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第3話「スタメン」( ^ω^)ブーンがスーパーサブとして流れを変えるようです

スタメンを決める技能テスト 1つ目のパス&ディフェンスの審査はうまくプレー出来たのは天野だけで、それ以外の5人は結果を残せなかった
2つ目の審査はお得意のドリブルだ ここでうまくアピールしたい

/ ,' 3 「今からドリブルのテストをします 先にやりたい人から手を挙げてください」

( ^ω^)ノ「はいですお!」

/ ,' 3 「では左京君 こちらへ」

先輩達が三角コーンを5つずつ2列に並べた

/ ,' 3 「コーンを避けながらジグザグにドリブルしてください そのタイムを測ります 左側からスタートして5つ目のコーンで右側のコーンに移動して折り返してください 白線を越えたら終了です」

('_L')「はいボール 進む順番間違えたら失格な」

( ^ω^)「はいですお」

水戸からボールを受け取った
ジグザグドリブルは1つでも進むべきコーン飛ばすと順番が狂う
もしボールを遠くに飛ばしてしまうとそれが大きなタイムロスになる スピーディかつケアフルに行く必要がある

ボールを白線の上に置き、走る構えに入った

/ ,' 3 σ ピーーーッ

⊂二二二( ^ω^)二⊃「行くおーー!」

右足のインステップでタッチし、スタートした

インサイドは親指 アウトサイドは小指でコントロールしながら進む フットサルで培ってきたこの動きがブーンの身体には深く染み付いていた

(・∀・)「俺と同じドリブラーか めっちゃ上手いしポジション奪われるかもな」

('j v i')「いやアイツは左ハーフだから被らないぞ
まぁ被ったとしてもお前がドリブルで負けるはず無いけどな」

(・∀・)「まあな」

(・∀・)(…それにしても綺麗なボールタッチだ)

右→ 左← と交互に重心を傾ける

(;^ω^)(タンタ、タン、タンタ、タン)

あっという間に5つのコーンを突破した

(; ^ω^)(折り返し!)

右足裏でボールに乗って着地し 左足でボール引きつけ回転した

(・∀・)「ルーレット!」

('j v i')「遊んでくぅ〜」

そしてルーレットの流れのまま加速する

(;;^ω^)(やっぱりドリブルは楽しいお!)

両足をうまく使い軽やかに進み10つ目のコーンを抜けた あとは直線的に走り抜ける

/ ,' 3 σ ピーーーッ! ⊂二二二(;; ^ω^)二⊃

ミスなく軽やかに走り抜け、白線を越えた
部員のみんなから拍手が起こった

(*’A`)「ナイスだブーン!」

(* ><)「カッコよかったんです!」

(;//^ω^)「照れるお」

1年生達はブーンの活躍を目にして勇気付けられた

火照った身体を冷やす心地よい汗が滴る
この瞬間がたまらなく気持ち良い

荒牧監督がストップウォッチを見る

/ ,' 3「結果が出ました」

荒牧監督のその言葉に全員の意識が注がれる

/ ,' 3「15.6秒です」

( ;^ω^)(これは、結構速い方なのかお?)

ブーンは具体的なタイムを聞いても速いのかそうでもないのかピンと来なかった
____盛山先輩の言葉を聞くまでは

(;・∀・)「俺より0.8秒速い」

( ;^ω^)!!

('j v i')「マジ!?」

ブーンは自分でも信じられなかった いつもベンチから憧れを抱き、眺めていた先輩をタイムで越えたのだ

( *^ω^)「嬉しいですお」

(・∀・)「期待してるぞ〜お前」

ブーンが盛山に頭をくしゃくしゃされた

('j v i')「それにしてもあのルーレット カッコよかったな」

(;//^ω^)「えへへ あれくらいはちょっと練習すればすぐできますお」

('_L')「全くその通りだな」

( ;^ω^)「ほえ?」

ブーンと中浜の会話に水戸先輩が割り込む

('_L')「ルーレットなんて誰でもできる それにあんなのただのタイムロスだろ」

(;'j v i')「今盛り上がってるのに そうゆう事言わないで…」

(・∀・)「まぁまぁ 水戸は後輩が思ったより凄くて嫉妬してるんだろ?これからチームメイトになるんだから 仲良くマターリいこうぜ」

盛山が水戸が凍らせた場を和ませてくれた

( ^ω^)(だいたい水戸先輩は真面目過ぎるお
サッカーは楽しむ物だお)

/ ,' 3「さぁさぁ皆さんもどんどんドリブルしましょうよ 次は誰が行きますか?」

(’A`)ノ「俺行きます」

( ^ω^)「ドクオ頑張れ〜」

ドクオが白線の上にボールを置いた

/ ,' 3σ ピーーーッ 荒牧監督の笛が鳴りドクオがスタート

ドクオのドリブルは丁寧ではあるが勢いに欠ける
ミスをしない事は大事だが もっとチャレンジ精神を持っても良いと思う

(・∀・)「アイツは左利きか」

('j v i')「そんなの見ただけで分かるの?」

(・∀・)「よく見てみろ 左足でのタッチが明らかに多い」

('j v i')「たしかに言われて見れば…」

そしてほぼ右脚を使うことなく白線を越えた

/ ,' 3「19.8秒です」ε=ε=ε=(; ’A`)

(;’A`)「ブーンの記録速すぎないか」

('j v i')「ああ あれは異次元だ 今の霧島の記録が平均くらいだ」

(;’A`)「ですよね」

( ^ω^)「でももっと思い切って進んだ方がいいお
ミスしないのも大事だけどチャレンジするのも大事だお!」

(’A`)「うるさーい!俺はDFなんだからチャレンジなんかいらないんだよ!」

( ;^ω^)(こいつバカ正直だお)

(个△个)ノ「荒牧監督!次僕行きます!」

/ ,' 3σ「良いですね では行きましょう」

/ ,' 3σ ピーーーッ ε=ε=ε=(个△个)

牛間はCB志望にも関わらずドリブルのフォームが綺麗で足も速かった

/ ,' 3σ ピーーーッ「18.2秒」ε=ε=ε=(;个△个)

その後西尾は19.2秒 天野は19.7秒 招木は8つ目のコーンを倒してしまい「記録なし」となってしまった
その時のタイムは17秒くらいであり、最後走り切れていれば牛間に勝てたであろう

( ^ω^)「招木気の毒だお…」

( ; ФωФ)「まことに遺憾であります」

(’A`)/「いや政治家か」

/ ,' 3「次の審査を行います 招木君もまだまだ取り返せますから切り替えて行きましょう」

たしか次はシュートだった
ゴール前まで移動すると水戸先輩が2つのコーンを置いていた コーンの位置はPKの2倍くらいの距離にあった

/ ,' 3「このコーンの所からゴールに向かって2本シュートを撃ってください」

ゴールを見ると背の低いキーパーが立っている

( ;^ω^)「あれは」                                      ξ゚⊿゚ )ξ

よく見たら女子マネージャーの高宮先輩であった

(’A`)「先生!なぜ高宮さんがキーパーを?新田先輩はどうしたんですか?」

フェンスの外から新田先輩の太い声が聞こえた

(´・ω・`)「昨日の大会で疲れてしまったので 今日は見学だけにする」

新田先輩はユニフォームではなく制服を着て見ている 身長が190cmある新田先輩の制服はピチピチであった

/ ,' 3「そういう訳です 高宮さんには新田君の代役をお願いしました じゃあ始めちゃいましょうか」

( ^ω^)「じゃあ行きますお」

ξ゚⊿゚)ξ「思いっきり蹴って来なさい」

走り込み 蹴る瞬間に体の重心を軸足から右足に移す

放たれたシュートはゴール左側に飛んだ

( ^ω^)(いいコースだお!)

\ξ゚⊿゚)ξ「えいっ!」

( ;^ω^)「えっ?!」

確実に入ったと思った しかし男子でも止めるのが難しいコースのボールを高宮先輩は右手でパンチングしてみせた

( ^ω^)「高宮先輩ってもしかしてサッカークラブとか入ってましたか?」

/ ,' 3「うーん 小学校の時は入ってて 中学時代はバレー部かバスケ部だったような?」

ξ゚⊿゚)ξ「バレー部です!」

バレー部かぁ たしかにジャンプ力あるもんなぁ
…とはならない

( ^ω^)(高宮先輩 かなり身体能力高いお)

ボールを置き長めに助走をとった
ボールまで全力で駆ける

( `ω´)「うおおおおおお!!」

インステップでボールの中央を捉え、体を捻る

(   `ω´)「ブチ抜くお!!!!」

=͟͟͞͞ =͟͟͞͞ =͟͟͞͞ =͟͟͞͞ =͟͟͞͞  ⚽️パシューーーン

ξ゚⊿゚)ξ「すご…」

ボールから風を切る音が聞こえた
高宮先輩が触れようとするも全く手は届かない
そしてゴール左上に突き刺さった

それを見たドクオが駆け寄ってきた

(*’A`)「ブーン 次俺が蹴るわ!マジ見てて」

( ^ω^)「おう 頑張れお」

やはりゴールは人を影響させる力がある
ドクオは俺も決めたいというような顔つきでボールを手にした

(’A`)「魅せるぜ俺の神の左脚」

ξ゚⊿゚)ξ「厨二病か」

ゴールに対してまっすぐ走り込み 左脚を振り抜いた

ξ゚⊿゚)ξ「よっ」

ボールは高宮先輩の頭上に飛び 両手で弾かれた

(’A`)「くそー 次だ次」

今度はボールの左後ろから ゴールに対して横に走り込む ボールの右下を擦り上げる アウトカーブだ

(’A`)「ドクオカーブ!!」

鋭く回転のかかったボールはゴール左上に吸い込まれた

ξ゚⊿゚)ξ「す、すご!」

( *^ω^)「ドクオそんなキック撃てたのかお!すげーお」

(*’A`)「実はカーブ1人でめっちゃ特訓してました〜」

ドクオが1人で特訓したという事は、絶対に有名なサイドバックの選手をイメージして練習したはずだ

( ^ω^)「多分ロベルト・カルロスのフリーキックのオマージュだお!」

(;’A`)「なんで分かるんだよこえーよ」

ブーンはサッカー歴7年 フットサル歴3年
極めつけはドクオ歴10年目である だいたいの趣味や性格は知っている

/ ,' 3「じゃあ次は天野君に蹴ってもらいましょうか」

( ><)「苦手なシュート き、緊張するんです」

天野は直線的な長めの助走をとって蹴ったが、
ボールは2バウンドして高宮先輩の元へ転がった

( ><)「難しいんです!!」

(’A`)「キックの威力が足りないな」

( ><)「よく言われるんですが どうしたら威力が上がるのか分からなくて…」

(’A`)「そうだなぁ ボールを嫌いな人の顔だと思って蹴ってみたら」

( ><)「嫌いな人?!」

ドクオらしい斬新なアイデアだ
だが礼儀正しい天野がその策を本当に実行するだろうか もし天野がそれをやったらそれはそれで面白いが

( ><)(俺様の嫌いな人物…)

天野がしばらく俯き、そして顔を上げて走り出した

( # ><)「くたばれ!伊藤!」

( ;^ω^)(;’A`)(伊藤?)

天野のシュートは力は入ったものの枠の上を越えて行った

( ^ω^)「天野惜しかったお で、伊藤って誰だお?」

( ><)「伊藤先生の事なんです!」

( ;^ω^)「あー あの伊藤かお…」

(’A`)「え?誰?」

ブーン ドクオ 天野は別のクラスであり
ブーンのクラスと天野のクラスは伊藤先生が英語を持っている

( ^ω^)「ドクオは多分知らないお 英語の先生で
これがまぁうるさいし怖いしめんどくさいんだお」

(’A`)「そうなんだ そいつが英語の担当じゃなくて良かったぜ」

/ ,' 3「…天野君」

(; ><)「は、はい すいません…」

/ ,' 3「先生は優しいから伊藤先生には報告しないけど… そういう言葉は試合で使っちゃダメだからね」

( ><)「はいなんです!」

そして次は西尾の番
トゥキックで蹴って1本目は左に逸れ 2本目は真正面に蹴ってしまった

(;‐λ‐)「なんでだぁ?」

(’A`)「つま先で蹴るからだろ」

それに対して招木はインサイドで蹴ってしまっている コントロールは良いが威力は足りてない

( ФωФ)「とうっ!」

ふわっと浮いたボール  ゴールより高い位置からゆっくり落ちてくる

ξ゚⊿゚)ξ(これなら取れる)

高宮先輩がジャンプしたが
             _______            
⚽️/  ξ゚⊿゚;)ξ   

身体160cmの高宮先輩がギリギリ届かない高さでゴールに入った

( ФωФ)「これが吾輩のドライブシュートであーる!」

ただのラッキーゴールである

(’A`)「新田先輩なら取れてたな」

さて5人目のキックが終わったので残るは牛間1人だ

( ^ω^)「頑張れ牛間〜」

(’A`)「ディフェンダーなんだし気楽にな〜」

(个△个)「…」

牛間は何も言わずにボールを置いた

( ^ω^)(なんかいつもの牛間のテンションじゃないお)

そして走り出す牛間柊人
ε=ε=ε=(个△个)
あまりにも綺麗なフォームから放たれるシュート

ξ゚⊿゚;)ξ「キャァ!!」

惜しくもポストに当たり鈍い音が鳴った

( ;^ω^)「う、牛間!なんでそんなにシュート上手いんだお?!」

(个△个)「もともとFWだったんだけどね うまくいかなかったからDFに転向したんだ」

(’A`)「このシュート撃ててFWでうまくいかないのか…」

牛間が2本目のシュートを構えた
やはり綺麗なフォームで足を曲げ振り抜く

今度はゴールのサイドネットに突き刺さるかのように決まった

(个△个)「よーし 次はディフェンスだぁ!頑張るぞ!」

/ ,' 3(牛間君 このシュート力があってなぜCB志望なんだろうか…)

1年生も先輩達もこの牛間のシュートに注目していた
明らかにディフェンダーのシュートではなかった

( ;^ω^)「牛間!本当になんでこんなにうまいんだお?!先輩たちのシュートよりキレがあるっていうか」

(个△个)「褒めすぎだよ〜練習すればできるって」

ちょっとした練習でできるようなシュートではない、いったいどれだけの練習を重ねたらこんな芸当ができるのだろう
だが牛間は驕ることなく目の前の審査に向かった

/ ,' 3「次は対人のディフェンスです 2年生準備しましょう」

(・∀・)「よーしやったるぞ!」

縦長のコートが6つ作られ 対面に
盛山・伊織・草野・東・庄野・水戸先輩が
スタンバイしている

/ ,' 3「2年生のオフェンス陣6人が1人ずつドリブルを仕掛けて来ますので1体1で止めてください
線を越えられる前に止める事が出来たら勝ちです
ローテーションしながら相手を変えてやってください」

(个△个)「じゃあ並ぼうか 僕は東先輩から行こうかな」

6人全員が先輩と1体1で相対した

( ^ω^)(相手は水戸先輩かお)

水戸先輩のポジションはボランチだ
ドリブルよりもパスで相手を崩すイメージの方が強い それゆえ、どんなドリブルをするのかはよく知らない

('_L')「…さっき俺はルーレットなんて誰でもできると言ったな」

( ^ω^)「はい 言いましたお」

('_L')「今ここで証明してやる!」

そう言ってこちらに走ってくる水戸先輩
そしてこの発言は…

( ;^ω^)「ルーレット使う宣言みたいなもんだお」

ブーンと水戸先輩との距離 約1m

(( ('_L')⚽️  ))   (^ω^ )

三回またぎ 左斜めに走りこんできた
やはり片足で球に乗りルーレットの姿勢になった

(  `ω´ )(今だお!)

切り替えし右側に踏み込む____しかし

(  ;`ω´ )(届かないっ)

背中で背負いながら回られた
ルーレットを使うと分かっていても
止められなかった

('_L')「楽勝だな…」

( ;^ω^)「ありがとうございましたお」

続いて盛山先輩との1体1

(・∀・)「よーし次はお前か 左京って呼べば良いか?」

( ^ω^)「ブーンって呼んでくださいお!」

(・∀・)「分かった かかってこいブーン!!」

盛山先輩は部内一のドリブラーだ
完全にボールを奪うのは厳しい
一瞬身体からボールが離れたその瞬間に足を伸ばせばいい その瞬間を待った

(・∀・)「動かないならこっちから行くぜ〜」

( ;^ω^)「うぉ!」

鮮やかなダブルタッチ
本当に一瞬しかボールと身体が離れなかった

(・∀・)「ドリブルする方はスゲーけど
止める方は全然だなブーン」

( ;^ω^)「精進しますお…」

その後伊織のシザース 草野のフィジカル
東の華麗なストップ&スタートに翻弄された

ε=ε=ε=(=゚ω゚)ノ◞⚽️◝
=͟͟͞͞ =͟͟͞͞ =͟͟͞͞╭ (0 L0)⚽️
(         )_  ε=ε=ε=∫∫一Å一)⚽️

( ;^ω^)「庄野先輩止めれなきゃ全敗だお…」

庄野は天野とマッチアップ中だ

(^д^)「うおおおおぉ」

直線的に突っ込みかかとでチョップする
しかし全く動じない天野

( ><)じーーーーっ

右足のかかとで叩いたボールを左足でコントロールしようと試みるも、
前にこぼれた 

(;^д^)「やべっ」

天野が庄野の身体から離れたボールを素早く刈る

(^д^)「強いな〜天野 これで5人連続で止めてるじゃん」

( ><)(今回は向こうが勝手にミスしたんだけどな)

( ;^ω^)(先輩5人連続で止めるって凄すぎるお…)

(^д^)「よーし次ブーンやるぞ〜」

( ^ω^)「はいですお」

何故かもうブーン呼びだがそこは置いておこう

(^д^)「行くぜ行くぜ〜」

間合いを近ずけてきたが
先程の勢いはなく様子を伺っている

( ^ω^)「仕掛けて来ないならこっちから行くお」

(^д^)「あっ」

呆気なくボールをカットした

(^д^)「やばい6人全員に止められた」

( ^ω^)(可哀想だけど庄野先輩は今年もベンチかもしれないお)

周りを見たところ他の1年生も徐々に1体1の審査を終え始めている

(’A`)「俺は3人止めたぜ」

( ФωФ)「吾輩は2人」

(‐λ‐)「俺は3体撃破!」

(;个△个)「流叶!先輩をゲームの敵キャラみたいに数えるのはやめろ!」

(个△个)「あ、俺も3人止めたよ」

( ^ω^)「みんな凄いお 俺は1人しか止められなかったお」

あと1体1で残っているのは天野vs盛山だ

(’A`)「これは白熱した戦いだな どっちも5連続で勝ち続けてる」

両者向かい合った

( ><)「よろしくお願いします!」

(・∀・)「よろしくな」

この対戦はここにいる全員が注目している
緊張感がこちらにも伝わってきた

盛山がジョギングくらいのスピードで間合いを詰める 互いに慎重な入りだ

◞(・∀・)◝「お前のスタンスは俺にはちょっとやりにくいなぁ」

天野は足を肩幅くらいに開き 盛山の足元を見ている

(个△个)「さっき天野から教えてもらったんだけど」

(个△个)「中学時代は【鷹の目を持つ男】って異名を付けられてたらしいよ」

(*’A`)「なにそれカッコいい!」

(个△个)「分かる〜カッコいいよね 天野は恥ずかしいって言ってたけどさ」

天野は相手を動きをじっくり見て反応している

( ><)じーーーーーっ

(・∀・)「これならどうだ!」

盛山が鮮やかなネイマールチョップを披露した
だが足の動きを見て反応する天野

( ><)「こっちなんです!」

(;・∀・)「くっそ どこまでも追いついて来やがる…」

天野が常に先回りしてカバーするため盛山は自由に足を動かせない

( ^ω^)「全然抜かれる気配が無いお」

(’A`)「さすが鷹の目だ」

盛山が身体を入れて天野を背負い反転した

( ><)「させません」

やはり瞬時に反応する天野
さらにその逆側に動き出す盛山

( ><)「絶対抜かせません!」

天野がすぐに体を入れ、躱させない

(;・∀・)「おい 天野…」

( ><)「なんですか?」

(;・∀・)「線越えてる」

( ; ><)「え…?」

盛山が足裏で転がしたボールは線を越えていた

(;・∀・)( ; ><)


ルール上盛山の勝ちだ

(・∀・)「引いて守るのは良いけど、あんまりディフェンスラインを下げ過ぎるなよ?」

( ><)「気をつけます…」

ここがリトリート守備の弱点だ
もし試合で同じ場面があれば、いつシュートを撃たれてもおかしくない状態になってしまう

逆に盛山は天野を抜き去る事は出来なかったものの、【線をドリブルで越えたら勝ち】というルールを使う事に思考を切り替えたことで、相手の弱点を上手く突いた

天野が悔しそうにこちらに戻ってくる

( ^ω^)「天野惜しかったお」

(’A`)「さすが鷹の目を持つ男って感じ」

( // ><)「なっ!」

天野が牛間の方を見た

( # ><)「ちょっと!牛間君 そのことあんまり言わないでくださいよ〜 恥ずかしいんです!!」

(个△个)「ごめんって〜 でもカッコいいから良いじゃん たまに呼ばせてよ〜」

( ><)「…そんなに呼びたいならいいけど」

牛間は喜んでいる
正直この異名を考えた天野の友達は天才だと思う
相手をしっかりと見てボールを刈る天野の姿は鷹そのものだ

/ ,' 3 「さて、そろそろ始めましょうか
次が最後の審査です」

( ^ω^)「よーし最後気合い入れてくお」

/ ,' 3 「次はランニングです
1分以内にこのグラウンドを一周してください
それを10周出来たら終了です」

スタート地点に移動した
自分は4つの審査で足に疲労が溜まっている
いや、自分だけでは無い

/ ,' 3「ではスタート」

一周400M弱のグラウンドを周回していく

どんどんと足に乳酸が溜まっていくのを感じた

( ; ФωФ)「もう無理であります」

招木が6周目でギブアップした
自分もすでに足と肺が痛かった

(;个△个)「ギブ〜」

(;‐λ‐)「俺も」

牛間と西尾が7周目でギブアップ

残るは俺とドクオと天野だ 2人は疲れは見えるものの、ほぼペースを変えずに走っている

( ; ω )(…身体が 動かないお)

足が重い このままじゃ間に合わない

/ ,' 3 「13、12、11」

荒巻監督が無表情のままカウントダウンを始める

( ;^ω^)「ドSかお…」

/ ,' 3 「10、9、8」

⊂二二二( `ω´)二⊃「うおおおおぉ!!!!」

全速力で駆け抜けた 一周でも多く走りたい

/ ,' 3 「3、2、1」

⊂二二二( ; `ω´)二⊃「うおおおおぉ!!!!」

ギリギリの所で間に合った そしてドクオに追いついた 風を切って走る 身体が軽くなった

体力温存のためにペースを落とそうとするが

⊂二二二( ;^ω^)二⊃(ッ?止まれない…!?)

何故だ…ペースが落とせない…
強制的に背中を押されながら走っているような感覚

(;’A`)(あいつペース配分どうなってんだ)

先頭を走っていた天野も抜き去った

/ ,' 3 「22、21」

(;´ω`)「ゴ、ゴール…」

ゴール直後、急に力が入らなくなり倒れ込んだ

(;个△个)「大丈夫かブーン!」

牛間が身体を支えて運んでくれた
グラウンド脇に設置された簡易的なベンチに横たわる
右脚のふくらはぎがつっている
自分の体の弱さが嫌になった

( ;^ω^)「水を…」

(个△个)つ「はいどーぞ」

( ^ω◇ゞゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク

( ^ω^)□「ぷはぁ〜生き返るお」

(;个△个)「もう全部飲んじゃった」

( ^ω^)「いつまでも休んでられないしもう戻るお」

歩くたびに右脚が痛んだ 列に入り
サッカー部全員が荒牧監督の前に集合した

/ ,' 3 「お疲れ様でした この審査の結果をもとに
スタメンを組んで来ます 部室で制服に着替えてまたここに集合してください 解散」

あれだけ無理をして走ったのだ それにドリブルとシュートには自信がある なんとしてもスタメン入りしたい

( ^ω^)「そう言えば2人ってランニングはどうだったんだお?」

(’A`)「俺も天野も完走した」

( ><)「楽勝だったんです」

2人とも息があがっていない 自分は8周であんなに息があがっていたのに
それにしてもあの背中を押されながら走るあの感覚はなんだったのだろうか

____毘府高校 サッカー部・部室____
この学校の部室を見るのはこれが初めてだった
建物は古くなっていて砂を被っている 扉を開け、
ガラガラという音が鳴った

足を踏み入れた時、熱気が漂う

(’A`)「うお汗クセェ」

皆が汗を吸ったユニフォームを脱ぎ、着替えていく

( ^ω^)(それにしても…)

先輩達の身体がそろって屈強だった

(・∀・)「よおブーン 脚は大丈夫か」

( ^ω^)「はい、つってるけど歩けますお」

(・∀・)「怪我には気をつけろよ?お前はきっと俺と反対の翼になる選手だ」

反対の翼 つまり右サイドハーフの盛山先輩と逆側の左サイドハーフの選手という事
思いがけない褒め言葉だ

( ;^ω^)「恐れ多いですお」

(・∀・)「俺さ、不安だったんだよ 一年にちゃんとした左サイドハーフが入ってくれるかが 俺という右翼がありながら、左翼がひよこの翼みたいなヤツだったらどうしようって
でもお前みたいなのが居てくれて安心したわ」

( ^ω^)「まだまだ盛山先輩には遠く及びませんが、
そう言ってもらえて自信出てきましたお」

自分は今、チームのエースから期待されている
その事実だけで頑張る気力が出てきた

( ^ω^)「あ、盛山先輩」

(・∀・)「なんだ?」

( ^ω^)「腹筋触らせてくださいお」

(・∀・)「おっいいゾ〜」

ブーンが手を盛山のバキバキの腹筋に当てた
昔おじさんがドイツ旅行のお土産に買ってくれた
硬すぎて全く噛みきれない板チョコのようだった
色白の盛山の腹筋は、
例えるならホワイトチョコのようだ

( ^ω^)「どうやったら俺みたいなモヤシでもこんな筋肉が手に入れられますか?」

(・∀・)「たくさん食え」

そう言うと盛山は素早く制服に着替えてグラウンドに向かった

____毘府高校グラウンド____

/ ,' 3 「これからスタメンを発表します」

いよいよだ、ここにいる全員が息を飲む

/ ,' 3 「ゴールキーパー 新田ショボン武」

(´・ω・`)「はい」

/ ,' 3「右サイドバック 長岡 隆英」

( ゚∀゚)「はい」

/ ,' 3「センターバック1人目 白木 康太」

('Д")「はい」

/ ,' 3「センターバック 2人目 天野 鷹匠」

( ><)「はいなんです!」

1年生の天野が選ばれた

( ;^ω^)(てか名前【たかじょう】って言うんだカッコ良いな)

/ ,' 3「左サイドバック 近藤 吾郎」

(= Δ=)「はい!」

(’A`)「残念…」

ドクオはスタメン入りとはならなかった

/ ,' 3「ボランチ1人目 水戸 蓮斗」

('_L')「はい」

/ ,' 3「ボランチ2人目 中浜 民祐」

('j v i')「はい」

/ ,' 3「右サイドハーフ 盛山 義孝」

(・∀・)「はい」

/ ,' 3 「トップ下 東 修平」

∫ ∫一Å一)「はい」

(’A`)「ブーン来るぞ〜」

( ^ω^)(入っていてくれお…)

/ ,' 3「左サイドハーフ…」

( ;^ω^)ゴクリ…

/ ,' 3「霧島 毒男」

(;’A`)「んぇ?!は、はい!」

( ;^ω^)(なんでドクオが?!コイツはサイドバックだお)

/ ,' 3「トップ 伊織洋」

(=゚ω゚)ノ「はい」

/ ,' 3「以上11名 新しいユニフォームを受け取ってから帰ってください では解散」

ただ呆然として立ち尽くす

(;’A`)「ちょっと待ってくださいよ監督!」

慌ててドクオについて行く

(;’A`)「俺は左サイドバックとセンターバックしかできませんよ
左ハーフなら俺じゃなくてブーンを使った方が良いですって」

ドクオが必死に説得してくれている
だが荒牧監督は「そんなこと知ってる」というような口ぶりで、逆にドクオに対して説得し始める

/ ,' 3「いや君はハーフで大化けするよ、光る物を感じます」

(;’A`)「そうは言っても、慣れないポジションでレベルの低いプレーをするよりはちゃんとした左ハーフのブーンに譲りたいというか…」

/ ,' 3「じゃあ慣れてください」

(;’A`)「そ、そうですか…わかりました」

荒牧監督は本気でサイドバックのドクオをサイドハーフで使うつもりのようだ
そしてもう一つの疑念を自ら監督に尋ねに行く

( ;^ω^)「監督 俺がスタメンに選ばれなかった理由はなんですか?」

/ ,' 3「スタミナ不足です」

即答だった そしてとても単純な理由だった

/ ,' 3「グラウンド10周も走れない選手をスタメンに入れる気はありませんよ
残りの3人も同じ理由です」

( ;^ω^)「そんな…」

悔しい、ずっと共にプレーしてきたドクオはスタメン入りでブーンはベンチ
しかも左サイドハーフというポジションまで奪われてしまった

(;’A`)「すまねぇなブーン ホントはお前のポジションなのにさ」

( ^ω^)「いやドクオが謝る事じゃないお 俺が体力なかったばかりに…」

そこで会話が止まった 気まずい空気が漂う
二人とも黙ってユニフォームを取りに行く
監督と話している間にほとんどみんなユニフォームを受け取っていた
ちょうど盛山が最後にユニフォームを受け取ろうとしていた所だった

(;・∀・)「あ、ブーン…」

盛山がユニフォームを受け取り、ブーンに話しかけた

(;・∀・)「その残念だったな…お前は選ばれると思ってたんだが」

( ;^ω^)「先輩…」

さっきまで期待の言葉をかけてくれた先輩を同情させてしまった

(・∀・)「じゃあ霧島 これから俺の相方としてよろしく頼むぞ」

(’A`)「は、はいっ!」

( ;^ω^)「…」

ドクオが高宮からユニフォームを受け取る

ξ゚⊿゚)ξ「はい、霧島くん 4番」

(’A`)「ありがとうございます」

続いて自分も受け取った

ξ゚⊿゚)ξ「左京くん 14番」

( ;^ω^)「ありがとうございます…」

( ;^ω^)(この背番号 本当に俺がつけて良いのだろうか)

背番号14番
去年の毘府高校の絶対的エースだった半並先輩がつけていた番号だ

第3話 終わり

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