西尾ってランニングの時、俺に負けてたはずだよね?
なんで俺より走れてんだお」

(个△个)「あの時は疲れてたからね〜」

(‐λ‐)「盛山先輩のドリブルが無ければもっと走れてたと思うよ」

( ;^ω^)「た……しかに」

ブーンはもう走りながら喋ることが困難になってきた、そんななか空が暗くなり
ポツポツと雨が降り、次第に強くなってきた

(´・ω・`)「いかん、雨が降ってきたな」

('_L')「荒牧監督に連絡してみる、路線変更して学校まで向かうぞ」

数分後監督から返信が来た

/ ,' 3 〈分かりました😀昨日頑張ってくれたので、6時🕕までは好きな事をして雨宿り☔️していて大丈夫です👍 でも、うるさくするのはNGですよ✋〉

('_L')「とのことです」

(´・ω・`)「おじさん構文だ…」

( ;^ω^)(もしこのまま走ってたらくたばってたお)

(*’A`)「荒牧監督サイコーっス」

( ^ω^)「20㌔走らされたの忘れたんかお?」

(’A`)「途中で雨降ったから10㌔くらいしか走らないぞ」

( ^ω^)「しか…」

('_L')「じゃあ学校まで走って戻るぞ」

( ;^ω^)「げっ…」

ランニングは中止になったが学校までは走って戻らなければならない
雨で地面が濡れて走りづらくなった

____毘府高校・サッカー部室____

部員達は濡れたジャージから急いで着替え、部室に入った
毘府の部室はあまり綺麗ではないものの、面積は広い
今の部員数は17人、そこにマネージャーが1人
昔よりも人数が減ったため広々と使うことができる

('_L')「酷い雨だ、早めに帰った方がいいかもしれないな」

('j v i')「止むとは限らないもんね〜」

(=゚ω゚)ノ「僕は早めに帰るよう」

(0 L0)「電車は動いてるみたいだし帰るか」

雨が酷くなることを心配した人は先に帰った
残ったメンバーはみなも水産戦の勝利を祝福し、みんなで遊ぶことにした

盛山が紙切れを配り唐突に人狼ゲームが始まった

( ゚∀゚)「高宮は黒だと思う」

ξ゚⊿゚)ξ「は?なんで」

( ゚∀゚)「いや、なんとなく」

(・∀・)「そういう長岡が怪しいんじゃねぇのか」

( ^ω^)(何にもわかんねぇ)

(= Δ=)「コミュニケーション鍛えるには良いゲームだな…」

ξ゚⊿゚)ξ「あ〜」

(・∀・)「どした?」

ξ゚⊿゚)ξ「三角コーンがグラウンドに置きっぱなしになってる
誰か片付け手伝ってよ」

しかし名乗り出る者は居ない

( ^ω^)「野球部が出したんだから野球部が片付けるべきだお…」

ξ゚⊿゚)ξ「水戸君は居ないの?」

(个△个)「さっき帰りました」

ξ;゚⊿゚)ξ「雨の中?自転車でしょあの人」

(个△个)「時間がもったいないからって」

ξ゚⊿゚)ξ「水戸君なら絶対手伝ってくれたのに、誰でもいいから来てくれない?」

('Д")「濡れるのは嫌だぞ」

ξ゚⊿゚)ξ「今雨がやんできてるから、すぐ行けば濡れないよ」

(= Δ=)「ほんとだ、やんできてる…じゃあ帰るか」

ξ゚⊿゚)ξ「おい!」

( ゚∀゚)「行ったら何かイイコトしてくれる?」

ξ゚⊿゚)ξ「何もしないよ!行ってコーンとボール片付けて来るだけなんだから」

∫ ∫一Å一)「このままじゃ埒が明かないからここは僕が…」

ξ゚⊿゚)ξ「手伝ってくれる?」

∫ ∫一Å一)「ディーラーやるからポーカーで行く人決めようか」

ξ#゚⊿゚)ξ「…さっさとしてよね」

(・∀・)スリーカード

(’A`)ツーペア

('Д")ワンペア

( ゚∀゚)ツーペア

(= Δ=)ワンペア

(个△个)ストレート

( ^ω^)…

(’A`)「ブーン?」

( ^ω^)「やっぱり、女性を待たせちゃダメですお
俺が手伝いに行きますお」

ξ゚⊿゚)ξ「ありがとう〜左京くん」

(’A`)ノ チラッ
ドクオがブーンの手札を表にする

(’A`)「こいつハイカードっすわ」

____毘府高校・グラウンド____

雨の中、高宮と一緒に片付けを行う

ξ゚⊿゚)ξ「結局外周してたからつかわなかったけどさ〜
野球部がついでに片付けてくれればよかったのに」

( ^ω^)「そっすね」

ξ゚⊿゚)ξ「ってか盛山くんと左京くんが先に片付けるべきなんじゃないの?」

( ;^ω^)「…そっすね」

自主練のために出したコーンをそのままにしていた

( ^ω^)「このボール、借りてもいいですかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「こんなボロボロのボールどうするのよ」

空気の抜けたボロボロのボールを蹴るには、
跳ねにくいためパワーとコントロールが必要である
だがブーンは水の染み込んだそのボールをその場でリフティングしてみせた、

ξ゚⊿゚)ξ「すご…このボールで27回も」

( ^ω^)「ドリブルとリフティングだけは得意ですから…」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、ドリブルしながら長距離走れば、楽しく体力つけれるんじゃない?」

( ^ω^)「それ、良いアイデアですお」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン君、本当にドリブルが好きなんだね」

( ^ω^)「はい、フットサルやってた時から、相手を抜き去るドリブルが好きでしたお」

( ^ω^)「フットサルの時は自由に選手交代できたので、スタミナ不足はあまり関係なくて、ドリブルできるだけでも通用してたんですお
でも今、体力付けておけばって思いましたお」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、克服しないとね」

( ^ω^)「ですね、じゃあ明日はドリブルしながらマラソンしてみますお」

翌日、ブーンはボールを持ってランニングコースに来た

( ^ω^)「俺、ただ走るだけっていうのが苦手なので、ボールに触れていれば続けられると思うんですお」

('_L')「なんだそりゃ、お前らしいアイデアだが」

ξ゚⊿゚)ξ「アイデアは私のでーす ね、いいでしょ?」

(・∀・)「まぁ何事もチャレンジ、とりあえずやってみようぜ」

('_L')「しかし監督…道路でボールを出すのはマズいのでは?」

/ ,' 3 「いや、ここのランニングコースなら車の心配もない
ボールに触れるのは大事だし、苦情が入らない限りは大丈夫かと」

('_L')「そうですか…左京、走り切れよ?」

( ^ω^)「はい!頑張って走り切りますお!」

山に入ったタイミングでボールを転がし、ドリブルしながら走った

(・∀・)「へいパス」

( ^ω^)「はい!」

(・∀・)「今日は活き活きしてんじゃねぇか〜良い練習見つけたな」

( ^ω^)「はい、これなら20㌔走り切れ…」

( ^ω^)「なかったお…」(12㌔付近でギブアップ)

(;・∀・)「根性が足りん」

( ^ω^)「でも、ボールのお陰で前よりは…」

水戸がブーンに近づく

(#'_L')「お前いい加減にしろよ…」

(;・∀・)「げっ、怒った」

('_L')「なんでこんな新人のために、しょうもない要望に応えなきゃいけないんだ」

( ;^ω^)「すみません…」

('_L')「車通りの少ない道路だったから許可したものの、
通行人は数人いるから危ないし、部員もボールに気を取られて集中しないだろ」

('_L')「そもそもドリブルしてる方が体力奪われるだろ、なんで長く走れると思ったんだ」

( ;^ω^)「それは、ただ走るだけってのが苦手だからですお」

('_L')「あぁ、そういう理由だったな」

('_L')「てかなんだよ『ですお』って…気持ち悪い喋り方だな」

( ;^ω^)「えっ」

('_L')「『なんです』ばっかりの奴も居るし、『だよう』ばっかりの奴も居るし、盛山は淫夢語録大好きだし、うちの部は変な喋り方が多いな」

(;・∀・)「言い過ぎィ!」

( ;^ω^)「そりゃ言わない約束ですお…」

('_L')「お前が約束を語るか?」

( ;^ω^)…

('_L')「頑張って走り切るって言葉は嘘か」

( ;^ω^)「頑張ったのは事実ですお」

('_L')「あっそ…やる気はあるみたいだな、じゃあこっから一週間
やる気と根気で走れ!走るのが嫌なのはお前だけじゃない、悔しかったら喰らいついて来い」

こうして一週間は自分の課題とみっちり向き合った
スタミナ不足を補うためにとにかく走りこみを行い、さらにディフェンス練習、
左足のキック練習、当たり負けしないために筋トレも行った

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