偏質的俳句鑑賞-第六十二回 そら豆はまことに青き味したり-細見綾子『桃は八重』
そら豆って独特な感じの味をしている。自分的には味が薄めながらも少しクセのあるなんとも形容し難い感じだ。
それを細見綾子は「青き味」と捉えた。しかも、「まことに」となかなか感動というか本当に青い味だと気がついた、改めて捉え直した感じで詠んでいる。
言われてみれば夏っぽい自然的なそら豆の味は「青い味」だ。夏っぽいイメージも「青」に含まれていてなかなか面白い。そもそもそら豆も少し青みがかったなかなか夏っぽい色をしている。
この「青」はそら豆全体から滲み出した「青い」っぽさの全てを担っているのかもしれない。
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